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久しぶりの外はやっぱり気持ちいいな。空気も心做しか美味しいし。

あまりにも、気持ち良かったので、俺は背伸びをしてた。うーん、背中を伸ばしてストレッチするのはやっぱり気持ちいい!

いままで薄暗くて閉鎖的な場所に何日も篭っていたからね。

まぁ、残念な事は夕方だから、太陽が見えない事だな。

そんな事をしみじみと思っていたら、俺の近くを歩いていた。ナユナとシンシアさんが


「やっぱり、久しぶりの外の空気は美味しいわね」


「そうですね。あとダンジョンから、出れたので久しぶりにお風呂に入りたいですね」


「ええ、そうね!ギルドに帰ったら、まずダンジョンでの報告より、先にお風呂に入りに行きましょうね」


とそんな会話をしていた。それを聞いたら俺も早くお風呂に入りたくなってきたな。

だけど、ダンジョンに入る前に泊まった。ギルドの部屋には当たり前だけど、お風呂が1つしかないんだよな。

多分、ナユナとシンシアさんは俺に先に入れって言うと思うから、ここは強引にレディーファーストだからって言って先に2人に入ってもらうっと。



しばらくトーマさん達とダンジョンであった事を軽く話しながら、歩いていたらあっという間にギルドに着いた。

トーマさん達がせっかくダンジョンで会って、ここまで一緒に帰って来たのだから、夕飯も一緒に食べないかと言って来た。


「いいですよ。せっかくだから皆さんと食べたいです。ナユナもシンシアさんもいいよね?」


「あ~、私も皆と食べたいけど、まず先にお風呂に入りたいのよね。何日も入ってないから、せっかく誘ってくれて嬉しいんだけど。お風呂に入っちゃうっと時間がかかちゃうから、トーマさん達だけで食べて」


一応、ダンジョン内で身体を拭いたりして、清潔にはしてたけど。

確かに今のまま食堂に行くのは、他の人達にも迷惑がかかるよな。

それに何よりもお風呂に入りたい!


「俺も汚れたまま食堂に行くのは他の人の迷惑になるから、先に汚れを落としたいので、トーマさん達は先に食べてて下さい」


俺がそう言うとニーナさんが


「そうだよね。何日もダンジョンに潜ってたら、お風呂に入れないもんね。だけど、せっかく仲良くなったんだし、一緒に食事がしたいから、お風呂から上がるまで、わたし達待ってるよ。トーマ達もいいよね」


そうニーナさんがトーマさん達に聞くと、トーマさん達も頷きながら了承してくれた。


そしてお風呂に入る為に、今回もシンシアさんがSランク(権力)の力を使ってお風呂が付いてる部屋をもぎ取ってくれた。何度も思うけどSランク(権力)ってすげ~!


部屋に入るとシンシアさんが思いついたように


「さてと、トーマ達はゆっくりお風呂に入って来いって言ってたけど、流石に待たすのも悪いから、私とナユナは大浴場のお風呂に入るから、りん君はこの部屋のお風呂を使って。ナユナも大浴場でいいわよね」


「はい、いいですよ。それじゃあ、早く行きましょうか、この時間だと大浴場も混んできますし」


そう言って、2人はお風呂に必要な物を準備しだした。


「ちょっと、待って2人とも!」


俺がそう言うと2人の手がピタリと止まり。2人は俺の方を向いて


「どうしたの?りん君」


「俺が大浴場の方に行きます。2人も疲れてるだろうし、この部屋のお風呂でゆっくり入ってください」


俺のその言葉を聞いて納得いかない顔をしたナユナとシンシアさんが2人が


「それは、りん君も同じじゃない。だから、りん君はこの部屋のお風呂にゆっくり入って疲れをとってちょうだい」


「わたしもシンシアと同じ気持ちです。りんさんは今回色々な事が合って疲れてると思いますから、この部屋お風呂にゆっくり入ってください」


そう言う2人は言ってくれたけど。

うーん、だけど俺って前世は女子高生だったし、前世で温泉とかスーパー銭湯とか行った事があるから、わかる事なんだけど、ああいう場所で急いで髪を洗ったり、身体を洗ったりするのはすごく疲れるんだよね。まわりに迷惑がかからないように気を使わないといけないから、だから俺が大浴場行った方が合理的にいい気がするんだよね。

だっていま俺男だし、ある程度の身だしなみさえしてれば、大丈夫だと思うしね。ってな感じな事を2人に話して見たら


「りん君がそう言ってくれるなら、この部屋のお風呂を使わせてもらっちゃうわね。ありがとうね」


「ありがとうございます。りんさんお言葉に甘えさせていただきますね」


「うん、2人ともゆっくりお風呂に入ってね」


「それじゃあ、ナユナこの部屋のお風呂そこそこ大きいから、2人一緒に入った方が早く皆の所に行けるから、お風呂一緒に入りましょうか」


「はい、そうですね。ご一緒させていただきます」


そんな会話を聞きながら、俺はお風呂に必要な物を持って部屋を出ようとした時にシンシアさんが


「あっ!りん君待って!大浴場は武器の持ち込み禁止だから、黒金様はこちらの部屋でお待ちしてもらって」


「そうなんですか、じゃあクロここで待機って事で」


俺がそう言うとクロが不満そうな声で


「うむ、仕方あるまい。我はここで待つとしよう」


《えぇー!ここで待つの!》


おい!クロ待つって言ってるのに念話では本音がダダ漏れだし


《仕方ないでしょう、大浴場には武器の持ち込み禁止ってシンシアさんが言ってたんだから、だから、大人しく待っててよ》


《うーん、わかったよ。だから、りん早く帰って来てね。ここで待ってるとシンシアがオイラの事危ない目で見てきそうで怖いから、絶対!はやく帰って来てよね!》


《はいはい、すぐに帰って来るから大人しく待っててね》


俺は適当に返事を返して部屋を出た。

それにしても、危ない目ってどんだけシンシアさんの事を警戒してるんだクロ……



◆◆◆



俺は大浴場の場所がわからなかったのでギルドの人に場所を聞いたら、ギルドの人は丁寧に大浴場の場所やお風呂の入り方などを教えたくれたのでお礼を行ってから大浴場に向かった。


大浴場の中を見たら、凄く混んでいた。

これは、女風呂も混んでいるだろうな。ナユナとシンシアさんに部屋のお風呂に譲って正解だったな。


服を脱ぎ、ギルドの人に言われた通りに籠に服を入れて、いざお風呂に入ろうと思ってたら……当たり前なんだけど、自分も含めてみんな真っ裸なんだよね。


だから、見ちゃったんだよね……自分にもついてるアレが……


あぁ、考えちゃダメだ早くお風呂に入ってしまう。

そして、お風呂の扉をあけたら、うわぁー、みんな隠して無い!



あぁ、私いや俺これから、男して生きるって決心をしたけど。

本当に男として生きられるんだろうか、先行きが不安な私……俺だった。

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