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食堂に着いた。俺達は混雑している食堂でトーマさん達を探すのに固まって探すよりもバラバラに別れて探す方が早く見つかると思ったので別れて手分けして探すことにした。


それにしても、ここのギルドの食堂って広いな。今まで行ったギルドの中で一番大きいな食堂だ。これは食堂って言うよりも大型ショッピングモールにあるフードコートくらいの広さだな。こんな中でトーマさん達を探すのは一苦労しそうだな。


そして、しばらくトーマさん達を探していたら


「おーい!りん!こっちだ!」


トーマさんの声がしたので声のする方向を見たら、トーマさんが手を振って俺を呼んでくれた。

お風呂に入ったりしてだいぶ待たせちゃったので俺は急いでトーマさん達が居るテーブルへ急いで向かった。


トーマさん達が居るテーブルに着くと、先にナユナとシンシアさんが着いてたみたいで


「ナユナとシンシアさんよくこの席がわかりましたね」


「私達もりん君みたいに迷ったけど、さっきトーマが声をかけてくれたから、ここの席に着けたのよ。もうちょっと待ってもりん君が来なかったら探しに行こと思ったけど。ちょうど見つけられてよかったわ」


シンシアさんがそう言うとナユナも同調して頷いた。


「そうだったんですか、二度手間にならなくてよかったです」


「まぁなんだ、りんも無事に合流出来た事だし。りん、立っててもなんだ早く座れよ」


そうトーマさんが言ってくれたので俺は椅子に座った。


「それじゃあ、みんな無事に合流出来たって事だし、さっそく料理と飲み物を頼もうよ。あたしお腹すいちゃったしね。すみませ~ん」


そう言ってニーナさんは手を振って食堂の定員を呼んだ。食堂が混雑していたので少し時間がかかったけど、手の空いた定員が急いで注文を聞きに来てニーナさんがメニュー表を見ながらテキパキと料理を頼んでいった。


「料理は適当に頼んじゃったけど、飲み物はトーマ達いつものでいいよね。シンシアさん達はどれにする?」


そう言って俺達にメニュー表を渡してくれた。メニュー表を見たナユナとシンシアさんはすぐに飲む物を決めて定員に頼んでいたけど……そう言えば俺ってこの世界の文字読めないじゃん!


うーん、どうしよう文字が読めないから、何を頼めばいいのかわからないぞ。

文字が読めない俺はかなり慌ててた。そんな時に慌ててた俺に声を掛けてくれたのが


《りん、もしかしてこの世界の文字が読めないみたいだね》


《なっなんでわかったの!?クロ》


俺は驚きながら腰に差してるクロを見ながら言った。


《だって、りん、メニュー表だっけ?それを見ながら、うーんって言いながら首を傾げてたじゃん。丸わかりだよ》


えっ、それってクロに丸わかりって事は、他のみんなにも丸わかりって事じゃないか。

俺は目線をクロからみんなの方に移したら……暖かい目をして見守ってるみんなが居た。そしてニーナさんがより暖かい目をして


「りん君いいんだよ。無理しなくても、りん君くらいの年の子なら字が読めない子なんて沢山いるからね。とりあえず飲み物はオレンジジュースでいいかな?」


「は……はい……オレンジジュースでいいです……」


くっ、変なプライドを持ったせいで逆に恥ずかしい事になっちゃったよ。

今度からは、わからない事はわからないって正直に言うぞ。


それにしても、相変わらず俺って子供に見られるんだな。

まぁ、こんな低い身長だったら子供に見られるか。俺もこのくらいの身長の子を見たら子供だと思うしね。

とりあえず、訂正するのも面倒だから、このままで行こうっと。


そんな事を思っていたら、飲み物が運ばれて来て、それぞれ自分が頼んだ飲み物を手に取り。そして、ニーナさんが立ち上がって


「それじゃあ!りん君達がダンジョン攻略成功を祝って、乾杯!」


そして皆で乾杯と言ってコップを上げた。


「相変わらず、ニーナは乾杯の音頭が上手いな」


とトーマさんがそう言うと。


「へへ、そうでしょう!それに良い事が合ったら乾杯しないとね」


ニーナさんは手を腰に当てて背中を仰け反って言った。


良い事が合ったら乾杯か。なるほど、この発想は陽キャならではの発想だな。

流石、元気キャラ枠なニーナさんだな。


「ニーナさん、ありがとうございます。祝ってくれて」


「いやだ。りん君そんな畏まらないでよ。あたしがしたかったから、しただけだからね。こういうのはノリだよ!ノリ!それにしても、オーガなのにりん君は真面目だね。オーガの人達って結構あたし見たいなノリなんだけどな」


そうなんだ。オーガって陽キャなのか。

まぁ、俺は今日オーガになったばかりだからな。まぁ、オーガ?って言う謎の種族だけどね……今思い出してもよく分からないんだけどオーガ?って!

そんな事を思っていたらトーマさんが


「まぁ、りん、ニーナはお祭り騒ぎが大好きな奴って事だよ。俺もお祭り騒ぎが好きだけどな!ガハハ!」


「おい!トーマもう出来上がってるのか。まだ一杯目だぞ。今日はいっぱい飲むって言ってただろ。その調子だと、すぐに潰れちまうぞ。ハハハ」


「こんな量で、出来上がるかよ!その証拠に、エジ、これから飲み比べするぞ!」


「おう!いいぜ!どっちが潰れるのが先か勝負しようぜ!」


そう言ってエジさんは定員を呼んで酒をたくさん注文していた。


なるほど、これが陽キャの飲み会って奴(そもそも飲み会なんてやった事がないけどな)か俺もオーガ?になったんだから、これから、このノリについて行かないとな。


しばらくするとエジさんが注文した大量の酒とニーナさんが注文してくれた料理が運ばれて来た。


「ちょっと!トーマとエジお酒たのみすぎよ。こんなに飲んだら、明日絶対に二日酔いになるからね。もう、知らないわよ」


「2人ともニーナが、この様子だと明日、二日酔いになっても回復魔法は使ってくれないわね」


エジさんが頼んだ大量の酒を見た。ニーナさんとナタリアさんが呆れた顔をして言った。


うん?普通の回復魔法って二日酔いを治す事も出来るんだ……

そうだ閃いた!この機会に回復魔法で、できる範囲の事を聞いてみよう。

今後の神聖魔法の誤魔化し方に使えそうだしな。



それに……神聖魔法だとバレて暗殺対象になったら嫌だしね。

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