4
「エリーナ!誰が、ヴェルザンディ教オタクですって!ヴェルザンディ教を馬鹿にすと許さないわよ!」
シンシアさんは凄い剣幕でエリーナって人に怒鳴り声を上げた。
「ヴェルザンディ教の事は馬鹿にしてないわよ。引きこもりのジルコンギルドマスターさん」
えぇ……なにこのやり取り?この二人の過去に何があってこうなったの?!
「引きこもってなんかいないわよ。私はまとめて使えるように有休を貯めてるのよ!」
「ふーん、そう……それにしても、珍しいわね。あなたがヴェルザンディ教関係じゃないのに有休を使うなんて」
それにしても、このエリーナって人は性格が悪そうだな。
「ギック!わっ私だってたったまには違う事で有休を使う事だってあるのよ。それに久しぶりの活性化ダンジョンが現れだんだから、攻略しないと冒険者としての腕が鈍っちゃうじゃない」
自分でギックって言う人初めて見たよ。
シンシアさんめちゃくちゃ焦ってるな、大丈夫かシンシアさん。
「シンシアがダンジョンを攻略するって事はライカも来てるのかしら?久しぶりに会いたいわ~ライカに」
あぁ、なるほど、エリーナって人はライカさんの事が好きなのかもしれないな。
だから、ライカさんと親しい間柄のシンシアさんに嫌味を言ってるんだな。
「残念ね、エリーナ、ライカはいま別の依頼をしてるから、ここには居ないわよ、おほほほ~私が今回組むパーティはこの二人よ!」
勝ち誇ったようにシンシアさんは笑ったけど、おほほほって笑う人初めて見たよ。
残念すぎるよ、シンシアさん……
「ふ~ん……フフフ……ダンジョンマスターって言われてた。あなたが今回組む相手って、どんなに強い人達なのかと思ったら確かにスキルだけは立派だけどレベルがDくらいか良くてCランクくらいのレベルじゃない」
流石ギルドマスター個人情報は守ってくれたけど、だけど……さっきからシンシアさんを馬鹿にした事や私達のレベルで笑った事は許さないぞ!
お前はどれだけ強いんだ!鑑定してやるぞ「鑑定」と!
エリーナ
種族 エルフ 女
レベル 538
状態 快調
雷魔法 火魔法 風魔法 水魔法 精神集中 魔力操作 鑑定
「ぐぼぅ!」
「りんさん!大丈夫ですか?!」
「りん君!?」
思わず変な声が出ちゃったけど……レベル538って!えっ……私が目指したるレベルの2倍以上じゃん!
「あら、シンシアあなたのお仲間が様子が変だけど、もしかしてダンジョンに恐れを抱いたのかしら」
「エリーナさん、みんなの前でからかうのはそこまでにしといてあげて下さいよ」
誰だ、また新しい人が来たぞ、それもこの人少しライカさんに似てるな。
「初めまして、シンシアさん、僕はレイドと申します。噂通り綺麗な方でビックリしました」
とレイドがオーバーなリアクションでシンシアさんに話しかけてきた。
「えぇ……よろしくレイドさん」
シンシアさんはちょっと戸惑いながら言った。
「シンシアさん、僕の名前は呼び捨てでいいですよ。あとそこの可愛い君もよろしくね。そうだ名前を教えてくれるかな?」
「ナユナです……」
「ナユナちゃんって言うんだ。今回は他の人とパーティを組むけど、今度二人っきりで同じ依頼を受けないかい?」
と私の存在を無視して話を進めていく……
「レイドったら、シンシアに挨拶なんかしなくてもいいのに」
「だって噂通り、綺麗な方だったし、やっぱり女性には優しくしないとね」
女性じゃない私には挨拶もないし優しくしないのね……ライカさん似てるって言ったけど撤回だわ、さっき言葉は!
「もう、しょうがないわね。レイドは本当に優しいのね。こんな引きこもりギルマスに挨拶するなんて」
「アハハ、妬かないでくださいよ。僕の1番はエリーナさんなんですから」
って感じに二人だけの世界に入りだしたしってるし本当に優しいなら私にも挨拶するだろ!
レイドも嫌な奴決定だな鑑定してやる!これで弱かったら馬鹿にしてやる!
レイド
種族 人間 男
レベル 256
状態 快調
剣技 精神集中 身体強化 風魔法
「ぐぼぅ!」
「さっきから、大丈夫ですか!りんさん」
「りん君、大丈夫?!体調でも悪いの?」
「なんでもないから……大丈夫」
今日2度目の変な声が出てしまったよ!
くっ!女好きの癖にレベル256かよ!くそ羨ましいな、そのレベル!
そんな感じに私がレイドに嫉妬していたら
「シンシア、さっきからその子大丈夫?そんな体調の悪そうな子をダンジョンに連れて行くなんて、ギルドマスターとして失格じゃないのあなた」
エリーナが、私を心配そうに見た。
おお、この人実は意外にいい人なのかな……と思ったら
「それに、今回のダンジョン攻略はあなたの弱いパーティじゃあ、最深部に絶対に到達出来ないだろうし、ここは私のレイドにダンジョン攻略を任せれば大丈夫よ」
いい人だと思ったけど、結局嫌味を言うのね、この人は。
「ふん!エリーナこの二人が弱いですって!ナユナさんは成長途中ですけど、りん君は神「ナユナ!シンシアさんの口を塞いで!!」「はい!」むぐ!むー!むー!」
私だと、身長差でシンシアさんの口を塞ぐ事は出来ないからナユナに頼んだけど……シンシアさんいくら興奮してるからって迂闊すぎだよ!
危なく私の秘密がバレる所だったよ……それにいつの間にか大声で話してたから、周りの人達がジロジロ見てるし、ここで私の秘密をバラされたら速攻で討伐か暗殺対象になるところだったよ。
「シンシアさん!ここでいつまでも話をしていたら、日が暮れちゃいますから、もう行きましょうよ!エリーナさんそれじゃあ失礼しますね」
「あら、シンシアの知り合いなのに礼儀正しいのね、シンシアも見習いなさいよ」
「むー!むー!」
相変わらず、嫌味を言うなこの人ってシンシアさんがまた何かを言いそうだから、さっさとここを出よっと
「ナユナ、早くシンシアさんを連れてここを出よう」
「はい!」
ナユナはシンシアさんを羽交い締めにして口を塞ぎながら外に出た。
◆◆◆
「ごめんなさい。二人とも、エリーナが二人の悪口を言い出したから、ついカッとなっちゃって、危なくりん君の秘密を喋る所だったわ……」
私はシンシアさんって冷静な人だと思ってたけど、でも思い返せばシンシアさんって意外にポンコツかもな……ヴェルザンディ教関連だと我を忘れるし
「でも、わたしもエリーナさんにも腹が立ちましたが、何よりもりんさんを無視した。レイドさんって人の方が腹が立ちました!」
ナユナ!滅多に人の事を悪く言わないナユナが私の為に怒ってくれてる!
やっぱりナユナはいい子だな!
「もう、エリーナのせいで気分が害したわ。これはもう買い物をしてストレス発散するしかないわね!」
「発散ですか?」
「そうよ!ナユナさんが居るから高級食料を買い漁って、あのエリーナのお気に入りのレイドのパーティが休憩をしてる所で私達も休憩して美味しそうな食べ物を食べてる所を見せつけてやりましょうよ!」
うーん……やっぱりシンシアさんってちょっとポンコツかも、でも、ダンジョンでも、美味しい食べ物が食べられるのわ、嬉しいかも。
「さて!二人ともお金は私が出すから、食料と必要雑貨を買いにいきましょう!」
シンシアさんがそう言って私達は市場へと向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます