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「この時間だと、新鮮な食材が買えるから、まずは食料を買い込みましょうか!二人とも着いてきて」
シンシアさんがそう言って市場で食材を売ってる場所に向かって行ったので私達も、シンシアさんのあとを追った。
シンシアさんがまず向かったのは新鮮な野菜や果物が置いてある八百屋さんだった。
「八百屋さんですか……」
「ええ、まずは朝一で採れた新鮮な野菜や果物を買って、その次は精肉店でお肉を買って、あとはそうね……あっ調味料も欲しいわね」
シンシアさんは次々に買いたいものを言っていた、そう言えば魚は買わないのかな……なんか久しぶりに魚が食べたくなっちゃったな……あっ!そう言えばこの世界に生まれてから、魚って食べたことが無いかもってな事を思っていたら
「おじさん、これとこれあとこの果物もそれとこれもね。それをあるだけ全部貰えるかしら」
シンシアさんは野菜や果物を大量に買ってたら、お店のおじさんが驚いた顔で
「お嬢ちゃん、そんなに沢山買ってくれるのは嬉しいけど。どうやって持って帰るの?荷物を運ぶ荷台とか持ってきてるようには見てないけど」
「大丈夫よ。おじさんこれお代ね。ナユナさん今買った物しまってくれる」
「はい、わかりました」
ナユナはそう言うと次々と買った物をしまっていった、いつ見ても凄いなナユナの空間魔法は、お店のおじさんも驚いた顔をしていた。
「さて、次は精肉店よ!高級なお肉をたくさん買うわよ」
私達は今度はお肉屋さんへと向かった。
お肉屋さんでもシンシアさんは色々な物を大量に買い、それをナユナがしまうという作業を繰り返していた。
そんな感じで食料調達は終わったのだけど、結局、魚屋さんには行かなかった。
「ん?りん君何か欲しい物でもあったの?欲しい物があるなら言ってくれれば買うわよ」
どうやら、私は物欲しそうな顔をしてたみたいだ。
「えっと、魚が食べたいなって思ってて」
「「えっ……」」
私が魚っと言ったら二人とも驚いた顔した、私何か間違った事言ったかな?
「りん君、魚ってあの川とかで泳いでるやつの事よね」
シンシアさんが確認をするために聞いてきた。
「はい、そうですけど、なにか不味い事でも言いましたか?私」
「うーん、不味い事は言ってないけど、えっとね。りん君この国だと魚って海辺の街でしか食べられてないのよ。それに魚って気味が悪い見た目で、食べる人が少ないのよね。だからこの街で魚を売ってるところってないと思うの」
「わたしも魚はちょっと食べれませんね」
えぇー魚ってこの世界だとゲテモノみたいな感じなの!?
だから、さっき二人が驚いた顔してたのか!カルチャーショックだわ!
「そうなんだ。それじゃあ魚はいつか海辺の街に行った時に食べようかな」
って言ったら、二人が私の事を可哀想な子を見るような目で見ていた……
だけど、私は屈しない食べられるチャンスが来たら、絶対に食べてやる!
「さっ魚の事忘れるとして、次はダンジョンで使う物を買いに行きましょう」
「そっそうですね。わたしは野宿する時の道具は持ってるので、わたしの分はいらないとして、お二人の毛布とか食器なんか必要なんじゃないですかね」
二人は早く魚の事を忘れようとして、話題を逸らしたけど、そんな風に言われると余計に食べたくなってくるじゃないか、ダンジョン攻略が終わったら、次は海辺の街に絶対に行こう!
「それじゃあ、私とりん君のダンジョンで使う物を買いに行きましょうか。私この街でよく行ってた店があるからそこに行きましょう」
私達はシンシアさんの行きつけの店に行く事にした。
◆◆◆
シンシアさんの行きつけの店の前に着いたけどそこは……
「ここって高級店じゃないですか……」
ナユナがボソリと呟いた、やっぱりナユナもそう思ったか、シンシアさんの行きつけの店は見るからに高級感が漂ってる店だった。
あきらかにダンジョンで使う物を売ってるように見えないんだけど……
「それじゃあ、二人とも入りましょうか」
そう言って堂々とシンシアさんは店に入っていった。
ええ、こんな高級な店に私みたいな怪しいヤツが入っていいんですか!?
だって私の格好って、ローブのフードを深めに被って顔は仮面で隠されてるんだよ。
あきらかに不審者だよ!私が店の人だったら通報ものだよ!
「りん君、何してるの、早く店に入りなさい」
とシンシアさんが店の入口を開けたまま、私を呼んだ、私は急いで店の中に入って行った。
お店の中に入ったら、中年の恰幅のいい店員さんがシンシアさんを見ると
「我がリード商会にようこそ、シンシア様、今回は何をお求めですかな」
「お久しぶりです。リードさん、いつもは本店にいらっしゃるのに、また何でこの街においでになられたのですか?」
どうやら、この恰幅のいいおじさんはここのお店の一番偉い人か、後どうやら本店まであるみたいだ。
「いや、今ここのダンジョンが数十年ぶりに活性化されたと聞きまして、ダンジョン産のいいアイテムとかを買い取りたくて、急いでこの街に来たんですよ」
「そうだったんですか」
「シンシア様もダンジョン攻略ですかな?」
「ええ、なのでダンジョンで使う道具をここで買い揃えよと思って、ここに来たんですよ、このメモに書いてる品を見せていただけませんか」
「なるほど、なるほど、それでは、こちらにおすわりになってお待ちください。そちらのお二人もどうぞおかけください。そこの君お客様にお茶をお出ししてくれ」
こんな怪しいなりの私に嫌な顔1つもしないなんて流石接客のプロだわ、まあ、私がシンシアさんの連れって事も大きな理由かもしれないけどね。
私達は勧められたソファーに座った、うーん高級店だけあってソファーの座り心地も最高だわ。
しばらくすると店員さんがお茶を持ってきてくれた、私は持ってきてくれたお茶を飲むために仮面を少しズラして飲んだ。
う~ん、さすが高級店のお茶だ凄く美味しい!これって紅茶かな香りがすごくいい、そんな事を思ってたらリードさんが戻ってきて商品を並べてくれた。
「シンシア様が書かれていたメモの商品を持ってきました、お確かめ下さい、あと、他に必要な物がございましたら、遠慮なく言ってくだされば、ご用意します」
シンシアさんは並べた商品を見た、そしたらナユナが
「シンシアさん、私の分まで買わなくても大丈夫ですよ」
確かに、並べられてる商品は毛布や食器類は三人分だ。
「気にしなくていいわ。ナユナさん、それにしても流石リード商会だわ。いい品物ね。それじゃあ、これらをもらって行くわ。お代はおいくらになるのかしら」
「お褒めいただきありがとうございます。お代は金貨5枚程になります」
「それじゃあこれで」
と言ってシンシアさんは小さな巾着袋から金貨を5枚出して支払ってくれたって金貨5枚!それって日本円で50万円くらいじゃん!
ええ!いいのシンシアさんそんな高い物を私達に買ってくれて……驚いた私はシンシアさんの顔をマジマジと見てしまった。
「りん君、そんな驚いた顔で私を見ないでよ」
「いや、だって金貨5枚も出してもらっちゃったので……」
「お金の事なら気にしないで、りん君、私これでもSランクなのよ。だからこのくらいの買い物なんて痛くもなんともないわ!二人とも他に欲しい物があったら言ってね」
シンシアさんは胸をドーンと叩いて言った。
そうか、
「わたしはこれで充分です。シンシアさんありがとうございます」
「シンシアさん、私もこれで大丈夫です」
「そう、二人とも遠慮なくてもいいのに」
とシンシアさんは言ってくれたけど、私はこれで充分だ、だってこれ以上買ってもらったら悪いしね。
そして、買った物をナユナの空間魔法でしまってる時にリードさんと店員さんがちょっと驚いた顔をしてた。
やっぱり空間魔法って珍しいんだなって事を考えながら店を後にした。
「さてと、必要な物も買ったし、あとはダンジョンで安全に休憩する為の護符を教会にもらいに行きましょうか、今回はダンジョンが活性化してるから、魔物達もレベルが高いのが出てきそうだから一番効果がある護符が欲しいから高いお布施を払わないとね」
教会なのに一番効果がある護符って高いお金を払わないと貰えないのか、やっぱりどの世界も同じなんだな、あと護符って私の結界みたいな物かな、ちょっと聞いてみるか。
「シンシアさん、護符ってどういう物なんですか?」
「そうか、りん君は知らないのね。護符って言うのはね、魔物がいる所に貼ると魔物が寄り付かなる効果があるのよ。だけど高レベルの魔物が出るところに効果が低い護符を使ってもあまり意味が無いのよね。だから今回は教会で貰える一番効果が高い護符を貰いに行かないとね」
やっぱり、私の結界と同じ効果だった!
「シンシアさん、私それと同じ事できますよ。ねぇナユナ」
「はい、りんさんの結界は、教会でもらえる護符より強力ですよ!」
「それって!?本当なの!!」
シンシアさんが思いっきり私に迫ってきて大きな声で聞いてきた!?
「はっはい」
驚いた私は何とか返事をかえした……そしたら
「……そんなことが出来るなんてやっぱり、りん君は聖女様と同じ力があるのね……そんなお方に……」
またシンシアさんに変なスイッチが入ってしまったよ。
「りん君!やっぱりこれからは、りん様って呼んでもよろしいでしょうか?」
「却下!!」
と私が言ったらシンシアさんは、なんでって顔をしたけど、そんなのは無理だからね。シンシアさん。
こんな調子でダンジョン攻略って大丈夫なのか?
そんな不安を抱えつつ、私達はダンジョンへと向かった。
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