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「もう遅い時間だから、どの店も閉まってるから、ギルドの食堂で夕食をとりましょう、それと宿もギルド宿舎でいいかしら」


私とナユナはシンシアさんの提案に頷いた。


そういう訳で、カルセドニーに着いた私達は、ギルドに行く事にした。


深夜に近いのに、ここの冒険者ギルドには沢山の人達が居て、賑わってた事にビックリしてる、私を見たシンシアさんがこう教えてくれた。


「りん君、久しぶりにこの街のダンジョンは活性化してるから、沢山の冒険者達が集まっているのよ」


「そうなんですか、だから深夜に近いのにこんなに人が居るんですね。ジルコンやマラカイトのギルドと違ってたのでビックリしちゃいました」


「でも、シンシアさんこんなに人が居るってことはギルド宿舎に、今日泊まれますかね」


確かにナユナの言う通りだ、こんなに人が多いと宿舎に空きってあるのか?


「フフ~ン、二人とも何か忘れてないかしら、私が何者であるかって事を……」


「「あっ、Sランク冒険者」」


ナユナと私の声がハモった。そうだシンシアさんってSランクなんだよねって事はSランクならではの特典があるのか!


「正解よ、二人とも」


そう言うとシンシアさんは受け付けカウンターに向かって行った。

私達もシンシアさんの後を追って受け付けカウンターに行った。


「いらしゃいませ、買い取りの受付ですか」


「いえ、宿舎で部屋を借りたいんだけど、三人が泊まれる部屋であとお風呂が付いてる部屋が空いてたら借りたいんだけど」


「申し訳ございません。ただいま宿舎は全部屋が満室になってるのでお貸しできる部屋がないんです」


「それじゃあ、Sランクが借りれる部屋は空いてるかしら」


そう、シンシアさんが言ってギルドカードを受付の人に見せた。

これは!小説や漫画とかである「あなたはもしや!」的なのが見れるかなと思い、私はワクワクした。


「Sランクの方だったんですね。特別室は空いますよ。ではこちらにサインをお願いします」


うーん……ここの受付の人は事務的なんだな……マラカイトの時みたいになるかと思ったけど、ちょっとガッカリだな。


「りん君、なんかガッカリしてる見たいだけど、どうしたの?」


「いや、なんでもないです」


「あっもしかして私がSランクだって受付の人に伝えた時に受付の人が驚くと思ったのかな、だいたいの受付の人はちゃんと教育されてるから、個人情報を大声で言う人はあんまり居ないのよ」


シンシアさんに私の考えてた事がバレてた!

それと、受付の人って普通はちゃんと教育されてるのか、じゃあマラカイトの受付の人は大きなミスをしたって事か……


「さてと、部屋も無事とれたし、荷物を置いたら……うーんこの賑わいだと食堂でりん君がご飯食べるの大変そうだから、部屋で食べましょうか」


えっ!Sランクってそんな事も出来るのと思っていたら、シンシアさんが受付の人に話をして戻ったきた。

あと、部屋で食べられるって事は仮面を外してご飯が食べられるのか、やったー!


「ご飯を部屋に運ぶようにお願いしたから、早く部屋に行って待ってましょう」


Sランク権力ってすげ~




◆◆◆




私達は食事が来るまで、これからの事を話し合う事にした。


「シンシアさん、ダンジョンに行く時に何を持っていけばいいんですか」


「そうね、今回はナユナさんが居るから新鮮な食料とか色々な物が持っていけそうね。私も一応、アイテムボックスは持ってるんだけど、そんなに量が入らないし、それにただのアイテムボックスだから、新鮮な食料とか持って行けなかったのよね。今回はナユナさんが居るからダンジョンでの食事も充実出来るわね」


シンシアさんは嬉しそうに言った。


アイテムボックスってナユナの空間魔法と同じなのかと、思ったけど違うのか……あっでも、シンシアさんがただのアイテムボックスって言ったから、ナユナと同じ感じのアイテムボックスもあるのかな?


「シンシアさん、ただのアイテムボックスって言ってたけど他にもアイテムボックスってあるんですか?」


「ええ、私のアイテムボックスはただ物を入れるだけの機能しかないけど、すごい物だと、空間魔法なみのアイテムボックスもあるんだけど、普通のアイテムボックスでも、なかなか出回らないんだど、空間魔法なみのアイテムボックスなんて、10数年に1回出るかって感じなのよね」


「ちなみにお値段ってどのくらいするんですか?」


「そうね、普通のアイテムボックスだと入る量によるけど白金貨5~15枚くらいだから、空間魔法なみのだと白金貨50枚以上かしら、あまり出回ってないから、値段が安定しないのよね」


「凄いですね……白金貨50枚以上って」


とナユナが言ったけど……白金貨っていくらだ?……たしか、この世界のリンゴみたいな果実が鉄貨1枚だから日本円で100円くらいかな……それが10枚で銅貨に変わるから……白金貨って日本円で100万円!って事はアイテムボックスって500万円以上するのか!


えぇー!!何それいつか欲しいなって思ってたけど500万円は無理だわ。


「ちなみに私が持ってるアイテムボックスは白金貨10枚だったわよ。でも空間魔法のアイテムボックスが欲しいのよね。今回のダンジョン攻略で出ないかしら」


1000万円!!Sランクってすげ~……


あと気になったことが


「アイテムボックスってダンジョンから出るんですか!?」


私は思わず大きな声を出して聞いてしまった。


「りん君、ライカからダンジョンの事をどの程度聞いたの?」


あの時、私はダンジョンって聞いて興奮してあんまり覚えてないんだよな……


「確か、オリハルコンとかアイテムボックスが出るって聞きましたよ」


おぉ、ナユナはちゃんと話を聞いてたんだな。

あと、やっぱり出るのかアイテムボックス!


「そう、ライカはちゃんと説明してくれたのね。ちゃんと説明してなかったら今度あった時に魔法で懲らしめてる所だったわ」


えぇー、シンシアさんのライカさんの評価ってかなり低いのかなって言うか、相変わらずシンシアさんって知的に見えてるけど、やっぱり暴力派なんだな……


「さっきも言ったけど、普通のアイテムボックスでも、ダンジョンから、中々出ないのよね。ましてや空間魔法なみだと10数年に1回出るくらいなのよね。そして……今ここのダンジョンは活性化してるから、もしかしたら、空間魔法なみのが出るかもしれないのよね」


なるほど、だからギルドがこんなに賑わってたのか、そうだね5000万円以上の物がダンジョンを攻略すれば手に入るならみんな来るよね……


よし!明日から5000万円の為……いやいや進化する為にダンジョン攻略するぞ!




私達は明日の為にかなり遅い夕飯を食べてお風呂に入ってすぐに寝た……

あっ!私馬車でガッツリ寝たから寝れないかも、まぁ寝れなかったらヒール(眠気ぱっちり系栄養ドリンク)で目を覚まそうっと……zzzz

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