6
私達はあの3人組に会わないように、鉱山を進んだ。
「ちょっと待ってください」
とナユナが言って、懐中時計を見た。
「うーん、りんさん、そろそろ夜になりますから、今日はいったん帰って、また明日鉱山を探索しませんか」
「そうだね、ナックさん達に夜には帰るって言ったしね。それじぁあ、帰ろうか」
本当は今日中にオーク達を倒して進化したかったんだけどな……あっ、もう巣が発見されてオーク全滅って事はないよね……
まぁ、その時はいったん、ジルコンに帰ってシンシアさんに経験値が美味しい狩場でも教えてもらう。
「それでは、来た道をもどりましょうか……あっ!」
「どうしたの?」
なんだろ?なんか悪い予感がするんだけど
「りんさん、どうしましよう……わたし達、迷子になっちゃいました……」
えぇ!迷子になったってどう言うこと?!
ナユナの爆弾発言に私は混乱した!?
「なに?なんで迷子になったの私達?」
「ごめんなさい……りんさん、わたしパーティ以外でこう言うダンジョンみたいな所に来るの初めてで、パーティを組んでる時は別の人がマッピングをしてくれたんですけど……えっと……本当にごめんなさい」
ナユナはそう言うと、前にクロにした。
見事なジャンピング土下座をした!!
「ええ!?ナユナ顔を上げてよ!私もそういう事知らなかったし!いいから、顔を上げてお願い!」
少し混乱気味に私は言った。
「とりあえず、落ち着こうよ」
私はそう言いながらも、自分も落ち着かないと、と思った。
「はい、りんさん本当にすみません」
とりあえず、ナユナが顔を上げてくれたのでホッとした。
「とにかく、いったん休憩しよう。それで休憩しながら、今後の事を考えようよ……それに私喉も乾いてたから、ちょうどよかったよ」
「ありがとうございます。お詫びにとびっきり美味しいお茶を入れますね」
「うん、期待してるよ!……結界」
私は結界を張ってから、ちょっとこの状況がどうにかならないかクロに聞いてみる事にした。
《クロ、起きてる?》
《うん、ちゃんと起きてるよ、りん達は今日は災難だね、迷子になったりさっきの3人組に絡まれたりして》
どうやら、クロはちゃんと起きてたみたいだ、偉いぞクロ
確かにクロが言ったように今日は災難だったかも、ギルドで3人組に絡まれて、また鉱山で会って嫌味を言われるしね。
まぁ、ナユナの事は私も悪かったかも、どこか現実離れしてるから、ゲームの中の様な感覚で居たけど。
ここはいくらファンタジー世界だとしても、もう私にとっては現実なんだから、気を引き締めないといけないな。
そうだ、クロにこの状況を助けてもらえるか聞かないと
《まぁね、私の場合は今日も災難だけどね……それよりもクロ、私達をここから出る方って知らない?》
《りん達ってナユナがマッピングし忘れて迷子になったんでしょう。普通はダンジョンみたいな所に入る時はマッピングをちゃんとするんだよ。りん達っておちょこちょいだね。でも今度からこういう所に入る時はマッピングしないとダメだよ》
どうやら、クロに期待した、私が馬鹿だった。
ただ、クロに説教されるだけとは……それも正論だし。
《今、りん失礼な事考えてたでしょう。せっかくいい案があるから、教えてあげようと思ったのに》
《いや、私そんな事を考えてないよ……ホントウダヨ……だからその案教えて》
《フッフフ、しょうがないな。じゃあ、教えてあげるね。ちゃんと聞いててね、ゴホン!りんがオイラを使って鉱山の壁を斬れば、そのうち外に出れるよ!》
もったいぶってたから、どんな凄い案かと思ったら、結果はクロが脳筋馬鹿だって事がわかっただけだった。
《うん……その案は私達が餓死寸前までいったら、使わせてもらうよ》
と言ったものの絶対に使わないけどね。
だって、クロを使って壁を斬り続けて行って
もしも、この鉱山が崩壊したら、鉱山で成り立ってる街なのに鉱山がなくなったら、この街の経済が破綻するじゃん。
そんな事になったら、この街に来る途中で知り合ったナックさん達が苦労する事になちゃうじゃない。
だから、クロの案は没!!
「りんさん、お湯が湧きましたのでお茶にしましょう」
「うん、今行くね」
私達はお茶を飲みながら、これからの事を考えた。
「ナユナ、冒険者がこういう所で遭難した場合ってどうなるの?助けに来てもらえるの?」
「えっとですね。こういう所やダンジョンで冒険者が遭難した場合は自己責任なってしまうので救出とかはされませが、遭難した冒険者の家族や知り合いが救出依頼を出した場合は救出されますけど、わたし達の場合は……」
そうなんだよね、私達ってこの街の知り合いってナックさん一家しか知り合いが居ないんだよね。
それも、昨日知り合ったばかりの人だから、私達の救出依頼なんてしてくれる、間柄じゃないしね。
こうなったら……あいつらに力を借りるか、本当はあいつらに借りを作るのはやだけど、背に腹は変えられない
「ナユナ、会えるかどうか、わからないけど、それに借りを作るのも嫌だけど、あの3人組に助けてもらう」
「そうですね。あの人達にお願いしてみましょう」
「それじゃあ、早く追いかけないといけないね」
私達は急いで片付けて、奴らを追った。
多分、鉱山出口まで案内をお願いしたら、外に出るまで嫌味を言われ続けるんだろな。
凄く憂鬱だわ、アイザックいやアイザックさん、会ったら、お願いです奴らとの橋渡しをお願いします……
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