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私はクロを殴って起こす事にした!

とりあえず念の為気合を入れたバリアを拳に集中して掛けて。


「クロ!起きろ!」


思いっきりクロを殴った!!

ガン!って大きい音がしたけどバリアのおかげで手は痛くない。


「えぇー!?」


ナユナが驚いてたけど、今は無視させてもらう。


《ふぇ!?……なになに?!何が起こったの?》


やったー!クロを起こす事に成功したみたいだ!


「やっと、起きたね。クロ!」


「オッ我は寝てなどおらんぞ……ただ深い瞑想をしてただけだ」


また、クロの威厳(笑)か相変わらず驚くと素が出かかってるし。


「瞑想なんて、さすがです。黒金様」


ナユナ騙されるなこのポンコツ剣は、さっきまで本気で寝てたからね。


《りん、酷いよ!起こすなら、ちゃんと言葉で起こしてよ……》


《もう、ちゃんと念話で起こしてたよ!それでも起きないから、全力バリアで殴ってやっと起きたんじゃん、それを瞑想って言って嘘つくし》


《えぇー!オイラ、りんのバリアって事はオリハルコン見たいので叩かれたって事だよね……酷いよ~!どこか刃こぼれしてないよね》


《いや、多分大丈夫だと思うよ。非力なゴブリンのパンチだし》


《でも~オリハルコンで叩かれたら、いくらオイラが頑丈でも下手したら折れてたよ!》


《ごめん、ごめん、今度から気をつけるけど、クロも今度からは呼んだら起きてよ》


《謝り方が雑だよ……》


クロがまだブツブツ文句を言ってけど、確かに殴ってクロが折れたら、私の攻撃手段が無くなるな。

うーん、危なかったはクロを無くしたら、私ってただの打たれ強いゴブリンだからね、あと回復も使えるけど。


「それで、りんよ。我に何用か」


あぁ、威厳モードで行くんだ、クロ。


「オークに攻撃する時にリーチが足りないから、大剣になってくれる、ここなら、人もいないから、目立っても平気だし」


「うむ、わかった……」


そう言うとクロは光り輝き元の大剣に戻った。


「うむ、これで良いか、それでは我はまた瞑想に入る……」


ってまた寝るのか、クロ!


「黒金様、相変わらず、凄い方ですね。わたし緊張しちゃいました」


《どんなもんだい!りん、ナユナはあんなにオイラのことを尊重してくれるのに、りんはオイラの事、ぞんざいに扱いすぎだよ》


《クロ!起きてたの!また寝たのかと思った。瞑想するとか言ってたから》


《だって、また寝たら、りんに殴られそうだから……》


なんだー!それは、これじゃあ、私が暴力女見たいじゃないか!

あっ!今は暴力ゴブリンか……


まぁ、殴ったのは本当のことだけどね……でも、1回だけだぞ!殴ったの!


《じゃあ、なんで瞑想するって言ったの?》


《いや、だってナユナと話してると、そのうち、りん見たいにボロが出そうだから……ほら、神武だっていろいろとあるんだよ……女神様のお姉ちゃん怖いし》


……どうやら、クロは余程女神の姉が怖いらしい、どんだけ恐ろしいんだ?!

そしてなんだ神武にもいろいろあるって。


「りんさん、そろそろ行きませんか、黒金様も大剣になってくれましたし」


そうだな、さっさとオークの巣を見つけて、レベル上げちゃいたいし、そろそろ行くかね。


「そうだね。早くオークの巣見つけないと他の冒険者達に先越されちゃうもんね」


私はクロを持ち上げて歩こうとしたけど……今まで大剣の時はクロが自ら浮いて、私達に着いてきてたけど。

どう持ってばいいんだ?剣の柄の部分を持って歩くとクロを引きずって歩く感じになるし、大剣の鞘なんてないから布に巻いて抱き抱えるように持つと、今度はオークが出た時にすぐに戦闘態勢に入れないし……


《クロ、森の時みたいに自力で私達に着いてきてよ》


《え!なんで?!》


《いや~、私の身長だと大剣のクロの柄を持って歩くと剣の先を引きずる感じになっちゃうし、抱き抱えてだと、布に包まないといけないし、そうするとすぐに戦えないしさ……だから、自力で着いてきてよ》


《えぇー!?だってさっき、格好つけてナユナに瞑想するって言っちゃったから、やだよ!威厳が薄れちゃうよ》


《いや~多分大丈夫だと思うよ。それともクロは引きずられながら移動したいの?私は構わないけどね》


《それはもっと、やだよ…………そうだ!りんの背中にくっつくよ!これなら、引きずられないし、すぐに戦闘も出来るよ!!》


えぇー!クロお前そんな機能あるか、だったら最初っから教えてよ~

あっでも、ただくっついてるだけだと、街中じゃあ怪しいか。

私がそんな事を考えていたら、クロが私の背中にくっついた!

うーん……何か、こう背中にくっつくかれると、アクションゲームの主人公みたいだな。


「りんさん、それって、どうなってるんですか?!」


「なんか、私もよく分からないけど、クロには背中にくっつく機能があるみたい」


「そっそうなんですね。さすが黒金様」


《エッヘン!どうだ!りん、ナユナもオイラの凄さに驚いてたでしょう!》


なんか、クロが得意げに言ってるけど、ナユナは微妙に戸惑ってる感じだぞ……

この事は言わないでおこうっと……


《うーん……まぁ、凄いね》


でも、これでオークと戦う時にリーチも長くなったし、さっき見たいに、隙も無くなったし、良しとしよう。


「それじゃあ、ナユナ行こうか」


「はい、行きましょうか」




私達はオーク達経験値を探しに鉱山のさらに奥へと進んだ。

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