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「あんた達まだパーティに入ってないなら、うちのパーティに入らないか」


「抜け駆けするなお前、どうだ!俺らのパーティに入ってくれないか、俺らのパーティなら、Bランクの奴もいるぞ!」


「お前こそ抜け駆けするな」


「「そうだ!そうだ!」」


とこのように、私は回復魔法、ナユナは空間魔法と二人とも便利な魔法を持ってる事がバレたので、色々なパーティから、勧誘を受けている……


「あの……すみません。わたし達まだDランクなので皆さんのパーティーに入ると足でまといになってしまうので……「「「そんなことは無いから、パーティに入ってくれないか!!」」」


という感じに断ってみたけど、みんな食い下がって離れてくれない。

もし、私がゴブリンじゃなかったら……わぁ、私って人気者だ~ってなるんだけど。

今は私の正体を知ってる、ナユナと一緒にオーク殲滅依頼を受けたいんだけどね……どうしたもんか……って言うか、こっちは断ってるのにグイグイ来すぎ!

なんかだんだんムカついてきた!そんな事を思っていたら


「……チッ、Dランクの癖に、勿体ぶってるんじゃねえよ」


離れた所で、さっき私を睨んでた、ガイがボソッと小さい声で言った。

はぁん?!今なんって言った!あの野郎、こっちの事情も知らないで陰口言いやがって!!

私がガイを睨んだら、アイザックが先に気がついてジェスチャーで謝ってくれた。

まぁ、今回はお前の仲間が謝ったから、許してやるが次はないと思え……とちょっと偉そうな事を思ってた私だった。


それよりも、こんな所で時間を掛けても時間がもったいないし、今も断り続けてるナユナにも悪いから、適当に断るか……


「すみません。皆さん、私達は今ある事情があって他の人達とパーティを組めないんです。なのでまた別の時に誘っ下さい」


「わかったよ。これ以上しつこいとあんた達とパーティ組めなさそうだしな、今度誘った時はよろしくな」


「その時は俺らと組もうぜ」


「次はよろしくね」


とりあえず何とかみんなを納得させられたよ。


「りんさん、ありがとうございます。わたしだと中々ちゃんと断れなくて……」


あぁ、まぁ、ナユナは断るのって苦手そうたしね。

不思議に思うんだけど、空間魔法って言うだけでこんなにパーティ申し込み殺到してるのにナユナはなんでパーティに入らないんだろ?

あっでも、ジルコンの街で会った、トーマさんとエジさんがまた一緒にパーティ組もうって言ってたから、だから、私と会った時一人だったのはたまたまだったのかな。


「いや、別にいいよ。それじゃあ気を取り直して、せっかく鉱山に行くから、オーク殲滅依頼も受けちゃうか」


「それじゃあ、私が依頼の手続きをして来ますね」


そう言って、ナユナは受け付けカウンターに手続きに行った。


私は暇なので、ギルド内を見回した、もうほとんどの人が鉱山に行ったみたいで残ってるのは私達とあとは……あっ、あの3人組まだ居るのか。


「……あんなに勿体ぶってたのに結局パーティに入らないのかよ」


「ガイ!やめろよ、失礼だろ」


「私もガイの意見に賛成かな、なんかあの子空間魔法持ってるのに勿体った感じがムカつくし」


「ルフラまで、二人ともそう言うのやめろよ!それよりも、他のパーティはもう鉱山に行ってるからオレらも行こう」


そう言って3人組はギルドを出て行った。

それにしても、めちゃくちゃディスられたんだが……

さっきから、なんなんだあいつらアイザックって言う人はまともそうだけど、あとの二人はこっちに突っかかってくるし。


「りんさん、手続き終わりましたよ」


「あぁ、ありがとう」


「ん?何かありましたか、りんさん」


「いや、大した事じゃないんだけど、昨日、癒しの鳥亭に少年少女の3人組のパーティが居たじゃん、その二人がさっきの私達の陰口を言ってたから、ちょっとイライラしてただけなんだ」


「なるほど、あっ、りんさんには言ってなかったんですけど、冒険者ってたまにそう言う陰口を言う人が居るんですよね。わたしもランク低いのに空間魔法なんか持ってるから、たまに陰口を言われたりしますし、特にりんさんの場合は回復魔法を持ってるので、これから嫉妬や僻みで悪口を言われるかもしれないけど、その時はわたしが言い返してあげますから!」


うーん、まぁ、嫉妬乙って思えばいいのか!

それにしてもナユナが悪口を言い返す姿って想像出来ないや。

でも、私の為に言い返してくれるって言ってくれたのは嬉しかったな。


「それじゃあ、気持ちを切りかえて、オーク狩りに行きますか!」


「はい!そうしましょう」


私達は気持ちを切りかえてオーク狩りへと向かった……


「あー!忘れてました!!鉱山に入るって事は長丁場になるかもしれないので、食料を買わないと。なので、市場で食料を買いに行っていいですか」


ナユナの声に驚いて私はちょっとずっこけた……


「わかった、市場に行こうか」


私達は気持ちを切りかえて市場へと向かった……



◆◆◆



市場に着いて思った事は、私ってこの世界に生まれて初めての買い物かも(ジルコンの街で鍛冶屋に行って買い物したけど、あれはなにか違う感じがする)

わぁ~、なんか果物とかお肉とか色んな食材が売ってる。

おっ!あっちでは、服とか日用品が売ってるな。

なんか、色々な物が置いてあって目移りしちゃうな……


私があちらこちら見て目移りしてる間にナユナは必要な物を次々と買っていた……


「えっと、食料も買ったし、飲み水も買ったから、これでいいかな」


と言いながら次々にナユナの空間魔法で買った物をしまっていった。


「あ、そうだ!りんさんの新しい服も買いましょう!いつも、私のお古なので」


「いや、今のでいいよ。お金もったいないし」


「お金の事なら大丈夫ですよ。昨日オークを倒したお金がありますから、それにこのお金はほとんど、りんさんが稼いだお金ですし、折角ですから新しい服買いましょうよ!」


とナユナに急かされて服が売ってる店に来た。


「いらっしゃい、なにをお探しで、お嬢さん」


「この子に合うローブを何着か欲しいんですけど」


店の主人が私を見て


「ここからここまでのサイズだったら、この坊っちゃんにちょうど合うローブだと思うよ。とりあえず、合うかわからないから、試着してみるかい」


ダメだ!ダメだ!試着なんかしたら、ゴブリンだってバレちゃうじゃん!


「ロ、ローブなら試着しなくても大丈夫だから、わ私これでいいよ」


と慌てながら適当なローブを指した!


「ごめんね。お嬢ちゃん、仮面被ってたから、てっきり男の子だと思ってたけど女の子だったんだね。お詫びにそのローブ少しまけとくよ」


どうやら、私が自分の事私と言っていたので店の主人は女の子こと間違えたみたいだ、だがちょっとだけ嬉しいな、今まで当たり前のように男って事にされてたから……でもまぁ男なんだけどね……


「ありがとうございます。おじさん」


「いいってことよ」


そんなわけで、買い物も終えたし、これで鉱山に行けるな。



こうして、私達は気持ちを切りかえてオーク狩りへと向かった……

待ってろよ!オーク達経験値を狩って!狩って!狩りまくって……私は進化するぞ!

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