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どうやら、昨日は寝落ちをしてしまったみたいだ。

そして起きたら、ナユナが……


「ナユナ、おはよう」


「あれ!?もう朝……わたしったら徹夜してしまったみたいです……りんさん、眠くなってきちゃったので……ちょっとだけ眠「ヒール!」」


私はナユナに強めのヒールを掛けた。


「あれ!?さっきまで、眠かったのに眠気が無くなりました!これなら大丈夫です!」


どうやら、私の回復魔法神聖魔法は眠気スッキリ系の栄養ドリンクみたいな効果もあるみたいだ……ナユナのテンションもなんか、上がってるし、これって大丈夫なのか?!


私達は外に出る支度をして、朝食を食べるために食堂に向かった。



◆◆◆



食堂には朝食を食べに来たお客さんが多くいて、ククルさんとココナちゃんが慌ただしく、働いていた。


「おはよう、りん君、ナユナさん」


「おはよう、ココナちゃん」


「おはようございます」


「りん君達は昨日の席が空いてるからそこに座って」


とココナちゃんに言われたので私達は昨日の席に座った。

この席が空いててよかった、真ん中の席とかだったらご飯を食べるのに一苦労しそうだもん。

席の事を考えていたら、ココナちゃんが食事を運んできてくれた。


「りん君、ナユナさん朝ごはんを持ってきたよ。おとうさんが作るご飯は朝ごはんも美味しいからね!」


「ありがとう、ココナちゃん、昨日の料理も美味しかったけど、朝のメニューも美味しそうだね!あと、なんか今日、昨日よりも人が多いね。いつも朝ってこんな感じなの?」


「ううん、普段は夜泊まったお客さんとか、あとは常連の人くらいしか居ないけど、なんかおとうさんに聞いたら、今日ギルドで大規模な討伐依頼があるみたいなんだって」


大規模な依頼ってどんな事をするんだろ?


「大規模な討伐依頼って何なんでしょうね?」


ナユナは知ってるかと思ったけど知らないみたいだ。

まぁ、あとでギルドに行くし、その時にギルドの人に聞けばいいか


「あとでギルドに行くから、その時に聞いてみよう。それよりも、ご飯冷めちゃうから食べようか」


「そうですね。それでは「いただきます」」


ナックさんの料理は朝ごはんも美味しかった。


「それじゃあ、ご飯も食べ終わったし、ギルドに行こうかその後は鉱山に出る、オーク狩りでもしよう!」


「はい、それじゃあ、いきましょうか」


私達はナックさん達に出かけて来るっと言ってギルドに向かった。



◆◆◆



「そう言えば、りんさんこの街で、黒金様の鞘を作ると言ってましたけど、鉱山に行く前に鍛冶屋に寄りますか?」


あっ!そう言えば忘れてたわ、うーん……私的にはギルドに行った、あとにすぐに鉱山に行ってレベル上げたいんだけどな、鍛冶屋に寄ると今日中にレベル上げ出来なさそうだけど。

とりあえず、クロに話して、別の日に鍛冶屋でもいいか、聞くか。


《クロ、話したい事があるんだけど》


《……むにゃむにゃ……ZZZZ……》


うん!これは、今日はギルドのあとに鉱山でも大丈夫だな!

それにしても、最近静かなのは寝てるからなんだね……


「うーん、鍛冶屋に行かなくても大丈夫そうだから、ギルドのあとは鉱山に行こう!」


クロには悪いが革製の鞘もあるし、なにより、私はレベルが上げたいからね。

すまないな、クロ!私が進化したら、立派な鞘を作ってあげるからね。



◆◆◆


「ここがマラカイトのギルドです」


たわいもない話をしながら歩いてたら、いつの間にかギルドに着いたみたいだ。


「それじゃあ、入りましょうか」


私は頷き、ギルトに入って見たら、ジルコンの街のギルドより人が凄く多くて何よりも殺伐としてた。

受付カウンターに行くと、受付の人が慌ただしく。


「あなたたちも、オーク殲滅依頼に参加される人達ですか?そうでしたら、こちらに記入をお願いします。あと冒険者ランクの確認がしたいのでギルドカードを提示してください」


「いえ、わたしたちは、討伐報告と買取をしに来たんですけど、ちょっとお聞きしたいのですが、オーク殲滅依頼って鉱山に居るオーク達を殲滅させる依頼ですか?」


「はい、そうですよ。今まで被害はなかったんですが鉱山でオークの目撃情報が多数寄せられて居たのと、昨日街道で馬車がオークに襲われたと言う報告がありましたので、急遽オーク殲滅依頼を発令したんです」


昨日のオークに襲われた馬車って私達が乗ってた馬車かって言うか、今まで目撃情報が来てたのに対策とってなかったのか。


「あっあの、わたし達、昨日その馬車に乗って居て、今日その報告もしに来たんですけど……」


「あなた達だったんですか?!できれば詳しく昨日の事を教えてください」


「はい、昨日馬車に乗ってると…………」


「なるほど、そんな事があったんですね」


ナユナがギルドの職員さんに詳しく説明をしていた。

私はその様子を見ていたら、なにか視線を感じたので、視線を感じる方に向いて見たら、そこには癒しの小鳥亭に居た3人組が私達を見ていた。

そして、3人組は私の方に向かってきた。


「昨日、馬車を襲ったオークを倒したのっておまえ達だったんだ」


突然、昨日血まみれだった少年が話しかけて来た。


「えぇ、まあ……」


「ガイ、その子戸惑ってるし、自己紹介しないと失礼だよ」


私が気の抜けた返事をしていたら、弓矢を背負った少年が助け舟を出してくれた。


「ごめんね。いきなり仲間が話しかけちゃって、オレの名前はアイザックで今話しかけてきた奴が、ガイって名前なんだ、それで、こっちの髪の長い女の子はルフラって言うんだ」


これは私も自己紹介をしないといけない流れか、まだゴブリンのままだから、あんまり冒険者と関わりを作りたくないんだよね。

下手をすると私が討伐対象になるからさ……とりあえず名前だけ言っておけばいいか。


「……りん」


んーなんか愛想ない感じになっちゃったな、でも関わりを作りたくないからいいか。


「りんって言うのか、たしか昨日の宿も一緒だったよな。オークを倒したのってあの子か」


なんかこのガイって言う人グイグイ来るな、適当にあしらっておくか……


「そうだけど」


「そうか、オークを5匹倒したって話だから俺たちと同じCか?」


「ガイ失礼よ!もしCランク以上ったら、どうするの」


ルフラさん、それは大丈夫だよ、私達はあなた達より低いランクだから。

そんな事を話していたら


「りんさん、ちょっとこっちに来てください」


よし!ナイスタイミング、これでこの人らと離れられる。


「すみません。仲間が呼んでるので行きます」


「いや、いいよ。こっちが勝手に話しかけちゃっただけだから、気にしないで」


たしかアイザックって言ったけこの人……まぁ、この人はいい人かな。

と思いながらナユナのもとに向かった。


「ナユナどうしたの?」


「あ、りんさん、りんさんが倒したオークの報酬と買取にはりんさんのギルドカードが必要なので提示して欲しいとの事です」


「あ……こんな小さな子が……すみません、規則なのでギルドカード見せていただけますか」


「わかりました、これですね」


わたしはシンシアさんが発行してくれたギルドカード(偽造してくれた)を職員に渡した。


「ありがとうございます……え!回復魔法持ち!……なのにオークを4匹も、それにDランクでどうやって……」


職員の人が回復魔法と言ったら周囲がザワザワしだした。


「おい、あの子回復持ちだってよ」


「マジか、回復持ちの冒険者なんて中々お目にかかれないからな。あいつ……うちのパーティーに入ってくれないかな」


「だめもとで俺達のパーティーに誘ってみるか……」


なんか周りが怖いんだが……


「ゴホン……申し訳ございません。個人情報を大声で言ってしまって……」


「いえ、今度から気をつけてくれたらそれでいいです」


「ありがとうございます……あと、聞きたい事があるんですが、りんさんは4匹のオークを倒したとナユナさんに聞いたのですが、どのように倒したのですか?スキルが回復魔法しかないので、ちょっと詳しくお聞きしたくって」


そうか、回復魔法ってゲームで言うところの後衛だもんね。

普通、後衛が攻撃魔法もないのにオーク4匹倒すって異常なことだよね。

とりあえず、昨日手に入れた剣技のスキルって言えば納得してくれるかな……


「えっと、言い忘れた、スキルがあったんですけど……私、剣技も持ってたのでそれで倒しました……」


これでいけるかな……お願いこれで納得して……


「やっぱり、そうだったんですか、先程ナユナさんが出してくれた。オークに切り傷が凄かったので、初めはナユナさんのスキルの風魔法かと思ったんですが、あれはりんさんの剣技のスキルだったんですね。あとでギルドカードに追加しておきますね」


「よろしくお願いします」


よし!何とかできた……フッ……チョロいな冒険者ギルド


こうして、何とか報告と買取を終えた私達は受け付けカウンターから、離れた瞬間……色々なパーティーに囲まれたのだった……


えぇ!目立ちたくないのになんで囲まれてるんだ!!

そして、さっきの3人組のガイが私を何故か睨んでた……

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