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馬車から降りる時、一緒に乗ってた人達が次々にお礼を言ってくれたり、お礼にお金をくれたりしてくれた。

そして、馬車の御者さんが今度自分の馬車に乗る時はタダで乗せてくれると言ってくれた……やっぱり人助けしておいてよかった~


そして何より、宿屋のナックさんが(さっき馬車に乗ってる時に自己紹介をされた)タダで宿屋に泊めてくれるって言うのが嬉しいね。


「それじゃあ、りん君達、俺の宿屋に案内するから着いてきてくれ」


こうして、私達はナックさんに着いて行った。

ナックさんに着いてい来ながら、街を見回してみて思った事はジルコンの街とは違いこの街は至る所で職人さんらしき人や鉱山掘りのぽい人をよく見るから、まさに鉱石の街って感じがする。


「ここが俺の宿屋癒しの小鳥亭だ。さぁ!遠慮なく入ってくれ」


ここがナックさんの宿屋かいい感じの宿だな、さぁてそれじゃあ、中はどんな感じかな


「「お邪魔します~」」


ナユナと一緒に癒しの小鳥亭に入って行った。


「おとうさ~ん、おかえり~!!」


「あなた、お帰りなさい。ご無事てよかったわ」


奥から、ナックさんの娘さんと奥さんが出てきた……娘さんはナックさんが帰って来たのが嬉しいのか、ナックさんの周りをぴょんぴょん跳ね回ってた。


「ココナ、ただいま~」


ナックさんも嬉しいのかぴょんぴょん跳ね回ってた、娘さんを捕まえて抱っこした、微笑ましいね。


「ククル、ただいま、留守を任せて済まなかったな」


「いえ、あなた大丈夫ですよ。それより、ジルコンの街から出た馬車がオークに襲われたと聞いたけど、もしかしてあなたが乗った馬車じゃないわよね?」


「もう、そんなに話が出回ってたか、実は俺が乗った馬車が襲われたんだけど……紹介がまだだったな。こちらの方達は俺を助けてくれた、りん君とナユナさんだ」


「やっぱり襲われたのって、あなたの馬車だったの!あなた怪我は?!」


「大丈夫だ!怪我をしてたら、俺の可愛いココナを抱っこなんて、出来ないたろ」


「もう、あなたったら……あっ!私たら、失礼しました。りん君とナユナさん、主人を助けてくれてありがとうございました」


ナックさんの奥さんが深々と頭を下げてお礼を言った。


「いえいえ、わたしたちはたまたま同じ馬車に乗っていてオークが出たから倒しだけですよ。あのそんなに頭をあの頭を上げてください」


ナユナはワタワタしながら言った。

奥さんも、ナユナのワタワタした様子を見て慌てて頭を上げた。


「そうだ、まだ俺の家族をちゃんと紹介してなかったな、この美人が俺の嫁さんのククルでこの可愛い子が娘のココナだ」


とナックさんが自慢げに家族を紹介してくれた。

確かに奥さんも美人で娘さんも可愛いから自慢したくなっちゃうよね。


「そうだ、ククル、りん君とナユナさんは俺の命の恩人だから一番いい部屋を用意してやってくれ、あとできるだけ早くお風呂を沸かしてやってくれ、りん君がオークの返り血を落としたいって言ってたからな」


「私ったら主人の事に気を取られていて気づかなかったけど、りん君でしたね。すぐにお風呂の準備をするので待っててくださいね」


「ありがとうございます」


「あなた、私はお風呂の準備をするので、その間、お二人にお茶を出してあげてくださいね」


そう言うとククルさんは慌てて2階へと上がって行った。


「それじゃあ、お二人さんお茶をもってくるから、そこのソファーで座って待っててくれ」


「あの、私返り血浴びてるから、ソファーに座ったらソファーが汚れますから、立って待ってますね」


今の私は黒のローブを着てるから、わかりにくいけど、私は全身オークの血だらけなのだ、だからソファーなんかに座ったらソファーが汚れてしまうよ。

とそんな事を思ってたら……


入口のドアのベルがカランコロンとなって血塗れの少年が1人とあとは少女と少年があとに続けて入ってきた。

それを見たナックさんは大声で……


「ククル!風呂もう1つ追加な!」


と言った。


「りん君、うちは冒険者専用宿屋みたいなもんだから、血塗れのお客さんなんて、よく来るんだよ。だから遠慮しないで座ってな!お客さんたちも隣のソファーで座ってお待ちください。ココナ、お茶を用意するから手伝ってくれ」


「わかった!おきゃくさんたち、少々おまちください」


と言ってナックさんとココナちゃんはお茶を用意するために奥へと入って行った。


「もう、最悪よ!ガイが一人でオークを倒せるとか言って鉱山に入ったけど結局、私達が手を貸してあげなんと倒せなかったじゃないの!」


「でも、ルフラ、ガイのおかげでオーク2匹も倒せたじゃん。それにガイがオークを運んでくれたから、オーク討伐だけじゃなくって素材も売れて、結構な値段になったなったしさ、許してあげなよ」


「そうだぜ!俺が血塗れになりながら運んでやったおかげで久しぶりに風呂付き宿屋に泊まれるんだから感謝しろよ」


「もう、わかったわよ。許してあげるわ。そのかわり私は1人部屋にしてよね」


私は向こうの3人組の話を聞いて改めてナユナ見て思った。

ナユナの空間魔法ってすげーなってナユナは私が見てることに疑問に思ったのか。


「ん?どうかしましたか?」


「ううん、なんでもない。早くお風呂に入りたいなって思っただけ」


と言い私は誤魔化した、そんな事をしてたら、奥からナックさんとココナちゃんがお茶を持ってきてくれた。


「りん君、ナユナさん、どうぞお茶です。熱いので気をつけて下さい」


ナックさんが私達にお茶を渡してくれた。


「おきゃくさん、お茶をどうぞ、お熱いので気をつけてください」


向こうの3人組はココナちゃんがお茶を渡してた。


あっしまった!お茶を飲むのに仮面を少しずらさないと飲めないじゃん!

よし、仮面を少しずらして熱いお茶を口元に持っていってフーフーして冷ましてるように見えるように口元を隠すか……お茶を呑むのも一苦労だな……早く進化がしたいよ。


なんとか、苦労をしながらお茶を飲み終わったら、ククルさんが戻って来て。


「お客様、お風呂準備が終わりましたので、お風呂にご案内しますね」


え!もしかして、この血塗れの少年と一緒にお風呂を入るの?!

一緒に入ったら正体ばれるじゃん!!

ってな事を考えて固まっていたら


「りん君とナユナさんはお部屋のお風呂をお使いください」


ククルさんがそう言ってくれた。

よかった……ん?……そう言えばもし、血塗れの少年とお風呂に入るとしたら混浴になってたのか、それはそれで恥ずかしいな……でも、いまの私は男だったわ……


「りん君とナユナさんにお部屋を教えるの私がやる!」


「ココナ、ちゃんと案内するんだぞ!」


「は~い!」


とココナちゃんが言い出した。

あぁ、私もこのくらいの歳頃はお手伝いしたがってたなって……しみじみと思った、偉いね、ココナちゃん!


「りん君、ナユナさんこっちだよ!」


ココナちゃんが2階に上がって行ったので私達も追いかけた。


「は~い!ここがりん君達のお部屋だよ!」


「案内ありがとうね。ココナちゃん」


「ありがとうございます、ココナちゃん」


そう言うとココナちゃんは満面の笑みを浮かべて


「うん!それじゃあ、夕ご飯ができるまでゆっくりしててね。夕ご飯出来たら呼びに行くね」


「うん、夕ご飯楽しみにしてるね」


「おとうさんが作るご飯は美味しいから、楽しみにしててね。それじゃあね」


ココナちゃんは足早に去っていった。


「それにしても、昨日のギルド宿舎より豪華だね。家具や絨毯とかも高そうだし、汚して、弁償になったら大変だから、今回は先に入らしてもらうね。お湯汚れちゃうから、ナユナ、今日お風呂入れないけど、ごめんね」


「いえいえ、昨日入れたし、あとこの宿屋は共同入浴所があるみたいなので、そこで入りますから、大丈夫ですよ、なのでゆっくりお風呂に入ってください」


「じゃあ、入ってくるね。あ!あとさ、ローブも返り血で汚れてるから、このローブの代わりになる物があったら欲しいんだどある?」


「あ!そうですね。ちょっと待って下さいね」


ナユナがいつものバッグから新しいローブを出してくれた。


「これをどうぞ、またお古で申し訳ないんですが……あとそのローブはもう使えそうもないので処分しますね」


「いや、そんなことないよ。いつもありがとう、それじゃあお風呂行ってくる」


なんか、いつもナユナに助けられてるな、とお風呂の中で思った。

そいえば、私、今日オーク4匹も倒したからもしかして、レベル上がってるかもステータス見てみるか……


鬼塚 りん


種族 ゴブリン新種 オス


レベル 9/25.


状態 快調 【オリハルコン】



剣技 神聖魔法+ 鑑定+ 進化




おぉ!なんか新しいスキル覚えてるし剣技ってクロを使ったから覚えたのか!?

まぁ何にしろ、あれば嬉しいね!

そして、レベルが上がってる!それも4上がってるって事はオーク1匹倒せば1上がるのかチョロいな!

ならばあと16匹倒せば進化できる!

よし!明日は鉱山でオーク狩りだー!!

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