鉱石の街マラカイト
1
ガタゴト、ガタゴトと揺れながら馬車は走ってる。
ガタゴト、ガタゴト、ガタゴト、ガタゴト…………
うわぁー!退屈すぎる!それに座ってる座席も座り心地が悪いから、お尻と腰が痛いし!同じ体勢ままだから疲れたし!
退屈しのぎにスマホと座り心地が良いリクライニングシートが欲しいー!!
はぁ……なんてことを考えていてもしょうがないか、とりあえずお尻と腰はせっかく回復魔法が使えるんだから、それで治すか……
「ヒール」
私はボソッと魔法を唱えた……おぉ、なんかマッサージを受けた後みたいに身体がスッキリした感じがする~
これはいいな、そうだ!ナユナにも掛けてあげよっと~
そんな事を思いながら隣に座ってるナユナを見たら、ナユナは一心不乱に本を読んでた……
馬車に乗ったあと、退屈しのぎに窓の外を見てたんだよね。
ナユナは気を利かせてくれたのかと思ったけど……本に熱中してたのか……
これは話しかけるのは悪いなっと思って、私はナユナの事をそっとしておいた。
それにしても、退屈だな……これが馬車じゃなく汽車とか大きな船とかだったら歩き回れるのにな。
後どのくらいでマラカイトに着くんだろう?
本を読んでナユナには悪いけど、後どのくらいつくのか聞いてみるか
私は周りに迷惑をかけない程度の声で……
「ナユナ、ナユナ」
「あっすみません。本に熱中してりんさんの事忘れてました」
やっぱり、本に熱中してたんだね……
「ずっと本を読んでたけど、その体勢で読んでたら身体が疲れない?」
「確かに、肩が少しこりましたね」
「そうか、そうか、そんなナユナに私がいい事してあげる!……ヒール、どう?身体が楽になったでしょう!」
「はい!本当だ、りんさんのおかげで肩こりもなくなったし、身体も楽になりました!」
どうやら、私のヒールは肩こり腰痛にも効くらしい、ゴブリンから進化したらマッサージ屋さんになるのもいいかも!
「そうだ、ナユナに聞きたいんだけど、後どのくらいでマラカイトに着くの?」
「そうですね。ちょっと御者さんに聞いてみますね。ちょっと待っててください」
そう言うとナユナは先頭の方にいる御者さんに話を聞きに行った。
「お待たせしました。あと1時間くらいで着くそうですよ」
「ありがとう、わざわざ聞きに行ってくれて」
「いえいえ、さっきまでりんさんを退屈にさせちゃったので「おい!なんだ!あれは!!」」
私達が話してると御者さんが慌てた様子で叫んで馬車が止まった。
「オークに囲まれた!誰か戦えるもの者は居ないか!そうだ、あんた達シンシアさんの知り合いだのな!」
「はっはい!?」
「じゃあ、冒険者だろ?あのオーク達を倒してくれ!他に戦えそうな奴はこの馬車に乗ってないんだ、お願いだ……」
御者さんに頼まれていたら他の乗客たちも
「お願いします!冒険者さん」
「冒険者さん、お金を払いますから倒してください」
「私も払うからお願い」
と次々にお願いされた。
しょうがない……マラカイトに行く前に腕試しでもしてみますか!……倒したらお金も貰えるみたいだしね!
「ナユナ倒しに行くよ!」
私は勢いよく馬車から出た、周りを見たらオークが5匹居た!
「ええ!?私まだオークみたいな強い魔物とは戦ったことがないんですよ~」
ええ?!オークって強いのゴブリンくらいの強さだと思った!?
ってよく見たらなんか、でかいし強そうだ、でも私にはクロとバリアがある!!
「わかった!ナユナは私の援護をお願い!」
「こんなに敵が多いと、りんさんに当てちゃうかも……」
「ナユナ!私に当てても例のアレがあるから気にしないで援護して!」
と格好をつけて言ったものの本当に当てないでよ、ナユナ信じてるからね……!
「さてと、クロ出番だよ!」
《ZZZZ…… 》
クロ~!なんでこんな時に寝てるの!
《クロ!起きろー! 》
《……ZZZZ 》
クロの奴起きないし!
どうする!?どうしよう!?クロが大剣になってくれないと、短剣でしかも、こんなに小さい私だと、リーチが無いから攻撃が当たらないじゃん!
そんな事を思っていたらいつの間にかオーク達に囲まれてたよ……
突然オークが持ってた棍棒で私に殴りかかって来た!
私は咄嗟に短剣(クロ)でガードしたら短剣が棍棒に当たって棍棒が真っ二つに切れた!
さすが斬れ味だけは最高の剣だな!
そうだこの前ゴブリンを倒した時も我武者羅に振り回して倒せたんだから、今回もその作戦で行こう!……ダメだ……今回はリーチがないんだった……
もうー!なんでこんな時に寝てるのさークロは!
私がクロに腹を立てていたら、同じく棍棒を真っ二つにされたオークが私に腹を立てたのか、素手で攻撃してきた!
チャンスだ!剣さえ当てれば攻撃は通るだろ……案の定、殴ってきた拳に短剣で上手く腕を斬り落としてやった!
オークは痛さのあまりなのか、それとも腕を斬り落とされた怒りなのか、私に体当たりをしてきたけど、私はオークの攻撃などバリアのおかげで痛くもないので、短剣でオークをデタラメに切り刻んだ……これでなんとか1匹を倒せた。
仲間が殺れたのを皮切りに4匹同時に攻撃を仕掛けてきた。
混戦せん状態は私にとってチャンスなのでさっきのオークと同じくデタラメに切り刻んだでやった。
あと残り1匹まで倒したのだが最後の1匹が私の腕を掴んで、私を放り投げた!
私って攻撃方法がクロで切り刻むことくらいしか出来ないから、腕を掴まれて投げられたら何も出来ないんだよねってな事を掘り投げられながら思っていた。
投げ飛ばされたけど、痛くないし怪我もないのですぐに最後のオークを見たら、奴は馬車の方に逃げて行った!
馬車にはナユナ達が居るじゃん早くオークを追いかけないと……あっ!仮面が投げ飛ばされた衝撃で外れてる!
「あれ?!仮面どこに飛んでった」
私は急いで辺りを見回した……運よく近くに落ちてた!早く仮面をつけて馬車に行かないとナユナ達がピンチだ!
私が仮面を付け終わって馬車の方を見たら大きな火柱が出てた!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます