10


今日の疲れを取るようにと、シンシアさんがギルドの宿舎を一室貸してくれた。

確かに昨日から色々な事があったな~、ナユナを助けたり、死にかけたり、クロにあったりと本当に色々な事があったなってこれ、昨日の夜もそんな事を思ってたわ!

そんな事を思っていたら


「りんさん、この部屋ってギルド宿舎の中で一番高い部屋なんですよ!私がいつも借りてる安い部屋とは大違いだな」


どうやら、シンシアさんは私たちが泊まる部屋を奮発してくれたみたいだ。

明日、旅立つ時にお礼言っとこうっと。


「そんなに違うんだ。ナユナがいつも泊まる部屋と」


「はい、私が泊まる部屋はギルド宿舎で一番安い部屋なので狭い部屋でベットが一つ置いてあるだけの部屋なんですよね。だからこんなに広い部屋でベットも大きいし、そして何よりお風呂がついてる事が凄いです!!」


「お風呂がついてる部屋って、そんなに凄いんだ?」


前世の記憶だとお風呂って普通に家とかにあるから、ありがたみを感じないけど。

ナユナ言うのなら凄いことなんだろうな……


「はい!普通にこの部屋に泊まったら金貨1枚になりますよ!」


金貨1枚って確かゴブリン20人分かな?

ってことは……クロの鞘の値段が銀貨1枚だったから、そう考えると確かに高い部屋だわ!

これは明日シンシアさんにちゃんとお礼言わないとダメだな。


「金貨1枚か、じゃあ明日は必ずシンシアさんにお礼言わないとダメだね」


「そうですね。明日ギルドを出る時にお礼を言いましょうね」


そう言えば、さっきから何かを忘れてるなって思ったら、私今仮面つけてないじゃん!

そして、ライカさんに仮面壊されたから。

明日、外出れないじゃん!

ナユナ予備の仮面とか持ってないかな……


「今思ったんだけど、私の仮面ライカさんに壊されたから、ナユナ他に仮面て持ってない?なかったら、明日今まで使ってた似ている仮面を買ってきてくれないかな、この顔で外出たら、私速攻で討伐対象なるからさ」


「忘れてました!シンシアさんたちも普通にしてたので、スッカリりんさんがゴブリンだって事を忘れてました!仮面でしたらもう1つ色違いがあったと思うので、ちょっと待っててください……これかな……どうぞりんさん」


うーん……またペストマスクかこの前のは白だったから、まだマシだったと思うけど、今度は黒か……一応被ってナユナに感想を聞いた。


「これって、あやしくない……?」


「そんな事ないですよ。むしろカッコイイですよ」


ナユナの美的センスがわからない、明日シンシアさんに怪しいか怪しくないか聞いてみよっと、あの人はギルドマスターだけど受付もやってるから、アドバイスしてくれるでしょう。


「あの、りんさん…せっかくお風呂があるので先にお風呂入ってきてください」


「うん、じゃあ先……ナユナが先に入ってきなよ。私が先に入るとお湯が汚れると思うし」


「そんな事はないですよ。先にりんさん入ってきてください」


「いいから、いいから、先にナユナが入りな」


と言いながら遠慮するナユナの背中を押しながらお風呂場に誘導した。


「あっあのわたしは、あとからで大丈夫ですからってりんさん背中押さないで下さい」


「私は後からゆっくり入るから、ナユナ先に入っちゃってよ」


「わかりました。りんさんありがとうございます。すぐに入ってすぐ出ますから」


「そんなに急がなくていいから、ゆっくり入りなよ」


と言ったけど、ナユナの事だから、すぐに出てくるんだろうな……

まぁ、ゴブリンが入ったお風呂よりはましかな。


《さてと、クロ! 》


《 どっどうしたの!りん?!》


《クロ!また色々な事言い忘れてたでしょう。さっきの話し合いで神聖魔法は聖女だけが使えるとか、私が聖女に生まれ変わるはずたったとか、知らないことばかりだったよ!》


《ごめん、りん!話したと思ってたんだよ》


《この前も言ったでしょう!知ってる事はちゃんと話してよ!あと鑑定スキルが改竄できることも教えてくれなかったから、さっきライカさんに殺されかけたんだからね!先に改竄してればシンシアさんにバレずにすんだのに! 》


《でも、そのおかげでシンシアたちが協力してくれる事になったじゃん……うっうっわ~んごめんね!》


えっえ!クロが泣いた!って言うか剣って泣くの?!

話の続きを聞くために、しばらくクロが泣き止むのを待った……


《もう、わかったから泣き止んでよ。そろそろナユナもお風呂から出てきちゃうし 》


《うぐっうぐっ~!ごっごめんなさい!りん 》


《もう、しょうがないな、反省してるなら許すよ……あと教えて欲しいんだけど私のステータスにシンシアさんが見えてなかった表示があったんだけど、あれって何?》


《 たったぶんだけど、りっりんのえっぐっえっぐ……》


クロ……泣きすぎてえずいてるし……


《 あぁもう、ゆっくりでいいからちゃんと泣き止んでから話して》


《うん……もう大丈夫だと思う……多分だけどね、りんの神聖魔法の効果がシンシアに見えてなかったんだと思う、ちなみにどんな表示だったの?》


《 状態の所に【オリハルコン】ってついてたんだよね。ちなみオリハルコンって鉱石のことだよね?》


《 うん、地上では幻の鉱石って言われてるみたいだよ》


《 えっ!クロがいた所では珍しくないの?!》


《 あれって女神様が作って、たまにダンジョンの奥とかにばらまいてるんだよ。オイラたまに見るからそんなに珍しくないよ》


幻の鉱石って女神作ってばらまいてるんだ……それじゃあ、クロにとっては珍しくないね……

クロと話し終わったらちょうどナユナがお風呂から上がって来たみたいだ……


「りんさんお風呂お先にありがとうございました。久しぶりにのお風呂だったので、すみません!ゆっくり入っちゃいました」


「いいよ、いいよ。ゆっくり入ってきなって言ったの私だし、それじゃあ私も入ってくるね」


「はい、ゆっくり入ってください」


そんなわけで、今世初のお風呂だ!

見た感じ浴室はそんなに広くないんだな。

でも、ちゃんとシャワーもあるし浴槽もそんなに狭くないや……うーん、思ったんだけどただ私が小さいだけかも知れないけどね。

でも、狭くななら、ゆっくり湯船に浸かることが出来るな、さてとさっさと身体を洗って、のんびり湯船浸かりますか。


「はぁ~、いいお湯加減だ」


思わず声に出ちゃったよ。

それにしても、まさかゴブリンでお風呂に入れるとは夢にも思わなかったよ。

そう言えばこの世界ってダンジョンもあるのか、もしマラカイトでオークを倒しても進化できなかったら、ダンジョンに行くのもいいかもな。

明日、ライカさんにでも聞いてみようっとあの人Sランクだから、ダンジョンにも詳しそうだしね……そう言えばなんか忘れてるな……

……そうだ!!状態【オリハルコン】ってなに!?

クロにちゃんと聞くの忘れた~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る