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食堂の新しいお客さんは……
「おぉー!久しぶりだなライカ!」
「トーマさんもエジさんも久しぶり~どう?最近……」
どうやら、トーマさんとエジさんの知り合いのようだ。
「あ!ナユナちゃんも久しぶり~元気にしてた~!」
「はい!ライカさん、ご無沙汰です」
「おい、ライカ、俺たちと随分態度が違うな~!」
「そりゃ~おっさん二人より、ナユナちゃんの方が気になるしね」
「お前相変わらずだな!がっははは~!」
そしてナユナとも知り合いみたいだ、それにしてもこの人チャラい感じだけどイケメンだな~前世の私だったらドキドキしてただろうけど、今はなんとも思わないな!!
「あれ、この子は?もしかして!トーマさんかエジさんの子供!!」
「「違うぞ!」」
おぉ!おっさんの二人のダブルツッコミだ!
「あのその子は、わたしの親戚の子なんです」
「なるほど~そうなんだ~てっきり二人のどっちかの子供かと思ったよ」
「ったくよー!俺もエジもまだ恋人もいないの知ってての嫌がらせか!」
「ハハハ~、ごめん二人とも冗談ですよ。今度、酒を奢りますから許してくださいよ」
「しょうがねなぁ、今度ちゃんと酒奢れよ」
おっさん二人めちゃくちゃ弄られてるな。
そう思ってたら、ライカさんが、私の方を向いて
「君、名前はなんて言うの~」
「りんです」
「さすが、ナユナちゃんの親戚の子だね~礼儀正しいや」
とライカさんは言って私の頭をポンポン叩いた……これは前世でやられたら、一発で惚れちゃな、でも、今は特になにも思わないけどね!!
「さてと、本当は今晩ライカに、酒奢らせたかったんだが!これから行かなくちゃならねぇ。街があるから、そろそろ行くかね」
と言ってトーマさんは席をたち椅子に置いて荷物を背負い込んだ。
「あぁ、今日中には着きたいからな」
エジさんも荷物を背負いだした。
「ライカ、次に会った時は極上の酒奢れよ!」
「はいはい、わかりましたよ~次に会った時酔いつぶれるくらい奢りますよ」
「本当だな、じゃあ楽しみに待ってるぜ!」
「それじゃあ、ナユナちゃん、りん、またな!」
二人が食堂を出る時に私は……
「トーマさん、エジさん、ご飯奢ってくれて、ありがとうございました」
「おう!また会ったら、奢ってやるから、ナユナちゃんを困らすことするなよ!」
「わたしも奢ってもらってありがとうございます。お二人共お気をつけて下さいね」
「おう!それじゃあ、またな三人とも!」
二人は足早に去っていった、いい人達だったな。
と私はしみじみに思った。
しばらくライカさんと、おしゃべりをしながら、ナユナの買い取り査定を待っていた。
「りん君ってナユナちゃんの親戚の子なんだよね。どこの街に住んでたの?」
不味い!親戚って設定だけど、ナユナとは昨日会ったばっかりだから、ちゃんとした設定を作ってない。
困った私は、ナユナの方をチラッと見たけど……
「あっえ~と」
ダメだ!ナユナの行動が挙動不審状態だ!
こういう時は私が何とかしないといけないんだけど、私が知ってる、街ってここくらいしか知らないや、どうするかな……あっそうだ!
「私……マラカイト……って街から来たんです……」
これでごまかせるか分からないけど。
あとはフォロー頼む、ナユナ!
「あっ!そうなんです!りんさんはマラカイトの街からこの街に来たんですよ、ねぇ!りんさん」
私はナユナの返事に縦にブンブン頷いた。
途中、首を降りすぎて途中ヘッドバンギング見たいになって仮面が取れかけたけど。
何とかごまかせたかな……
「そうなんだ~あそこの街って、今オークが出現して危ないみたいだから、避難してきたんだね。りん君は」
おっ!何とか誤魔化せたぞ!
そうだせっかく誤魔化せたんだから、話題をそらさないと。
このままいくとボロが出そうだしね。
「ライカさんは、冒険者ランクってどのくらいなんですか?」
とりあえず、ボロが出る前にライカさんの方に話題を逸らしておけばいいか。
「オレのランク、ん~そうだ!クイズです~!りん君はオレのランクどのくらいだと思う、ナユナちゃん答え教えないでね」
「はい」
いきなりクイズが始まったわ、このクイズちょっと難しいぞ!
ライカさんの本当のランクより下に答えたら失礼だし、上すぎても、なんか媚びた感じになるしな……あっ!でも私、子供だと思われてるから、あんまり考えすぎても不審だから適当に答えるか
「えっと、ライカさんのランクってBランク……?」
とりあえず、ナユナよりは上だと思うしトーマさんたちとは冗談を言える間柄だから、BかC辺りだろうな~
「おぉ!りん君せいかい!よくわかったね。オレいつも、このクイズすると、だいたいの答えがDとかCなんだけどね~」
どうやら、当たった見たいだ!
「正解した、ご褒美に~おばさん~!二人にジュース持ってきてくれる~!オレはコーヒーで!」
「はいよ!」
なんか正解したご褒美を貰えた、Bランクの人達って余裕があるんだな~
と呑気なことを思ってたら
「はいよ!ジュース2つにコーヒー1つね。それにしてもライカさん、今日はマラカイトに行くって行ってたのに、行くのやめたのかい?」
「ありがとう、おばさん~、ちょっとギルドに忘れ物をしちゃったから、それを取りに戻ったらさ~久しぶりにナユナちゃんに会えたから、おしゃべりしたくてね、まぁ~夜にはこの街を出てマラカイトに行くけどね」
「そうかい、だけどあんまりナユナちゃんにしつこくしてると、ナユナちゃんに嫌われるよ!!」
バシッとおばさんがライカさんの背中を叩いた!
結構な音がしたからあれは痛いだろな。
「いっ!痛てて~おばさん、いきなり背中叩かないでよ~びっくりしたよ」
「大丈夫ですか、ライカさん!?」
「ナユナちゃん、ライカさんは鍛えてるんだから、大丈夫だよ!ねぇ、ライカさん」
「まぁ~本当はそんなに痛くないんだけどね。オレ鍛えてるからナユナちゃん!」
「そうそう、さすがBランクだね」
と言いながらおばさんは厨房に帰って行った。
奢ってもらったジュースを飲み終えた頃にシンシアさんが私たちの方に向かって来た。
「ナユナさん、りん君、買い取り査定が終わりましたよ。あっライカさんもいらしてたんですね。じゃあちょうどいいかな、ギルドマスターが森のどの辺に巣を作ってたのか、知りたいと言ってたのでギルドマスターの部屋に来てください」
と言ってたけど、私冒険者じゃないから、ここで待つか
「ナユナ、私ここで待ってるね」
「あっりん君も来てください。ここで待つのは退屈でしょうから」
「はい!?いいんですか?」
「大丈夫ですよ。それじゃあ、行きましょうか」
おい!!いいのか、こう言うのって機密情報とかじゃないの?!
まぁ、街の門番の人もゆるかったし、ゆるい世界なのかもなこの世界。
◆◆◆
ギルドマスターの部屋に着いたら、誰もいなかった?!
「あれ、シンシアさんギルドマスターは居ないんですか?」
私が思ってる事をナユナが言ってくれた。
「私がギルドマスターですよ。ナユナ……そしてゴブリンさん!」
シンシアさんがギルドマスターなんだ!?えあっ!ゴブリンってバレてる!!
あっ!詰んだな……これは!
そう思っていたらライカさんが私に斬りかかって来た……
「ごめんね、ゴブリンくん、さっきは楽しかったけど……これも冒険者の仕事なんだ!」
ライカさんの言葉を聞きながら、私はライカさんに斬られた……
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