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ついに来たー!!

ファンタジーな世界に来たならやっぱり冒険者ギルドでしょ!!

でも、喜んでも居られないんだよね……

だって私ゴブリンだからね、冒険者ギルドでばれたら速攻で討伐されちゃうよ。

だから、怪しまれないようにしないとね、今の所ただの子供(仮面とローブを被ってる不審者な格好、絶対前世だったら通報されるレベル)にしか見られてないし大丈夫だと思うけどね。


「それじゃあ、りんさん入りましょうか」


「うっうん、ナユナ」


ナユナが冒険者ギルドの入り口のドアを開けたらカランコロンとベルの音が鳴った。

それに気づいた入り口近くのカウンターに居た女の人がって!!この人耳の先がとんがってる。

まさか!?エルフって私が1人で興奮していたら……


「いらしゃいませってナユナさん!心配してたんですよ」


「心配したって、シンシアさん?」


「ナユナさん、昨日は森に行くって言ってたのに、いつもならその日のうちに帰って来て買い取り報告に来るのに、昨日はギルド帰って来なかったから、何かあったのかと思って心配したんですよ。あと最近、北西の街でオークが出たと言う噂聞いたので気をつけてくださいね」


「シンシアさん、心配させてすみませんでした」


「いえいえ、謝らないだください。冒険者の方が無事に帰って来てくれるのは、受付としては嬉しいので無事に帰ってきてくれてよかったです。それよりも、その子はどなたですか?」


この受付のエルフの人いい人だなっとかエルフってやっぱり綺麗なんだなって思ってたら、話の矛先が私の方に来た。


「この子はわたしの親戚の子でして、しばらく預かる事になったので、昨日は森に行ったあとにこの子を迎えに行ってたんです」


「そうだったんですね。君お名前は?」


うぉ!エルフに話しかけられた。わぁ~美人に見つめられると女の私でも(今は性別が男だが)照れるな


「りぃ、りんです!!」


うぉ!思わず名前を言ったけど、どもってしまった、恥ずかしい~


「仮面被ってるから、わからないけど、男の子でいいのかな?」


私は勢いよく頷いた、頷いた弾みで仮面が取れそうになったので慌てて仮面を押さえた。

危なかった、ここで仮面が取れたら、速攻で討伐される所だった。


「そうか、りんくんはその仮面が好きなんだね」


「シンシアさん、ちょっとこっちに来てください……」


ナユナがシンシアさんを手招きしてコソコソと話をした。

話の内容は何となくわかってたけど、気になったので、耳を傾けた。


「ナユナさん、どうしたんですか?」


「シンシアさん言い難いんですけど、りんさんの仮面については触れないでください……りんさんが仮面を被っているのは、顔に傷痕があってそれを隠すために仮面を被っているんです……」


「あぁ……すみません。私ギルドの受付なのに配慮がたりなくて」


「いえいえ、すみませんが、よろしくお願いします」


「はい、わかりました」


ナユナ、ナイスフォロー!これでシンシアさんも、納得してくれたかな、騙す形になっちゃったけど、シンシアさんごめんね。

と思ってると、シンシアさんが私の所に来て……


「りんくん、仮面の事ごめんなさい」


「大丈夫です。シンシアさん気にしてませんから……」


「ありがとう。りんくん」


うわぁ~罪悪感半端ないよ~


「あっそうだ!シンシアさん、買い取ってもらいたいものが、あるんですけど」


「はい、いつもの薬草ですか」


「薬草もあるんですけど、今回魔物がたくさん取れたんで、それも買い取ってもらいたいんですが」


「魔物ですかどこにって!ナユナさんは空間魔法持ちでしたね、あそこの森だと、うさぎゆきとかですね。それじゃあここに出してもらってもいいですか」


「えっと、うさぎゆきもあるんですけど、イノシシ茸が2体あるのであと……」


「いっイノシシ茸ですか!それも2体凄いですね……あ!でもよく魔力持ちましたね。空間魔法ってかなり魔力を使うって聞きますし」


「一応、魔力回復薬を持っていたので……」


めちゃくちゃイノシシ茸に食らいついてるな、シンシアさん

あと、魔力回復薬なんてあるんだ、さすがファンタジーな世界!


「イノシシ茸があるのでしたら、ここでは無理なので、解体部屋での査定になりますので、解体部屋に来てもらってもいいですか。それじゃあ、私に着いてきて下さい」


「わかりました。それじゃあ、りんさん行きましょうか」


「うん」


私たちはシンシアさんの後について行った。



◆◆◆



「ナユナさん、ここに買取の魔物を出して貰えますか」


「はい、よいしょっと!」


ナユナが亜空間から、車くらいの大きさの魔物を2体とあと数体の小さな魔物出していた。

何度も見るけどよくこれだけの大きさの物が入るなって感心した。


「空間魔法は何度見ても凄いですね!買い取りは以上でしょうか?」


シンシアさんが私と同じ感想を言ってた。


「えっと……あと、ゴブリンを森で倒したで、それの報奨金も頂かたいんですが」


「えっ!ゴブリンですか?!森のどこら辺で見たんですか!!もし巣を作られてたら討伐隊を派遣しないといけないので、場所を教えてください!」


「あっ……えっと30匹くらい居たんですが、一応わたしが巣にいるゴブリンを全滅させたので大丈夫かと思うんですが……」


「ええ!30匹も倒したんですか……」


ん~この世界の冒険者の強さの事はわからないけど、今ナユナが何かやらかしたのだけはわかったぞ!


「はい、倒した証の耳です。30匹はあると思うんですけど」


笑顔でナユナが唖然としてるシンシアさんに束ねたゴブリンの耳を渡してた。

ここだけ見るとナユナがサイコパスな感じに見えるよ……


「確かに30匹分ありますね。よく30匹も相手に出来ましたね。いくらナユナさんが強くても、下手したらナユナさんが危なかったですよ。次からはゴブリンの巣を見つけたらギルドに報告してくださいね!!」


「はっはい……」


シンシアさんの威圧が半端ないわ、私は蚊帳の外でよかった~


「とりあえず、ギルドマスターにこの事を報告します。もしかしたら倒しそこねたゴブリンがまだ居るかもしれないし、巣の場所とかも知りたいので、なのでお手数ですがしばらくギルド内で待機していてください」


「はっはい!」


ナユナはまださっきの威圧がまだ解けてないのかシンシアさんにビクビクしてた。

まぁ、確かにあんな美人に威圧的に怒られたら私もあんな感じになるな~


「あとお昼がまだでしたら、食堂でご飯でも食べながら待っててください。りんくん、ここの食堂のご飯は美味しいから、いっぱい食べてね」


「……はい、それは楽しみです」


「うん、それでは私は急いでギルドマスターに報告に行くのでナユナさんたちは食堂で待機していてください」


そう言うとシンシアさんは慌ただしく部屋を出ていった。


「えっと、もしかしてわたし……やらかしてしまったかも……!」


あぁ……やっぱりナユナやらかしちゃったんだね……私に影響がないといいんだけど


「とりあえずさ、シンシアさんがオススメしてくれた。食堂にでも行ってご飯でも食べて落ち着こう」


「そうですね。りんさん……」


落ち込んでるナユナには悪いけど、私はシンシアさんがオススメしてくれた食堂の事で頭がいっぱいだ、ナユナのご飯も美味しかったけど、食堂のご飯ってどんなのがあるんだろう……楽しみだ……と思いながら、ナユナのやらかしたの事から現実逃避をする私だった……

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