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なんとか街に入れたけど、この世界が緩いのかナユナが信頼されてるのかわからないけど。
やったー!ついに街に入れたー!
嬉しさのあまり、少しキョロキョロと周りを見た。
うわぁ~ゲームとかで見る中世風の街だ!
おっ!あそこの通りはいろんなお店が並んでる。
《りん!りん!鍛冶屋があるよ。あそこなら、オイラに合う鞘を作ってくれるんじゃないかな!》
《おぉ~!鍛冶屋か初めて見た……あっそうだ。クロこれからはしばらく街の中だから、今みたいに念話で話そうね》
《 わかってるって、だからオイラ街の中だから、りんに念話で話したんだよ》
おっ!クロ少しは成長してるな
《そうか、偉いぞ!クロ、それじゃあ、ナユナに鍛冶屋に行こうって言ってみるね 》
私は早速ナユナに……
「ナユナ、クロが早く鍛冶屋で鞘を作って欲しいって言ってたから、これから鍛冶屋によっていかない?私も鍛冶屋に興味があるから行きたいんだよね」
「りんさん、黒金様、わかりました。それじゃあそこの鍛冶屋さんを覗いて見ましょう」
こうして私たちは、通りにある鍛冶屋に向かった。
◆◆◆
鍛冶屋の中は壁に多分ここで作られた剣とか槍が立て掛けられていた。
そしてカウンターの中には、優しそうな若い男性が居たので、ちょっと驚いた、私の中の鍛冶屋って言ったら厳つい感じのおっさんが店に居るイメージだったからだ。
「いらしゃいませ。なにかお探しですか?」
お店の人が声をかけてきたので、ナユナが
「この短剣の鞘を作って、いただきたいのですが」
と言ったので私は急いでクロをカウンターに置いた。
「ほぉ、見た感じなかなかの剣ですね」
お店の人がクロを持ち上げ用途した時に私はクロが私以外持てないことを思い出して……
「えっ!すごく重いと言うか持てない!!もしやこれは魔剣の類ですか?!」
あ!ヤバい、クロ魔剣て言われるとすごく怒るからって言ってる側から
「我「あぁはい!この短剣は私以外持てないんですよ!!」」
クロの言葉に被せるように私は言った。
《 クロ!ここでクロが女神から貰った武器ってばれたら、ややこしくなるから、静かにしてて》
《でも……わかったよ…… 》
《偉いぞクロ、よし!それなら絶対にかっこいい鞘作ってもらうね》
《 うん!それじゃあ、我慢するね》
そんな事をクロと話してたら
「魔剣の鞘ですか、うーん……魔剣なんて初めて見るからな、それに持てないとなると、ボクには作るのはちょっと難しいですね」
「そうですか、やっぱり難しいですか……」
「すみません。お役に立てなくて、その代わりその短剣が収まりそうな革製の鞘なら、ご用意できますよ」
「それじゃあ、それでお願いします」
「はい、今ご用意しますね」
革の鞘か、カバーみたいな感じかな?
じゃあシンプルなデザインかなって思ってたら
《えぇ!りんの嘘つき~!オイラ魔剣って言われたの我慢したのに!!かっこいい鞘が欲しいよ~!欲しいよ~! 》
《 クロ、確かに約束はしたけど、できないってお店の人が言ったでしょ、だから、しょうがないじゃん!それじゃあ布を巻いたままの姿でもいいの!》
《 それは、やだよ!でも作ってくれるって言ったじゃん!!りんの嘘つき~!嘘つき~!》
クロの声が念話のせいで頭の中に直接響くから頭がクラクラする。
「あぁもう、すみません。この短剣の鞘を作ってくれそうな職人さんって知り合いにいませんか?」
「う~ん、ボクの知り合いには居なけど、ここから北西の方にある鉱石の町なら鍛冶屋も多いから、もしかしたら作る人がいるかも」
「マラカイトですか、確かにあそこなら職人さんが多いので鞘を作れる人が居るかもしれませんね」
「うーん、それじゃあ次に行く街はマラカイトかな……」
さっきから、クロが
《鞘が作れるの!やったー!早く、その街いこうよ!ねぇ~行こうよ!ねぇーねぇー!》
ってうるさいから、絶対に行かないとクロの声で私の頭がパンクしそうだから、次に行く街はマラカイトだな……それにしてもクロ落ち着け!
しばらく待ってると男性が奥から革の鞘を持ってきてくれた。
「とりあえず、これなら短剣ならを収められると思うんだけど、ちょっと試してみてください」
私は革の鞘をお店の人から受け取りクロを鞘に収めてみた。
「短剣にぴったりしてるのでこれを下さい。この鞘おいくらですか?」
「気にって頂けてよかったです。えっとだいたい銀貨1枚くらいなんですけど、お客さんの依頼に応えられなかったので銅貨7枚でどうでしょうか」
しまった!私は今お金を持ってないんだった!とりあえずナユナをチラチラ見て催促してみた……
「これで銅貨7枚ってお得……はっ!買います。りんさんお金はわたしが払いますね」
どうやら、私の思いがナユナに通じたようだ!!
「はい、確かに銅貨7枚受け取りました。お買い上げありがとうございました」
「ナユナありがとう」
「いえいえ、りんさん、これで黒金様も喜んでくれてたら嬉しいんですけど」
《 うーん……ちょっと革の匂いが気になるけど、まぁまぁかな、でも、早くマラカイトに行ってかっこいい鞘を作って欲しいよ。りん!あとナユナにお礼言っておいて》
なんて偉そうなんだクロ……
「うーん、一応気にってるみたいだよ。あと、ナユナにありがとうって言ってたよ」
「そうですか、よかった~」
「持ち主と話ができる、魔剣って聞いた事があるけど、坊やの短剣も話が出来るんだね、凄いんだね坊やは、あとマラカイトに行くって言ってたけど、今あそこはオークが出るって噂があるから気をつけて行くんだよ」
坊やってまぁ、生物的に男だけど、門番の人もこの人も私をいくつくらいに見えてるんだろ?
後でナユナに聞いてみるか
「ありがとうございます。気をつけて行きますね」
「うん、気をつけて行ってくるんだよ」
お店の人にお礼を言って私たちは店を出た。
そうだナユナに私がいくつくらいに見えるのか聞いてみようっと
自分的には見た目11~12歳くらいかなって思ってるんだけどね、
「ナユナ、聞きたいことがあるんだけど、私っていくつくらいに見えるの?」
「うーん、そうですね。背丈で言ったら7~9歳くらいですね」
あぁ~そりゃ坊やって呼ばれるね……
これから、怪しまれないように子供らしくしてようっと!
なにしろ、これから行くところは冒険者ギルドなんだから、ナユナは怪しくないって言ってるけど、何が起きるかわからないからね……
……フラグじゃないよ!!
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