徒然なる怠慢ライフ
昔、僕は良く、インターネットが止まっていました。
回線の調子が悪いとかではなく、料金を払い忘れてです。怠慢ですね。今では、インターネットが無料で使える物件に住んでいるのでそういうことは無くなりました。
インターネットだけではありません。ガスが止まったこともあります。
ある日、シャワーを浴びようと蛇口をひねると、水しか出ず、冷水を全身に浴びて心臓が飛び出そうになりました。
確認してみると、3か月ほど前のガス代を払い忘れていたようです。全く怠慢です。
インターネットはすぐ止まります。1、2か月払い忘れると即停止です。まあ、生活に必要なものではありませんからね。
しかし、ガスとなると話は別です。いわゆるライフラインの一つ。つまり、ガスが無ければ生活するのが困難になるということです。
おそらく、最低限度の生活の中に入っているものだと思います。そんなものが止まれば大ごとです。
「あらっ、ガス止まっちゃったな。やべえ」
そう焦った僕に、すぐある考えが浮かびます。
「せっかく、ガス止まったことだし、ガス無しの生活してみるか」
ちょっと頭がおかしいですね。すぐに払い忘れた料金を払いにいきなさいと言いたい。
しかし、当時春から夏に向かう季節ということもあり、行けそうな気がしたので、ガス無し生活で行くことにしました。
軽い気持ちで初めてしまったガス無し生活は、苦難の連続で……。
というほどでもありませんでした。
電気ケトルという人類の希望が僕の生活に温かさをくれます。冷たいシャワーで身体をだいたい洗った後、電気ケトルで沸かしたお湯に冷水を足して、良い感じの温度にしたもので身体を流しさっぱり。普通にシャワーを浴びた時と変わらぬ爽快感が得られました。
時には、電気ケトルで作ったお湯に冷水を足して良い感じの温度にしたものだけで、身体を綺麗にしていました。それでも、そんなにシャワー浴びた時と変わらない。少し手間は増えますけどね。思わぬメリットもあります。湯舟に入るよりもシャワーを浴びるだけよりも、水を使わないことです。
調べてみると、シャワーを1分間使うと平均9リットルの水を消費するそうです。身体を洗うのに1分間で終わるとは思えないので、9リットル以上の水を毎回使っているのでしょう。
ところが、電気ケトルでお湯を作っていた時は、全部で5、6リットルで済んでいたと思います。エコですね。
さすがに今ではちゃんとガスを通してもらい、あれから一度もガス代を払い忘れたことはありませんが、その時に「ガスが無くても生活出来るのでは?」という疑問が生じ、今でも頭の中にあります。
真冬のガス無し生活を経験していないので、何とも言えませんが、少なくとも、春から秋まではガスが無くても、それほど不自由無く生きていけました。
ご飯とかどう作ってるのという疑問も有るかもしれません。実は僕はチートアイテムの1口IHクッキングヒーターを持っています。これを使っていました。と言っても、あんまり料理するのは好きでは無いので、ほぼ使いませんでしたけどね。
基本的に生で食える食材は生で食う。肉とか調理が必要なものは極力避ける。食べるとしたら魚の缶詰。そしたら、あんまり火を使うことが無くなりました。もう一つのチートアイテム、電気ケトル君もいますし。
「お湯は金持ちの贅沢品だ」なんて言いながら、ガス無し生活を送っていましたが、言い過ぎでも無いのかなと思います。
日本はとても高い生活水準で、人々が暮らす最低限度の生活のレベルも上がって、それが当たり前になり、それ以下の生活を送ると途端に苦しい気持ちになる。
でも、その最低限度の生活が贅沢になっているのではと疑問に思うことは大切かも知れません。だからと言って、「原始時代に戻らないと」とは絶対に思いません。もう、世界は進んでしまっていますから。ただ、生きる上で何が最低限何が必要なのかを時々考えることをしても良いかなと。
お金は無限に手に入るわけではありませんし、資源だって無限に手に入るわけではありません。贅沢を極めると際限が無い。豊かさとは時に地獄の入り口になります。幸せを求めて、豊かさを求めると、いつの間にか泥沼にはまって抜け出せなくなるかも知れません。
周りを見ると、豊かな生活をしている。だから自分も幸せになるために豊かな生活をしないと。本当に?本当にそれで幸せになれる?他の人の顔見てみて、幸せそうな顔してる?むやみやたらと他人と自分を比べず、本当に幸せになるためのモノは何か考えてみて?僕が良く自分に問いかけることです。
人の幸せと自分の幸せは違うのに、自分の幸せを見つける努力をせず、安易に世間が示してくれる幸せに飛びつくのは怠慢です。もっと自分の幸せを探す努力をしてください。
そんな偉そうなことを考えて、自分を正当化するから、ガスが止まったことですらプラスに捉えるから、料金を払い忘れるなんていう当たり前のことをしない、僕の怠慢は治らないのでしょうね。ダメだこりゃ。
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