ぼくはなにをしているんだろう
ここです。
短編 ぼくはなにをしているんだろう
喫茶店でコーヒーを頼む。向かいに座る女性の分もふくめて2杯。僕は彼女の話を聞いて相槌を打つ。彼女から放たれるのは彼氏への愚痴。彼氏とどうしたらいいかと尋ねられる相談。彼氏とののろけ。
話されるのは、すべて彼氏とのことで。
ちなみに僕は彼氏ではない。ただの友達だ。彼女にとっては。
僕にとってはそうではないけれど、それはもう伝えることはないはずで。彼氏の話を聞くことは僕にとっては苦痛でしか無いはずで。それでも聞いてしまうのは、やっぱり惚れた弱みであるわけで。
はっきりいえば、いつもなにを話したのか曖昧で、さらにイライラのほうが多かったりする。それでも、彼女と一緒に居られるのはこの時間だけで。痛い針が心に刺さろうとも一緒にいる喜びがほしいわけで。
苦い苦いコーヒーを飲む。
いつも、先に彼女は席を立ち、彼氏の元へと去っていく。
ひとり喫茶店に残される僕。
ぼくはなにをしているんだろう
ぼくはなにをしているんだろう
ただ、進むもなく、下がるもなく
彼女の近くで彷徨い続ける
ぼくはなにをしているんだろう
ぼくはなにをしているんだろう
最後の一口に口をつける
苦いコーヒをいつものように飲み干して
今日も僕は苦さと甘さを心に抱え喫茶店を後にする
ぼくはなにをしているんだろう ここです。 @kokotangpu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます