第27話 「めがね」

私は結構、験を担ぐタイプです。


昔観た「めがね」という映画で

「梅はその日の難逃れ」というセリフを聞いてから、朝ごはんに梅干しを食べる比率が多くなりました。


どうにかして難を逃れたい気持ちの表れです(笑)


災難がちょいちょい襲ってくるもので、

いつも「今日は平和でありますように」と

願っているのです。


例えばおニューの服に鳩の糞。


家でボヤが起きる×2回

その内1回は引越ししなければならない程のものでした。

(原因はひとつは近所の子供の火遊び、もうひとつは母の揚げ物でした 泣)


痴漢に遭う


車に連れ込まれそうになる


等など。(どんどん笑えなくなる不運たち)



幸福でなくてもいいから

平穏を…とよく思っていました。

これは今も変わらず。



その頃、小林聡美さんが好きだったこともあり、

ドラマだと「すいか」「神はサイコロを振らない」映画だと「かもめ食堂」や「めがね」を

観ていました。


「めがね」は、

主人公の小林聡美さんが都会から

夏の休暇である島へ来るのですが、

そこの宿泊先が自由過ぎるのです。

朝は起こされるし、

(しかも、メルシー体操というものがある)

ご飯も人と一緒に食べなきゃだったり、

1人でゆっくりしたい主人公にとっては

イライライライラ。

けれど、自分が困った状況になった時に

助けてもらったりして、

頑なだった心が解れて

その島の暮らしを楽しむ事が出来るように

なる……といったお話だったと思います。


…うーん、かなり昔なので

あらすじは若干怪しいですが…

大まかには間違っていないはず。


ただただ海を眺める人に

「何をやってるんですか?」

と聞くと

「黄昏てるんです」

と言われ、最初は「?」と思っていた主人公も

途中からは上手に黄昏れることが出来るようになる

シーンが私には印象的でした。


あとは、「かもめ食堂」や「めがね」の

監督といえば、食事のシーン!!


普通のご飯がとても美味しそうに見えるんです。


その中で、朝食に「梅はその日の難逃れ」といって

登場します。


本当にゆるーい、観る人が観れば

もしかしたら退屈な映画とさえ思うかもしれません。


でも、私はこのゆるーい世界が好きです。


「かもめ食堂」でも「めがね」でも

もたいまさこさんは少しファンタジーな人。

そこも好き(笑)


邦画を好きになり始めたきっかけかもしれません。


可愛いは正義と聞きますが

私にとっては

ゆるいは正義というくらい

キーワードになっています。


しつこい?


でも、このエッセイのテーマでもありますから

お許しください(笑)



ちなみに、今日の私は「歩く日」でした。


歩き仲間である友人から連絡をもらえたので、

「5分で出れます!!」と

フットワーク軽く出かけてきました。

(でも、現地までは車に乗せてもらうという、

本当にゆるーい「歩く会」笑)


30分歩いて、

ベンチで1時間おしゃべり(笑)

歩くよりベンチ時間が長いのも楽しいのです。


夏休みが終わり、

すこーしづつ人里へ戻り、

いつもの日常がやってきています。


そんな日常での中で

思い出すセリフが多くあるのが

「めがね」でした。


公開されてもう10年以上経っていますが、

私は未だに梅干しを食べる時には

「めがね」での「梅はその日の難逃れ」を思い出しています。

元々ある言葉なのでしょうが。

私にとっては「めがね」の言葉なのです。



とはいえ、我が家の朝ごはんは

パン派なんですけどねー(笑)



















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