第4話 サイコキネシス(念力、PK)少女

「はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」

 人の悪意に敏感な真理亜は教室の黒い塊たちにプレッシャーを感じ息が苦しかった。

(なんか芋が教室の入り口で突っ立っているんだけど?)

(ウザイ。ゴミでも投げつけてやる!)

 正体不明の黒い塊が真理亜に紙を丸めて投げつけてくる。

「来る!? サイコキネシスか!?」

 真理亜は超能力の感知能力で危機を察知し、投げつけられたゴミを紙一重でかわす。

(避けた!?)

 黒い塊は自分の攻撃がかわされたことに驚いた。

(避けただと!? 私の攻撃を避けたというのか!?)

(生意気ね!)

 そしてクラスの黒い塊たちに反感を買う。

(あいつをいじめてやる!)

(フォフォフォフォー!)

 とどめに真理亜はいじめの標的にされた。

「あの・・・・・・全部聞こえてるんですけど。」

 超能力少女の真理亜には他人の声として発せられた言葉や心の声は丸聞こえであった。

 つづく

 おまけ 

 サイコキネシス

(聞こえる!? 聞こえるわ!? 私にも人の心の声が聞こえる!?)

 姉の真理亜は超能力に目覚めて、他人の心の声を読み取れる(読心)サイキック能力を使えるようになった。

(お姉ちゃん! ご飯よ!)

 妹の楓が心の声で意思疎通を伝心する(テレパシー)で姉にご飯の時間を知らせる。

(ありがとう! 妹よ! ちなみに今日のおかずは何?)

 神妙な表情と声で返事する姉。

(フッフッフッ! お姉ちゃんの大好きな、エビフライよ!)

 不敵に笑う妹。

(エビフライ!? それは食べねばなるまい!)

 姉はエビフライが大好きだった。

(お姉ちゃんが来る前に私が全部食べてやる!)

 宣戦布告する妹。

(なにー!? 私のエビフライに手を出したら、カワイイ妹で許さないわよ!)

(フッ! サイキックに目覚めたばかりのお姉ちゃんに何ができるというの?)

(甘く見るな! タイキックに目覚めた私をなめるなよ!)

(だから、サイキックだって!? お姉ちゃん、少しズレてるよ!)

 テレパシーを覚えた姉妹は、サイキック能力でじゃれあって遊んでいた。

(あなたたち! 何を遊んでいるの? 真理亜、早く食べに来ないとエビフライが無くなっちゃうわよ?)

 そこに母のひばりが割り込んでくる。

(は~い! 行きます! 行きます! 私のエビフライを食べないでよ!)

 猛ダッシュで食卓に向かう姉だった。


「はあ・・・・・・はあ・・・・・・ぜい・・・・・・ぜい。」

 息を切らせて姉は何とかエビフライが無くなる前に台所にたどり着いた。台所にはご飯を食べている父、母、妹がいた。

「私のエビフライ!」

「チッ、間に合ったか。」

 食いしん坊の姉の執念が勝った瞬間であった。少しだけ悔しがる妹。

「真理亜、サイコキネシスは使えないの?」

「タイコキネシス?」

 母が姉に質問する。そしてお約束通りサイコキネシスをタイコキネシスと言い間違える姉。

「お姉ちゃん、それはさすがに無理があると思うんだけど。」

「アハッ!」

 優しくツッコム妹を笑って誤魔化す姉。

「サイコキネシスとは、物体に力を及ぼし得る力のことだ。念力やPKのことをいうんだよ。」

 父はサイコキネシスを姉に説明する。

「ん? ん? ん?」

 サイコキネシスの説明が理解できない姉は首を傾げて悩む。

「真理亜には難しいのかな? 高校生なのに。妹の楓は小学生なのに理解しているぞ。」

「それは申し訳ありませんね。これでもお父さんの娘です。」

 ただでは負ける気はない娘であった。

「手を触れずに物を動かす能力のことだ。」

 再び父は姉に説明を始める。

「ゲホーッ!? なんじゃこりゃ!?」

 分からな過ぎて姉は吐血して見せた。

「お、お姉ちゃん!?」

「大丈夫!? 真理亜!?」

 心配する妹と母。

「ダメよ!? お父さん!? もっとお姉ちゃんには分かりやすく説明しないと!? お姉ちゃんおバカなんだから!」

「そうだった!? すまん。」

 悲しいが家族の中で姉はおバカキャラで認識されている。

「お姉ちゃん、お皿の上にあるエビフライを、お姉ちゃんの口に運ぶ。これがサイコキネシスよ。」

 妹はサイコキネシスでエビフライを飛ばして、姉の口に入れる。

「モグモグ、美味しい! 分かったわ! サイコキネシス! ワッハッハー!」

 大好物のエビフライを食べた姉は復活し、超能力(サイコキネシス)を覚えた。ちなみにタイコキネシスはやめた。

 つづく。

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