第2話 超能力(サイキック)少女

「高校生になったら、お友達100人できるかな! アハッ!」

 花の16才、真理亜は高校に入学する。 

「キモッ。」

 小学生になった妹の楓は姉を軽視。

「何よ!? 妹の分際で!?」

「甘いわね。お姉ちゃん。」

「ギクッ!?」

 妹の鋭い視線に押し負ける姉。

「いじめやスマホばっかりで、現代の希薄な人間関係のコミュニケーション不足の世の中で、お友達ができるかしら?」

「ウッ!?」

 現代の人間は寂しい孤独な生き物になってしまった。

「できるわ! お友達を作るなんて簡単よ! 100人なんて少ないわ! お友達を100万人作ってやる!」

 真理亜、お友達100万人キャンペーンの始まりである。

「逆ギレだ。」

 冷静な妹の方が姉よりも精神年齢が高い。

「ふん。いざとなったらタイキック能力で、みんなの心を操って、お友達にしてしまえばいいのだ!」

「サイキック能力でしょ。お姉ちゃん。少しズレてるよ。」

「アハッ!」

 果たして真理亜サイキックで、みんなをマインドコントロールできるかは未定。

「行ってきます!」

 真理亜は学校に向かう。

 つづく。

 おまけ。

 超能力(サイキック)。

 超能力とされる現象として、例えば「手を触れずに物を動かす」、「人の心を読み取る」などの能力が挙げられている。

 そして、時におバカさんにサイキックは、タイキックと間違われる。


「酷い!? 皆で私を騙していたのね!? いじめよ!? いじめ!? 私だけ除け者にするなんて、あんまりだわ!?」

 代々超能力を持つ家系の大神家の長女、真理亜は高校一年生にして、やっと超能力に目覚めた。

「違うわよ。正確には、あなたが超能力に目覚めるのが遅かったのよ。」

 母、ひばりが事実を言い返す。

「そうよ。お姉ちゃんがおバカだから、サイキックに目覚めなかったのが悪いのよ。」

 妹の楓が追撃する。

「酷い!? 全部、私がいけないの!? そんなのあんまりよ!? 何とか言ってよ!? お父さん!?」

 姉は父に助けを求めた。

「お母さんの言うことが正しいんじゃないかな。アッハッハ。」

 父、慎太郎は笑って誤魔化した。

「ああー!? 笑って誤魔化した!? 酷い!?」

 父親を軽蔑する娘。

「ほら、みなさい。エッヘン。」

 父の同意を得て、母の威厳がアップした。

「く、悔しい・・・・・・はあ!? まさか!? お兄ちゃんも超能力者なの!?」

 悔しがっていた姉は良いことに気がついた。我が家が超能力家族なら、兄も超能力者のはずだと。

「そうよ。その通りよ。お兄ちゃんもサイキッカーよ。」

 もう出かけてしまった兄の一郎も超能力者であった。

「タイキッカー!?」

 おバカな姉は、どうしてもサイキックとタイキックを間違えたい。

「サイキッカーよー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 大声で妹の修正が入る。


「もう少し真理亜のためにサイ・・・・・・超能力について説明しよう。」

 父はサイキックと言いかけて、娘がタイキックとツッコミを準備しているのを察知して言い直した。

「チッ。」

 タイキックと言えなくて舌打ちする娘。

「超能力には、超能力を情報の伝達に関する現象である超感覚的知覚(ESP) と、物体に力を及ぼし得るサイコキネシス(念力、PK)に大別している。また、ESPとサイコキネシスを合わせて、PSI(サイ)という名称も使われている。どうだ? 真理亜、超能力を理解したかい?」

 父親は娘に超能力を説明した。

「お父さん!? お姉ちゃんが目を回して口から泡を吹いて倒れているよ!?」

「なにー!?」

 父親の超能力の説明を聞いて意味不明で、耐えきれなくなった姉が気絶した。

「あなた!? 真理亜には説明が難しすぎたのよ!?」

「大丈夫か!? 真理亜!?」

 家族に心配される愛されている娘だった。

 真理亜は、分からないと意識が無くなり自分を安全な場所に逃がす、サイキック・スキル(現実逃避)を覚えた。

 つづく。

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