〇〇少女ワールド! 3
渋谷かな
第1話 少しズレてる少女
舞台は2020年。
現代世界の日本。
剣や魔法などはあり得ない。
「お友達をたくさん作るぞー!」
朝、目覚めた私の第一声。私は今日から高校生になる。
「おはよう!」
家族に朝の挨拶をしているのが、私。大神真理亜。カワイイ高校一年生。
「おはよう。真理亜。」
父、慎太郎。世界的に有名なマジシャン。
「あなたも今日から高校生なんだから、もう少し落ち着きなさい。」
母、ひばり。専業主婦。年齢不詳。
「無理よ。お姉ちゃんは少しズレてるから。」
生意気な妹の楓。小学一年生。
「こらー! 楓! 小学生のくせに年上の人間に対する口の利き方がなってない!」
「あなたもね。真理亜。」
「うっ!? なんも言えねえ!?」
これが大神家の普通の家族の会話である。
「お姉ちゃん、パジャマを着替えたり、歯を磨いたり、サイキック能力を使わないで、自分でやってよね。」
「だってタイキックの方が楽なんだもん。」
「サイキックよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」
「アハッ!」
そう、実は私はタイキック少女だったのです。
「違います。お姉ちゃんは超能力を扱えるサイキック少女です。ペコリ。」
妹の楓は姉をフォロする良く出来た妹である。
つづく。
おまけ。
真理亜、目覚める!?
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!? 痛い!?」
彼女はベットから転げ落ちて目が覚めた。
「あれ? 痛くない?」
なぜ痛くないから分からないので下を覗き込んだ。
「なんだ~、体が浮いてるからか~、アッハハハハー。」
何も考えずに素直に喜ぶ。
「・・・・・・体が浮いてる!?」
やっと事態の異常なヤバさに気づいて、神妙な表情を見せる。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!?」
そして悲鳴を上げた。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
姉の騒ぎ声を聞いて、何事かと思い妹の楓が現れた。まだ小学生のカワイイ妹である。
「か、体が浮いているんですけど!?」
駆けつけてきた妹に説明する姉。彼女の名前は、大神真理亜。和風な名字にメチャクチャ洋風なキラキラネーム。姉にキラキラネームをつけて反省した両親。なので妹の名前は純和風になった。
「おお、やっと目覚めたのか。サイキックに。」
驚きもしない妹は平然と体が宙に浮いている姉に言い返す。
「タイキック?」
「サイキックよ! 耳クソを掃除しなさい!」
キックボクサーの真似をして首を傾げる姉の軽い聞き間違い。
「もしもし? 楓ちゃん。お姉ちゃん、浮いてるんですけど?」
今度は優しく姉は妹に尋ねてみた。
「私もできるよ。ホイッ。」
ごく自然に妹の体が宙に浮いた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!?」
まるでお化けでも見たように姉は目を回して泡を吹いて気絶してしまう。姉の真理亜は、超能力(浮遊)を覚えた。
「我が家は代々、超能力家族なのだ。」
大神家の家族は台所に集まり緊急家族会議が行われる。出席者は、父、慎太郎。母、ひばり。姉、真理亜。妹、楓。兄の一郎は欠席。大神家は五人家族である。
「ちょ、超能力家族!?」
自分の家系が超能力が使える一族だと知り驚く姉。
「超能力って、なに?」
真顔で質問する姉は超能力を理解していなかった。
「ズコー。」
父、母、妹は。頭を机にぶつけたり、椅子から転げ落ちたりズッコケる。
「超能力とは、通常の人間にはできないことを実現できる特殊な能力のことよ。例えば、お姉ちゃんが宙に浮いたのも、超能力の一つよ。」
「おおー、そうなんだ。」
妹に説明してもらって、納得する姉。
「・・・・・・って、なんで楓の方が私より詳しいのよ!?」
大切なことに気がついた姉。
「だって私は物心がついた頃にはサイキック能力に目覚めたもの。」
「タイキック能力?」
「サイキックー!」
まだまだ大神家の緊急家族会議は続く。
つづく。
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