第7話 繰り返す失敗(2019年)
また真下名花が目の前で死んだ。またも星と〈私〉は失敗した。
血まみれの名花の死体を前に、星が茫然と立ちすくんでいる。
「何度も、この光景を見ている気がする……」うつろな声で星が言う。「また、救えなかったんだな……名花も……〈ミハル〉の母親も……」
まただ。
また〈私〉の知らない〈私〉の動機を星は語る。
「次こそは……きっと……〈ミハル〉、頼む……」
星に次はない。
そのはずだ。
しかしもう、〈私〉自身も、いま自分が時間の流れのどこに存在するのかがわからないのだ。これから何が起こるのか、〈私〉に断定することはできない。
それでも、ここで立ち止まるわけにはいかないという気持ちだけがブレていない。
〈私〉は『次』に向かう。
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