ここに残される笑顔
知らない場所を歩くと様々な発見があり面白い。
つい最近歩いたのは秋葉原から上野まで。
土地鑑なんてない。全然知らない場所である。
個々では訪れたことのある土地だが、こうやって秋葉原から上野まで歩いてみたのは初めて。面白いことに1本道だ。
ずーっと真っ直ぐ歩いていけば、左側に見えるは長い坂や階段。
右側は坂道などないのに、こんなにも違うのか…と、これまた面白い。
左側の奥に見える階段に惹かれつつも今日はこのまま上野を目指す。
こんなにも歩ける距離だったこと、それも新たな発見である。
末広町を抜け、上野広小路に差し掛かった辺り。
可愛らしいうさぎが目に入る。お、和菓子屋さんだ。
その前には長蛇の列が。この和菓子屋さんは何が有名なのだろう?と覗いてみれば、どら餡ソフトを食べている人がいた。
今日は夏のように日差しが強いから、こんな日に冷たいソフトを食べるのは格別だろう。
後々調べれば、ここはどら焼きも有名だそうだ。
その日はお店に入ることは叶わなかったが、また近くを通った際には買ってみようと思う。
暑い日差しの中、てくてくと歩いていく。
徐々に、徐々に、どこか懐かしい、大人な雰囲気の街にたどり着く。
右側にはアメ横。左側には上野公園。どちらも面白そうだが、今日は左側を選んだ。上野公園の中を歩き、緑を満喫する。空が青い。とても美しい。
ここには昔、小さいながらも遊園地があったな…と思い出に浸る。
2016年に閉園となったが…。
幼い頃、遊んだことがある自分は少しだけ物悲しく感じた。
あの、幼き日に見た公園から、印象も目線も変わった今、見えてきたのは人々のたくさんの笑顔。
きっと、人々の笑顔だけは何年も何十年も変わらずに、ここに残されているのだろう。
走り回る子どもを眺めながら、今日からまた未来へと残されていく。
この公園で作られていく思い出には、綺麗な色がつくだろう。
なんて、そんなことを、そっと思った。
日日交交 @9zuharu
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