空を眺めては、陽が落ちるのが早くなってきたと感じる。

この時期はどうしても季節柄、物悲しさを感じてしまい、ついつい上を見上げてしまう。

水色から薄紅色へ、橙、紫、藍色から群青へと染まっていくその一時。

物静かな色の移り変わり。

聞こえてくる虫の音。

温かった風が少しひやっとし出す逢魔時。

あの世とこの世の堺…などと表現したら、怖い印象になってしまうか。

自分は空を見るのが好きで、どの時間の空も好きなのだが。

やはり一番好むのはこの黄昏時、逢魔が時だろう。

今日という日が終わる瞬間。

一瞬の空の終焉に言葉にできない美しさを感じる。


そんな空を眺めながらふと思うのだ。

きっと、人の人生はこの空に似ていると。

産まれた瞬間が彼は誰時。

死ぬ瞬間が逢魔が時。

そう思うと、人の人生はなんとも儚く美しい時間だと。

誰しも思うことはできないだろうか。

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