第344話唐揚げと焼き鳥

今回もお城にお泊まり。

パルドデアの皆様は外務省の迎賓館みたいは所にお泊まりらしい。やっぱり慣れないと畳に布団で寝るのは落ち着かないのかもなあ。

と思っていたのだけれど。


「えっ!?城へお泊まりなのですか?」

晩餐会会場でアルマーニ王子が驚いた声をで王子に尋ねていた。


「迎賓館に一緒にお泊まりだと兄上テンション高かったんですよ。」

デイビス王子が揶揄う様にクスクスと笑う。アルマーニ王子はちょっと拗ね顔で良い大人なのに可愛い。


吉宗殿の御挨拶で晩餐会が始まった。


和食のフルコースだ。

ナイフとフォークに箸も用意されている。


私達は刺身だがパルドデアの皆様には希望者には火を通して貰った。


焼き鳥が登場。

「炭火で焼いております。」

「そのままでも串から外してでも良いですよ。」


アルマーニ王子達は丁寧に串から外している。私はかぶりつく!

おー。美味いぞ!


チラりと王子達の様子を見ると。あっ嬉しそうだ。

「この鶏肉美味しいですね。」

「香ばしいし美味しいです。」

好評で良かった。

すっかりお気に召した様で全部完食だ。


お次はメインの鶏唐揚げかな。


「実は唐揚げにひと工夫したんですよ?」

と大司教さんがニヤっと笑った。


運ばれてくる揚げたて唐揚げとご飯。と小皿にこれは!?マヨネーズ!

「作ったんですか?」

「簡単ですよー。」

と言ってニコニコ笑顔。


私もマヨネーズは好きだ。


「こちら、鶏唐揚げで御座います。お好みでマヨネーズを付けられて下さい。」


ご飯は通常はラストに出る和のフルコースだがご飯と唐揚げを食べたい!と私達は強請ってその様になった。


「ほう。初めて見ます。良い香りですね。」

デイビス王子が1口。ハフハフしながら熱々唐揚げを食べる。


「美味しい!!」

めちゃくちゃ笑顔だ。良かったー!


アルマーニ王子もそれを見てパクり。

熱々ハフハフだ。

「ジューシーで味が染み出す。美味しいです!!」

感動した様にまた1口。


会長と目が合った。フフっと微笑んでいる。


「マヨネーズ付けても美味しいですよ。兄上。」

デイビス王子は間もなく唐揚げ完食だ。

勿論、エジソンさん達も美味しそうに食べている。


良かったー。ほっとした。


焼き鳥と唐揚げの効果もありパルドデアの皆様は昼ご飯の時より笑顔が多い。


吉宗殿も気に入ってくれた様だ。

『美味いぞ。よう考えたのお。光国。』

『それもこれもボードウェン国のお陰じゃよ。』

2人は顔を見合わせてこちらもホッとした顔だ。


晩餐会は無事に終わった。


「明日のコンサート楽しみにしてます。」

「名残り惜しいですが帰ります。」

デイビス王子とアルマーニ王子はコンサートは楽しみだがまだ帰りたくなさそうだ。


「明日は宜しくお願いします。」

私達の見送りに2人は最後まで手を振っていた。

つくづく熱いファンなんだと思う。


「よし!風呂入って寝るかー!」

「おー!」

ルイスの声掛けで客間に向かう。


プラゲ城に限らず城ってやつは兎に角広い。

ボードウェン城も未だに全て回った訳では無いし。

今回のプラゲ城の客間は離れにあった。

前回よりちょっと豪華な気がする。


「わー。もう布団が敷いてありますね。」

「この畳の匂いが良いよなあ。」

懐かしいし癒される。


女子風呂へ皆で行く事にした。


脱衣場の感じが時代劇っぽくて良いなあ。

檜風呂がまた良い感じだし。


「ボードウェンのお風呂と違いますよねえ。お湯が柔らかい気がします。」

とエミリアがパシャっと顔を洗う。


「だよね。檜の効果かな。」

バスタブだとこんな感じにはならないもんなあ。


「檜はお肌すべすべになるわよね。プラゲの温泉巡りとかしたいわー。」

キャサリンが熱海とか行きたいわねと言う。

「そうだなあ。まだ行ったこと無い県に行きたいな。次来る時だな。」

今度はもっと色々な所を観光したい。


湯上りには緑茶。これもまた美味しい。

緑茶買って帰ろうかな。


客間に修学旅行みたいに並べられた布団で寝る。

ちょっとワクワクしながらのピロートーク。

エミリアのファーストキスの話とかちょっと私のエッチな話とか。

やっぱりキャサリンは考えると恥ずかしいらしい。

「卒業まであと少しか。早いわよね。」

もう11月。

「いよいよ本格的歌手活動だなあ。」

「その前に結婚式でしょ?」

そうだ。これがまた教会で練習があるらしい。

VIPが来るからなあ。

「眠くなってきたー。」

「寝ましょうか。」

うんうん。明日はコンサート。演歌三昧にウケてくれるかな。

そんな話もしながら就寝。

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