第327話メイド服を作ろう
翌日、生徒会室に行きパトリックに話をするとめちゃくちゃ喜んでくれた。
「やっぱり喫茶店は文化祭ならでは。それも女装と男装とか。懐かしいなあ。」
パトリックもそう言う文化祭体験者らしく楽しくなってきた!と嬉しそう。
「じゃあ、掲示板に大々的に貼りだします。そしたら生徒も納得してくれますし。」
「あっ。金は取るからね?コーヒーとかの。」
会長がそう言うとパトリックは勿論ですよ!と返答してきた。
メイド&執事喫茶。
昨日決めた概要は飲み物は珈琲と紅茶のみ。
各家庭の料理人が作ったホールケーキを持ち寄りショートケーキサイズにカットしてケーキセットとして販売。
財閥から本物のメイドと料理人を連れてきて彼等が珈琲や紅茶は入れてくれる。
私達はオーダーを取って運ぶだけ。とても簡単なお仕事だ。
さて、問題は衣装。
会長やキャサリンに言わせるとこの時代のメイド服ってシンプルだそうで。もっと可愛くしたい!!と言う。
キャサリンの家のメイド服の1番大きいサイズを数着貰って本日はマッケンジー家の最新のミシンで改造作業をしてみる事にした。
フラーム家のメイド服はグレーのワンピース。
これを可愛くねぇ。
「ねえ?このレースとか使って良いんだよなあ?」
マッケンジー家のミシン部屋には布地やレースやら色々あって創作意欲を掻き立てられる。
「おー。好きに使って良いって言ってたぞ。」
ルイスは私の後ろで座って見学中。
お試しメイド服第1弾。犠牲者はルイスだ。
しかし、1番デカいメイド服でもルイスには合わないな。
サイズ変更からか。
メイド服1着潰すしかないな。
布地を継ぎ足してサイズを大きくしないと肩幅とか絶対入らない。
繋ぎ目は誤魔化せるが良く見ると解るのでレースを付けたりして少し可愛くしていく。
ルイスはやっぱりロングスカートが良いな。
顔的にもフリルって感じじゃない。
グレーのロングワンピースに控え目にレースを付けた。
そして裾にもレースでお洒落に。
襟は白でボタンを赤にしてっと。
おー!大人っぽい感じ。
「ルイス!出来たぞ!」
後ろを振り返るとルイスは椅子に座って転寝していた。
「お?悪ぃ寝てた。」
「いやいや。待たせ過ぎた。これ着てくれ。」
「やっぱり恥ずかしいよなあ。でも、着るぜ。」
ルイスはちょっと照れながらその場で着ていた服を脱いだ。
ロングワンピースにして良かった。
案外・・・。
「可愛いじゃないか!」
「そうか?何だかなあ?」
ルイスは不満そうに鏡を見ている。身長デカいからな。
「明日、皆にお披露目してくれるか?」
「まじか?じゃあジェファーソンのも作ってくれ。一緒にならやる。」
1人なら恥ずかしいよなあ。
良し!同じ様にデカい王子のを作ってしまおう!
1度大きいサイズを作ったので今度は楽勝。
王子はやっぱり可愛い系かな。
フリルかなあ。
丈は膝下。
あー!フリルのサロンエプロンを付けよう!
「出来た!見ろルイス!」
ルイスに見せると爆笑された。
「いやー!こりゃ早く着せたいなあ。」
しかし、1日2着が限界かな。
疲れた。もう夜中だし。
ベッドに入るとルイスがお疲れ様と言って抱き締めてきた。
癒される。
甘えたくなる。
「ルナリー。」
優しくキスをされて腕の中で眠りについた。
・・・・・・・・・・・・
翌日、レッスンルームにてお披露目会。
俺とジェファーソンは隣の部屋で着替える事にした。
「ルイスの方はシンプルなんですね。僕のは・・・。可愛いけど。」
うう・・。照れるなとジェファーソンが少し躊躇している。
珍しい。こう言うの率先して楽しむタイプな筈なのに。
流石に女装はハードルが高いか。
「着ますよ!良し!」
変な気合いを入れてジェファーソンは着替えた。
お互い背を向けて着替え完了。
振り返ると・・・。
「プッ!!ルイス!似合わないぃ!」
「あはは!ジェファーソンも似合わなくは無いが。何か変だなあ!」
お互いの初の女装姿に笑いあってレッスンルームに戻る。
ドアを開けて俺が先に入った。
先ずカインが爆笑した。
「ルイスがヤバい!」
だろうなあ。
「かっ・・・。可愛いわよ・・・。プッ!!」
キャサリンも吹き出したし。
恐る恐る俺の後にジェファーソンが中に入ると。
うーん。やっぱり顔の差だろうか。
笑いながらも似合うって言われている。
「似合うのも複雑ですね。」
ジェファーソン自身は苦笑い。
「2人とも良い感じだな。王子も良い!明日は誰の作ろうかな。これは楽しい。」
デザイナールナリーは非常に満足そう。
「爆笑したカインのを作ってくれ。」
明日は俺が笑ってやる。
カインはゲッと言う顔をしている。
「じゃ、明日はカインとジョージかな。ワクワクだ。」
ルナリーはどんなメイド服にしようかなあと脳内妄想中な様だし。
本日のメイド服お披露目はこんな感じで終了した。
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