第313話最終日の夜は暇人達で語ろう会
最終日の晩御飯はスペイン風。
スペイン風の料理な様で具沢山なオムレツやコロッケっぽいやつ。生ハムにトマトスープ。サフランライス。
美味しくて好きな味ばかりだ。
夕食後、部屋でシャワーを浴びて今日は最終日のガールズトークか?と思っていたら。
「わー。爆睡してる・・。」
遊園地ではしゃぎ過ぎたのか最後のアスレチックが効いたのかキャサリンもエミリアも良く寝ていた。
アスレチック如きでは疲れない私はまだまだ元気だ。
流石にまだ20時30分なので眠くない。
ルイスと王子の部屋にでも行くか。
と言う訳で3階へ。
上がるとちょうど部屋から出てきたクライスと会った。
「もしかしてみんな寝た?」
クライスは苦笑して頷いた。
元気な奴の考える事は同じでクライスも王子の部屋に行こうかと部屋を出たらしい。
トントントントン!301号室をノックすると出てきたのは会長。
「いらっしゃい!」
会長も元気な暇人だったようだ。
「先にクライス達の部屋をノックしたんだけどね?風呂中だった?」
クライスは多分そうと笑う。
予想通りルイスと王子は元気だった。
「キャサリンも寝ちゃったんですか?」
「風呂上がったら2人とも。」
王子がちょっと残念そう。
「楽しい事が終わるのはあっという間だねー。」
しみじみと会長が言う。
「連日、過密スケジュールでしたしね。」
特に2日目と3日目が忙しかった。
「上手く行くと良いな。皇太子さんとこ。」
「ちょっと僕の下調べ不足でしたね。他国の歴史も詳しく学んでいればもっと早くにダミアンを救えたかもしれないのに。」
王子がちょっと落ち込んでいる。
「教科書で習う事なんて一通りだけだから仕方ないよ。」
会長が言うのも最もで詳しい内情までは習わない。まだテレビも無いし知らない国だらけのこの世界。
「プラゲ国なんて教科書に無いしな。」
ルイスがそう言うと確かにねと王子も納得して落ち込みから復活した。
「ボードウェン国って本当に平和だよね。」
クライスがしみじみとこの国に生まれて良かったと言う。本当にその通りだなあ。
「会長達が居た時代って平和でしたか?」
王子が聞いてきた。
難しい質問だな。
「うーん。平和と言えば平和なんだけど。それなりに犯罪はあったし。万人が平等では無かったし。戦争は無いけれど牽制し合う所はあったし。難しいね。」
会長、流石です。
「平等な社会って言うのは無理難題何でしょうね。犯罪も何時の時代もあるんですよね。」
王子もクライスもうんうんと納得している。
「来月はコンサートだね。いよいよ国立ホールか。」
会長が呟いた。
「あの広いホールで歌うと思うとワクワクしますよね!」
うんうん。
「アルマーニ王子達ってやっぱり最前列なの?」
そう聞くと王子はニッコリ笑顔でそうなんです!!と張り切って言った。
「最前列3席はご兄弟に確保しましたよ。」
「幸せそうに眺めるんだろうねー。」
うんまさにそうだろう。
「なあ?そろそろ生徒会長交代じゃねえーの?」
ルイスがふと聞いてきた。
「あっ本当だ。何か会長が何時までも会長だから。」
そう言うと何だよそれと笑われる。
「今度、誰が生徒会長なるんでしょうね?」
「卒業まで飛行船での遠征は出来なくなりそうだなぁ。」
「学校関係無しなら行けるか?」
何だかんだとカインを守らないといけない私達。
「文化祭ってコンサートやるのかね?」
「やりますよ。」
王子即答。やはりやるのか。10月も忙しくなりそうだ。
ひとしきり元気な暇人組で話し込んでから就寝。
翌日、朝ご飯を食べて帰郷。
修学旅行とダミアン皇太子の家族仲修復完了。
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