第312話遊園地堪能

修学旅行最終日




「遊園地だー!!」


テンションが上がる!この時代だしアトラクションへの期待はしていなかった。


だがしかし!園内の地図を貰って見たんだが。




『もしや浅草花やしきレベルはあるんじゃないか?』


会長が日本語ボソッと呟いた。


私、ルイス、キャサリンは会長の顔を見詰める。


「まさにそれ!!」


うん。思っていたより豪華だ。




「はーい!集合!遊園地内は自由行動です。乗り物に乗るには1回いくらとお金がかかります。お昼ご飯はレストランがありますからそこで食べて下さい。」


先生も何だか嬉しそう。大人もワクワクするよな。


では!解散!と声がかけられて皆で回ることにした。




「アーシェンバードって凄いですね。」


園内の様子を見て王子が感心している。


本当に広い敷地にアトラクションがあって中の作りもしっかりしているよ。想像以上過ぎてびっくりした。


「建築家が凄いって言ってましたもんね。」


カインがそう言ってあれ!行ってみましょう!と指さした。




これは!メリーゴーランドっすね。




高校生にもなってとは思ったが懐かしいから乗るかー!


全員で並ぶ。


「凄い回ってますねー。」


「可愛いー!」


うんうん。ちゃんと馬も馬車もある。まさにメリーゴーランド。




順番が来て何に乗ろうかな!?やっぱり馬だな!


おー!懐かしい。上下にはまだ動かないのかあ。


王子の馬乗り姿が様になっているし似合いすぎて笑える。白馬に乗った王子様って言いたくなる。



「めちゃくちゃ恥ずかしいんだが。」


「ぷッ!ルイス似合ってるよー!」


ウケる。馬が小さく見えるよ。


ワルツの音楽がかかりメリーゴーランドが回り出す。メルヘンだなあ。


感想は様々で皆も楽しんだ様だ。




「よし!次行こう!」


何の乗り物があるかなー。




「ジェットコースターだわ!」


キャサリンが遠くを指さした。


「本当だ!木製コースター!いいねー!」


会長も乗る気満々。皆を引っ張って連れていく。




「ローラーコースターって書いてますよ?」


王子がキャサリンに言っている。


「そっか。ちょっと違うんだわ。」


「ジェットコースターは多分プラゲ国限定の言い方かもね?」


会長がうんうんと頷く。




ローラーコースターは勿論、それ程傾斜の無い子供遊園地くらいの絶叫マシンとは程遠い感じ。


スピードも車くらいは出る様で見ていると結構楽しそうだ。


他の生徒も並んでいて本当にアリア全員満喫中だ。




「わー!怖そう!」


順番待ちでクライスがそう言うとカインが大丈夫だろ?と馬鹿にしている。


「カイン。観覧車乗せますよ!」


「ぐっ・・・。待て!無茶だ。」


笑える。観覧車はカインに取っては最強の絶叫マシンだろう。




さあ、順番!コースターはほぼ木製で1部コンクリート造りかな?


椅子のシートベルトは落ちはしないだろうけどちょっと貧相だ。




いざ!今世初のローラーコースター!


ガッタンと音がなりカタカタと進んでいく。あれだな造りが心配で怖い感じ。


「ドキドキするー!」


「うんうん!このジワジワがドキドキですね!」


ジョージとエミリアが後ろで言っているのが聞こえる。ちなみに私とルイスは1番前。


コースターが1番上まで行きジワジワと・・・。


降りたー!!


体感は40キロ~60キロくらいかな?


「楽しー!」


「いーねー!!」




あっという間に終わってしまった。


ローラーコースターにハマった様でその後3回も並んでしまった。


日本みたいに1時間も2時間も並ばなくて良いから楽だったけど。




その後レストランで昼食をとる事にした。


「次、何処行きます?」


「大半面白そうなのは乗ったよね。」


遊園地のゲートで貰った園内の地図を見て相談中。


殆ど回らないコーヒーカップ、ミラーハウスは行ったし。


観覧車はカインが怖がるし。




「ここなんだろ?」


園の端の方にある。


「えーと?あー!アスレチックフィールドじゃないか?」


アーシェンバード語は何とか読める感じな私達。


「運動する所だね。」


「行く?」


そう言えばアリア学院には体育の授業が無い。体育の授業に割く時間が無いのか怪我させられないお金持ちが多いからなのか。時代的なものか?


あんまり考えたこと無かったなあ。




「行きますかー。やっぱり全制覇ですよね。」


王子がそう言うのでいざ!アスレチック!




園内は平日と言うこともあってアリア学院の生徒ばかりだ。


皆、本当に楽しそう。




「おお!想像以上!」


アスレチックもなかなかの作りだ。


制服でやるには限界がありそうだなあ。それでも遊びにかかる私達。


「うそ!網登るの?」


既にワタワタするジョージ。頑張れーと声をかける。




「すまない。誰か。ヘルプー!!!」


網を登り階段を上がり結構な高さだと気がついたカイン。


飛行船の時程では無いがこれ以上動けないと固まっている。




「カイン待ってろー!」


見守っていたルイスが動き出す。


で、そのままターザンロープまで連れて来た。


「待てこれは!拷問?!」


「いや。ターザンロープだって。」


それ程高くは無いんだけれどなあ。


小学生が遊ぶレベルだし。




先にターザンロープで降りた王子とクライス、会長が向こうで手を振っている。


「大丈夫でしたよー!カインおいでー!」


クライスが笑っている。




「私、やってみます!」


エミリアが先に挑戦。


シュルルルルーと下へ下っていく。


ちゃんと成功。


戻ってきたロープを掴む。その後キャサリンもチャレンジし私達だけ残った。


「やっと追いついたー!網嫌いー!」


ジョージがブツブツ言いながらターザンロープは楽しそう!とチャレンジ。




「あー!もう行くって!!」


意を決してカインがロープを掴む。


「あー!!!怖い怖い怖いこわーいー!!」


良かった。ここ園内の隅っこで。カインの叫びが響き渡る。


無事着地出来たカイン。はぁはぁ言っていたが


「結構・・・。楽しかった。」


と呟いた。もしかしたら少しは克服出来たかもしれないな。


私とルイスは片手離して楽しくターザンロープを堪能した。懐かしーい!




楽しかった遊園地も集合時間。


堪能しまくったアーシェンバード修学旅行。


明日、帰宅。

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