第279話パルドデア国コンサート後編

拍手、歓声の中で1番ハイテンションなのはアルマーニ王子。




「島唄行きますよー!」


王子がそう言うともう拍手で会場が揺れた。




三線の演奏が会場をうっとりさせる。


最初はスローに振られるペンライト。音楽が早くなると縦振りのノリになる会場のお客様方。


すげぇ。纏まっている。これを練習するための1時間30分前開場かな。




「ありがとうー!」


拍手と声援が本当に熱い!!


ステージに被り着く様にはしゃぐアルマーニ王子が1番熱い。




「ラスト3曲となりました。」


えーーーーー!!!!


おぉ。パルドデア国でも笑っていいとも現象頂きました。



「乾杯!!」


わー!!!とまた拍手が起こる。




カインの美声が会場を包み込む。


そして、アルマーニ王子がウルウルしている。


こっ・・・この曲も名曲だが驚きだ。




「ラスト前に新曲披露しますね!」


ジョージがマイクパフォーマンス。


キャーーー!!!と黄色い声援。ジョージ様ー!!




「世界に一つだけの花!!」




前奏から手拍子が綺麗に揃っている。




そして、感涙。




アーシェンバードのダミアン王子の為に考えた曲だけど誰の心にも響く曲だ。




「皆様、本当にありがとう!!」


「パルドデア国最高です!」


ウワー!!!!!と拍手と歓声が起こる。




「We are the world 行きますよー!」


全員で仲良く並ぶ。




会場は歓声と拍手で埋め尽くされた。




倒れる御令嬢は居なかったけれど、とても歓迎されていてそして歌の力は世界共通なんだと思わされた。




「皆様!!今日は本当にありがとう!!」


「またーーー!!」


会場に向かって手を振る。


拍手喝采と温かい声援。




緞帳が降りていく。鳴り止まない拍手が嬉しい。




「アンコール来るかな?」


緞帳って便利だな。マイクを切れば小声で話せる。


「アルマーニ王子にびっくりした。」


そうそれ!!!


皆で頷き合う。




アンコール!!!そう、第一声は噂のアルマーニ王子。


それに伴って会場からアンコールが巻き起こった。




「なんかさあ。アンコール1曲だけって申し訳無いねー。」


「だよねー。」


取り敢えず緞帳を上げてもらう。




ワッ!!!!と歓声が起こる。




「アンコールありがとうございます!」


拍手と歓声。泣いている人が沢山いるー!!


すげぇ。




「アンコール曲は新曲です!!」


おーーーー!!!歓声が凄い。




「my heart will go on聞いて下さい!!」




エミリアのフルートが響き渡る。


ルイスのヴァイオリンとジョージのチェロ、王子のピアノも美しい。


私も出だしは囁くように。


そして強く強く。皆でハモりを加えて。




歌い終わり沢山の拍手と感涙。すすり泣きが沢山聞こえる。


歓声と。




「ありがとう!!」




アルマーニ王子が涙を拭ってノネット!!と叫んだ。


会場はノネット!!ノネット!!鳴り止まないコールで会場が揺れた。




「本当にありがとうございました。」


皆でお辞儀。


歓声とやはりアンコール!




どうしようか?顔を見合わせる。


「リクエストありますか?アルマーニ王子!!」


会長が最前列で叫ぶアルマーニ王子に振った。


アルマーニ王子は一瞬凄く驚いた顔をした。でもその後めちゃくちゃ笑顔になって。




「島唄!!お願いします!」


と叫んだ。




「OK!皆行くよー!」


会長が手を上げると会場から拍手と声援が起こった。




アンコール2曲名島唄披露。




本当に楽しかった。




最後に挨拶をして緞帳が降りた。拍手が本当に気持ち良い。




終了の場内アナウンスが流れる。


それでもしばらく拍手は続いた。




「最高!!」


王子が感動したように両手を上げた。


うん!!本当に最高!!


皆でハイタッチとハグ。




「びっくりした!」


控え室へ向かう中で皆、しみじみそう言う。




「ファン凄かったね!」


「ペンライト綺麗でしたねー!」


ボードウェン国とは違った形のコンサートの盛り上がり。




「悪口では無いよ?」


会長が前置きをする。


「多分、パルドデアでは音楽が大したことないから本当にウケたんだと思う。うちの国の国民は耳が肥えてるし。」


あぁ。なるほど。と皆、納得していた。




「会長、ディスり過ぎー!」


キャサリンがクスクス笑う。ディス?会長とキャサリンしか意味が解っていなかった。


また平成用語だ。




控え室のドアがノックされる。


「失礼します。」


警護人のお兄さんだ。


「ジェファーソン様。どうやらファンクラブ?と言うものがあるようです。」




「ファンクラブー?!!!」


声が揃ってしまった。


ボードウェンにも無いのに?パルドデアで?




「凄いな。びっくりした。」


王子の呟きに皆で頷き合う。




「ロビーにてその。ファンクラブの集い?で記念撮影をされておりました。そのうち帰られるかとは思いますが。」


と警護人は真剣な顔での御報告。




「そりゃ暫く帰らないかもね。」


「握手会した方が良かったかなー?」


全く予想して居なかった。




「デイビス王子の面白いものが見れるってこれだったんですね。」


うんうん。そーだろう。




「撮影されてみましょうか?」


王子が乗り気。


「そう言うと思った!!」


それに関しては予想通り。



皆でそっとロビーに向かう。


結構な人数が残っているなあ。写真家まで来ての撮影。



イタズラ心がうずうずー!


「ルイス!行くぞ!」


ルイスも同じ思いなのかニヤっと笑う。



「はい!撮りますよー!!」


その合図に合わせて


ダッシュ!!


はいチーズ!!


並んだファンの横に無理矢理駆け込む私とルイスに


ファンがキャー!!と叫び並んだ列は崩れたが私とルイスは嬉しそうにカメラにピース!写真はとても面白い絵図になっただろう。


それを背後から皆が大笑いしている。



その後は歓迎されまくりだ。



アルマーニ王子がめちゃくちゃ照れたように握手を全員に求めて来てきた。昨日の城で良く我慢出来たなあ。


アンドレ王子とデイビス王子とも後で城で会うのに握手。



「兄がファンクラブ会長なんですよ。」


デイビス王子がふふふっと笑った。


叫びたい所を必死に抑える。




そして最後に写真撮影をして解散となった。

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