第275話ラジオ放送2日目&3日目

ラジオ放送2日目


昨日、ラジオ放送を国立管弦楽団のメンバーも結構な人数が聞いていた様で連絡をしたら出演希望者が多くジャンケンしたらしい。


「アレックスはジャンケン負けたんですよ。」


エミリアがいじけている。可哀想に。




打ち合わせをしていると楽団員の方々がやって来た。


「お久しぶりです!」


指揮者直々の出演かぁ。


「スミスさん!その節はありがとうございました!!」


私とルイスは駆け寄ってお礼を述べた。




「ラジオ聞きましたよ!何か凄い発明ですね。パルドデア国は本当に機械に強い国だ。」


スミスさんは昨日、本当にびっくりしたよと笑っていた。




スミスさんの他にはコンマスのベンジャミンさん。


ブルーさんのお仲間のマイケルさん。


そして第1ヴァイオリンのレオさんと言う豪華メンバーだ。


レオさんとベンジャミンさんは握手会の人気者らしい。




「全員来たがっていましたよ。」


マイケルさんがエミリアにジャンケン勝っちゃってごめんねと一声かけていた。エミリアは大丈夫ですよー!と笑顔になり楽しそうにフルート話をし始めた。


彼等も新しい事に興味はあるし自分達のレコードもかけて欲しい!と言う事だった。


勿論、将来的に1番組任せたいくらいだ。




打ち合わせを済ませスタート。






「こんにちは。ボードウェン国の皆様。」




皆で一緒に!




「ノネット・クライムです!!」




「さあ、本日もご視聴ありがとうございます。先ずはジョージよりお昼のニュースです。」


王子が紹介。


ジョージはふぅと深呼吸してニュースを読み上げる。




「以上です。では本日は特別ゲストが見えられてます!」


ジョージの合図と共に




「はい!本当に特別ゲストですよ!国立管弦楽団よりスミスさん、ベンジャミンさん、レオさん、マイケルさんです!!」


エミリアが原稿を読み上げる。




「皆様、こんにちは!国立管弦楽団指揮者スミスです。今日はお声をかけて頂きありがとうございます。」




「いえいえ。本当に来ていただけるとはありがとうございます。」


王子が御挨拶。


こう言う会話が聞けるのもラジオ放送の醍醐味。



「また共演したいですね。」


「そうですね。本当に国立管弦楽団の皆様からは学ぶ事がいっぱいです。」




「さて、国立管弦楽団からお知らせです。来月公演のチケットが明日から発売です!今回はバッハを予定しております。宜しく御願いします!」


ベンジャミンさんが宣伝。




「今日は我々のレコードもかけて頂けると言う事で。何にしようか迷ったんですよー!」


マイケルさんが曲紹介を始めた。




「では、ボードウェン国立管弦楽団でベートーヴェン交響曲第6番田園。」




演奏が流れている間は休憩。




「緊張しますねー!」


冷静なスミスさんがふぅと溜息をついた。何か珍しい。




「結構、神経使いますよね。」


慣れてくると楽しいトークが出来そうなのだがまだ皆、緊張か先立つ。




「頑張って雑談してみましょうか!」


会長がニッコリ笑って何事もチャレンジと言う。




曲が終わる。よし!頑張ろう!


会長「流石、良い演奏ですよねー。」




スミスさん「ありがとうございます。」




レオさん「何か不思議ですよね。こうやって話すのがラジオから流れているって。」




クライス「今、リアルタイムで流れているって本当に凄い発明だと思いますよ。」




ベンジャミンさん「今後、色んなニュースや音楽が流せる様になるんですよね。」



王子「家に居ながら聞けるって言う発想は今まで無かったですものねー。」



うんうん。ファン達が喜びそうな雑談だ。


本日の放送は雑談とノネットの曲をかけて終了。


明日も国立管弦楽団から誰か来てくれるらしい。





・・・・・・・・・・・・・・・・




ラジオ放送3日目




「ボードウェン国の皆様こんにちは!ラジオ放送のお時間です!」




「ノネット・クライムでーす!今日はお試し期間最終日となりました。」


「明日からは教会と家電取扱店のみで視聴が出来ますのでお間違え無いようにお願いします。」


王子と会長の挨拶とお知らせが終わり特に事件も無いが今日のニュースを一通り読み上げた。




「さて!今日も来てくれ居ます!国立管弦楽団の皆様!」


カインが声をかけるとブルーさんが




「どうも!国立管弦楽団より参りました。アレックスです!」


「マリーです!」「レオナルドです!」「バズでーす!」と交互にマイクに向かって御挨拶。




「嬉しいですねぇ。ご視聴の皆様も嬉しいし私も嬉しい!」


エミリアがそう言うと国立管弦楽団の方々はクスクスと笑い出した。


「エミリアちゃんは正直よねー。うふふ。」


マリーさんが笑うとエミリアはちょっと恥ずかしそうに


「もうマリーさん!からかわないで下さいよー。」


と言う本当に可愛い会話が続く。




こう言う雑談が生放送の醍醐味だな。




「本日は国立管弦楽団のチケット発売日ですね!」


カインが笑顔で話を振る。




「はい。定期公演今回も宜しく御願いします。バッハ良いですよー。」


「私も好きです。」


「僕もバッハは癒されるー!」




今日の国立管弦楽団メンバーは共演の時に仲良くなったのでつい話が弾んでしまう。




「ノネット・クライムは夏休みにパルドデア国で公演する事になりました!」


王子が御報告。




「パルドデアですかー。やっぱり海外公演って緊張しますよね!」


「国立管弦楽団でも緊張するんですねー。」




本日は完全に雑談三昧。



お互いのレコードをかけ1時間以上話してしまった。


予定は1時間放送だったけど。




「では、皆様!明日からは教会と家電取扱店のみでのラジオ視聴が出来ます。宜しく御願いします!」



3日間の実演販売終了!!



「お疲れ様でした!」


「何か凄く楽しかったー!」


3日目となると慣れたし沢山、雑談も出来たし。



上手くラジオが広まりますように。願うばかりだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る