第274話打ち合わせとラジオの評判

ラジオ局は新しくビルを建てずにマッケンジー家の空いていた3階建ての持ちビルを改装した。内装はまだ音響室とラジオ放送室以外は手付かずだ。


パルドデア国の様に近々また改装するらしい。


しかし、グレンさんやり手だなあ。ラジオ放送の権利取った様なものだ。




「ご飯何処行きます?」


「行きか帰りに教会寄りたい。大司教さんに反響聞きたいじゃん!」


確かに聞きたいですねーと意見も纏まり教会の近くのレストランへ向かう事になった。




本日はガッツリとイタリアン風レストラン。ピザ食べたい意見が多数。


「疲れた時は沢山食べたくなるよねー。」


「やっぱりピザ。」




個室にて食べながら話し合い。




「将来的にはラジオ放送を他にやる人を雇う事になるよね。」


会長はラジオ放送って殆どずっと流れているものなんだよと皆に説明する。




「コマーシャル!入れないと儲からないわ!」


「あー!確かにな。」


キャサリンの意見に私達は解ったがそうか。コマーシャルってこの世界まだ無いのか。


説明は会長が1番上手いので丸投げ。そうそう。流石会長。




「コマーシャル。。なるほど。解ったような解らないような。」


王子だけでなく皆も首を傾げる。




「例えば。国立管弦楽団のレコードが販売されるとするとその販売日や価格、曲目などをラジオ放送する。国立管弦楽団から放送手数料をいくらか貰う。それがコマーシャル。放送するだけで儲かる。」


会長が少し考えて説明すると


「画期的ですねー。頭良い!!」


と今度は納得してくれた。




「コマーシャルは別に何でも有りなんだよね。家電、車でもお店の紹介でも。」


うんうん。その事も今後考えていかなければね。




「明日もうちのレコード流します?」


「国立管弦楽団で暇な人いたらゲストに呼ぶとか?面白いかも!」


「声掛けてみましょうか?」


うん。本当に面白いかも。




「ニュースはまた新聞社から仕入れて、後は何か地方のイベントとかの情報あればまた面白いんだけどなあ。」


会長の意見に王子がいちいち納得している。




「そのうちリスナーからのハガキとかも欲しいよなあ。」


あれねー!と前世持ちだけ納得するのでまた説明。


多分、パルドデア国よりも直ぐに充実したラジオ放送が出来るようになると思う。楽しみだ。






「満腹だし、明日の原稿も出来たし!」


「行きますかー!」


店を出て大司教さんの元へ。




教会のコンサートも近々行わないとなあ。床も直ったし。




「こんにちはー。」


客間かな?大司教さんの姿が見当たら無い。




「大司教様、いらっしゃいますかー?」


ちょっと大きい声を出して見る。




やはり来客中だったのか奥の部屋から大司教さんは出てきた。


「おや!やはり様子見ですか?」


大司教さんは笑顔で迎えてくれた。




「来客中ですか?ちょっと見に来ただけだから大丈夫ですよ。」


王子は笑顔で私達の事は気になさらずと言った。




「来客と言うか。うーん?ちょっと違うかな。」


大司教さんは苦笑いしながらパトリック来てるんですよ。と小声で言った。


あー。なるほどと王子は冷めた様な笑い。




「今日集まったのは財閥や社長様方でしたね。まあ、高いですからねー。」


確かに。


「皆様、ラジオ自体にはそれは驚いていましたよ。」




「買ってやったぞ!!」


客間のドアから顔だけ見せてパトリックが一言。




「こら!パトリック!きちんと御挨拶するならして下さい。」


大司教お兄ちゃんが注意すると取り敢えず姿を見せてペコりと頭を下げた。




「一応、ガードナー家が高い方を1つお買い上げ。後の方々は迷われていましたね。また明日来ると言っておられました。」


大司教さんは未知の買い物ですからね即買いは難しいと言った。




「確かにそうですね。」


王子もそこは納得した様だ。




「もう少し盛り上げて行きますかね。買いたくなる様に。」


会長は考え込みながら頷く。




「購入者は少なくても放送回数を増やしたりしてお得感が必要でしょうね。」


大司教さんも何とか売れる方法を考えると言っている。




「すみません。もしラジオを小型化して安値にした場合は国交的には不味いですか?」


少しだけ近寄って来たパトリックがそう言った。




「出来るんですか?」


王子が質問すると




「もう1台購入して分解して見ようかと思っています。原理は解っていますが部品等を見たい。」


分解用に100万円か。すげぇな。




「半年から1年輸入したらパルドデア国も大丈夫だと思いますよ。」


王子がそう言うとパトリックは頷いた。


そして頭を下げてまた客間へ戻って行った。




「すみません。なかなか人見知りで。」


と大司教さんが上から目線か人見知りの2択しかないんですよね。と苦笑した。でも、可愛いんですよーと嬉しそう。




「先ずは3日間ですね。」


「国立管弦楽団に連絡します!」


「じゃ、私も!ブルーさんに電話しますね!」


と皆それぞれ盛り上がる様に考える。




明日の原稿をもう一度見直し本日は解散。

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