第262話閑話 誰?!
ラブレター?ファンレター?まさかのルナリーで言う所の果たし状?
兎に角、呼び出しの手紙が学校の自分の机の中に入っていた。
ジェファーソンにバレたくないのでルナリーを誘って着いて来てもらう事にした。
「ごめんねー。何か解らないから1人じゃ行きたくなくて。」
呼び出された場所も放課後の中庭で人気が無いとこだし。
「ラブレターかなあ?ファンレターにしてもあれじゃん!ストーカーだったら困るし。そこは私が何かあったら倒すからさ!」
ルナリーは任せとけー!と拳を振り上げる。
うん。ちょっとそれもあってのルナリーだ。
この国のファンはマナーが良いから今までこんな手紙すら貰った事ないし校内でも皆、普通に接してくれるんだけど。
「しかし誰だろうな。」
差し出し人の名前が無かったから無視しても良かったんだけど後々恨まれたくない。
やはりビビりな自分。
2人で中庭のベンチに座っていると1人の生徒がやって来た。
「お呼びだてしてすみません。あれルナリーさんも連れて来られたんですね。」
その生徒は1年生男子。ファン?にしてはノリが違う。
誰??
何処かで見た事あるんだけど。
「お久しぶりですフラーム様。パトリック・ガードナーです。」
「あっ。お久しぶりです。ガードナー様。」
立ち上がってお辞儀をする。
そうだー!!ガードナー家の長男だ!!うわっ!姉の恨み?!
「ガードナー様?あー弟さんか。」
ルナリーも立ち上がって頭を下げた。
「その節は姉がお世話になりました。」
うっ。。恨まれてる?
「いえ。あの此方こそすみません。」
取り敢えず謝っておこう。
「別に恨み事を言いに来た訳では無いですよ。」
パトリックはフフっと笑った。
「果たし状じゃないなら告白か?それなら王子と婚約してるから無理だぞ。」
ルナリーは首を傾げながら彼に問う。
「本当は約2年前?のジェファーソン様の誕生日直後にお話しても良かったのですが。何せ記憶が曖昧で。色々思い出すのに今日まで掛かってしまいました。」
パトリックはニヤリと企んだ様な笑みを浮かべる。
記憶・・・・。もしかして・・・。
「本題です。回りくどいのは嫌いなので。ジェファーソン様と婚約破棄して下さい。」
「はー?何言ってる!!」
ルナリーがギロりとパトリックを睨みつける。
「そして、俺と結婚しましょう。」
パトリックはルナリーを無視して話を続ける。
「ちょっと待って下さい!そんな無茶を!」
余りの唐突な話に唖然としてしまう。
「ジェファーソン様やノネット・クライムメンバーにバラされたくないでしょ?前世の事。」
自分の顔が青ざめるのが解る。ルナリーもそう言われて掴みかかろうとした手を止めた。
「ジェファーソン様の誕生日パーティーで披露した曲はドリカム。他にもミサコンサートやコンサート、レコードまで。懐かしい曲ばかりでしたよ?」
「前世の話、ノネットメンバーにバラされたくないでしょ?」
パトリックはクスクス笑う。
今まで前世仲間って意気投合して仲良くなるものだと思っていた・・・・・。
脅されたのは初めてだ。
「あの日ドリカムを聞いて記憶が戻ってからキャサリンさんとルナリーさんは前世日本人って確定しました。姉の話を聞く限りではルナリーさんは元ヤン確定。ルイス君はどうかな?怪しいけど。」
ダメだ。。ショックで頭が回らない。
「ガードナー家とフラーム家が結婚して締結したらそれは大きい組織を作り上げられる。俺の知識があればボードウェンを世界一の経済大国に出来るでしょう。」
「お前クソだな。王子が婚約破棄する訳ないだろ?」
落ち着いたのかルナリーがパトリックに食ってかかった。
「だからキャサリンさんから破棄して下さい。大丈夫ですよ。第2王子に嫁ぐよりガードナー家の方が将来有望ですよ?」
「お前なあ!!」
殴りかかろうとするルナリーを必死で止めた。
「ダメ!ガードナー家は本当に権力者だから。それにバラされたくない!!」
ルナリーは私の方までギロりと睨みつけたが此処はどうにかしないと。
「御願い!!」
「卒業まで待ちますから。まあ、気長にね!」
パトリックはニヤリと企んだ様な笑みを浮かべる。
「バラしたらお前も前世日本人ってバレるじゃん?」
ルナリーが蔑む様にパトリックを見た。
「別にー?ノネット・クライムメンバーにバレるの怖くないですから。あははは。全く元ヤンって疲れる。」
また暴れだそうとするルナリーを必死に止める。
パトリックは笑いながら去っていった。
「本当にねえ!ルナリー!考えなきゃ!」
ルナリーの肩を揺さぶる。
「確かに困ったな。脅すか?結構肝は座ってたから無理かな。最終的に殺すか・・・。」
ルナリーが物騒な事を口走るので本当に落ち着いて!と訴える。
婚約破棄してパトリックと結婚・・・。嫌だ・・。でも、この世界はアリラブってゲームの世界なんだって言うの?
皆に?気持ち悪いって思うよね。信じられる訳ないよね。私達のこと。
あの日、歌ったからだ。ジェファーソンの誕生日にHappyHappyBirthdayを歌おうと言い出したのは自分だ。
「こら!自分が犠牲になろうとしてるだろ?」
ルナリーに突っ込みを入れられて我に帰る。
「あの日の原因は私とルイスだ。社長令嬢に絡まれたのが悪い。兎に角、何か考えよう。」
最終的には私が何とかする。またルナリーは怖い事を言い出す。
卒業までに・・・。
「練習後に話し合いしたい。」
巻き込みたくないけれど助けて貰わないと。
ルナリーは教会集合とボソッと呟く。
ルナリーの件も調べたって言ってたし表立てないわよね。気をつけないと。
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