第255話閃かない時は大司教様を頼る

朝からまだ改修工事中の国立教会へ出向く。


大司教様に相談するためだ。




やっぱり彼の方がハイスペック。それを表立って披露できないのが残念だ。




「おはようございます!」


礼拝堂には朝の礼拝中の大司教様が居た。




「おや。ケビン君。おはようございます!」


「床、もう少しですね。」


後少しと言った所だ。椅子席部分はもう完成している。


来月にはコンサート出来るかも。


「後、少しですね。今日はどうしました?」




「大司教様。ドラムが欲しいです!」


太鼓はあるんだしいけるんじゃないかと思っていた。




大司教様はうんうんと頷いて


「やはりギターの次はドラム欲しくなりますよね。問題は構造か。」


流石に大司教様も現物は覚えているが経験が無いそうだ。


「小太鼓の組み合わせと足元のドラムとシンバルと。」


一緒に絵に書いて見る。




「こう、これを設置?している枠組みがいりますよね。」


ですよねー。と悩む。ドラムがあると音楽がまた変わる。


これは今後必要だ。




「取り敢えず、職人と話してみますよ。それだけですか?」


僕の気持ちを察したのか大司教様はニッコリと微笑む。




「ジョージとエミリアの個人曲が閃かないんですー。」


半分愚痴だ。




「可愛い子組ですねー。うん。確かに難題だな。」


大司教様も悩むなあと首を捻る。




「ケビン君って前世は?若者でした?言いたくないなら大丈夫ですよ。」


実は誰にもその辺は話していない。




「そこそこ年取ってましたよ。バブル経済崩壊辺り生まれです。」


何となく大司教様には話してしまう。自分より大人だからかな。


「バブル崩壊の真っ只中か。日本経済が1番苦しい時期でしたね。」


しみじみとそう言われた。




「エミリアはダンスがしたいらしくジョージは可愛い系で良いと言っているんですけどね。」


イマイチ何かピンとくる曲が出ない!結構、古い曲も聞いていたんだけどなあ。




「ソロってところで悩みますよね。ダンスはグループのイメージが強いし。」


そこなんですよ!と礼拝堂の机に突っ伏す。


「しかも、僕が知ってるダンスである必要があるんです!」


曲は解るけれどダンスの記憶が無い。




「そうか!ダンスも教えないといけないのか。振り付け覚えている曲かー。」


大司教様も頭を抱える。




「もう自由に踊らせてみた方が良いのかなあ。」


普通に可愛い系の曲を歌って貰うか。




「ケビン君。ダンスってやはりちょっと問題ありますね。」


大司教様が考えながら難しい顔をした。


「あれですよ。ピンマイクが無いから余り動く振り付けが出来ないでしょ?片手はマイク又はマイクスタンド。」




その通りだ。あー益々難しくなった。名曲は沢山ある。しかし、踊れない。




「ジョージ君とエミリアさんでWinkとかどうですか?」


大司教様が笑いながら言った。振り付け覚えてますよ、宴会でやりましたから!と言う。




「ソロじゃ無いのが可哀想かなあ。」


ジョージのWink可愛い気もするが。




「あやや!踊れませんか?松浦〇弥!」


大司教様がパンと手を打った。




「あー!あー!行けますね!!記憶にあります!」


ソロだし可愛いし。


それで考えます!と決まり後はジョージっと。




「ジョージ君か。可愛い系の曲。これもまた悩みますね。」


2人で記憶辿り中。。




「男性曲じゃなくて女子の曲が可愛いですかね?」


脳内混乱・・・。




「キンキ? Kin〇i Kidsとかどうです?」


それクライスと2人でやらせたい感じですねー。と答える。




「ついでにルイスとカインってどんな曲向いてますかね?」


もう頼りまくりだが1番詳しいんだよね。




「ルイス君のイメージって布袋〇泰さんじゃないですか?身長とか。吉川〇司さんでもいいかもなあ。」


「あっ。言えてる。」


そのままで行けるかもな。POISONとかスリルとか?モニカとか?なら聞いた事あるな。




「カイン君の声かー。湘南〇風?それもラップパート。」


「流石にこの国には早いですよね。僕もラップが1番合うと思っているんですがね。」


1度考えたイメージが壊せない。




「ヤバい。そろそろ学校行かないと!」


長居しまくった。


「私も考えておきますよ。」


大司教様も改修工事中は何時もより暇らしい。助かります!と告げて学校へ向かう。






「1時間も居たのか。もう皆来てるよな。」


急いでレッスンルームへ。結局、エミリアのしか決まらなかったなあ。




「おはよー!ごめん。遅れた!」


レッスンルームでは机でノートを広げる皆。




「おはよー!曲作ってたぞ!」


ルナリーがノートを此方に持ってきて見せる。


「カイン用かなって。」


歌詞を見る。




「これは?昴?!」


ルナリーの耳元で囁く。ルナリーは頷き谷村〇司!と言った。


音程がピッタリ過ぎる!!素晴らしい!全然思いつかなかった!


ちょっと渋いけど良いね!


感動でルナリーに女性として抱きつきたくなったが止めておこう。


「流石やるねー!うんうん。」


僕はラップしか思いつかなかったと言うとルナリーはサランラップ?と首を傾げた。


違う・・・・。


笑いを堪えながら今度ゆっくり説明すると小声で伝えた。




皆、真剣にノートに向かっていて嬉しい。


僕も席に着く。エミリアの曲考えよう。




そうこうしているとパルドデア大使館へ行っていたジェファーソンがやって来た。

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