第237話コンサートの曲順が決まりました
朝目覚めるとルイスが私の寝顔を堪能していた様だ。
「おはよ。」
「おはよう。」
一緒に起きる朝って幸せだ。
「ルナリー、今日も泊まるだろ?」
「うん。土日は基本ルイスと一緒に居るよ。」
そう言うとルイスは嬉しそうな笑顔を見せる。
「学校行くか!」
練習せねばならない!
「おー!打倒アーシェンバード皇太子!」
2人でベッドから飛び起きる。
急いで朝食を済ませて学校へ。ちなみにグレンさんとローズさんはまだ寝てた。多分、二日酔いだろう。
「誰か来てるかな?」
「ちょっと早いけどなあー。」
レッスンルームに入ると会長とキャサリンが来ていて座って居た。ノート広げて何やら取り決め中だったようだ。
「おはよー!マッケンジー夫妻!」
「おはよ!お泊まりしたのねー!」
2人してニヤニヤと冷やかし気味。
「冷やかすな。恥ずかしい。」
そう言うと益々嬉しそう。
気持ちは解るがな。
私達も席につき会長のノートを眺める。曲の順番決めかぁ。
「あっ。ルナリー昨日の親父の話、2人には話しとくか?」
ルイスが良いと言うならそれは話しておく方が良いだろう。
「うん。あくまでルイスのお義父さんの考えだけどな。」
会長とキャサリンにグレンさんの思っている事を話す。
口止めはされたけど良きアイデアが閃くかもしれない。
「確かに。皇太子はアーシェンバードの王にも王妃にも似てないのよね。」
キャサリンは頷いた。
「コンプレックスか。有り得る話だね。」
会長は目を細めてちょっと難しい顔をした。
「何せ攻略対象者達はイケメンだからねー。キャサリン、もしかして向こうの王様って金髪碧眼?」
会長が聞くとキャサリンは大きく首を縦に振る。
「そうそう!髪と目の色だけ見るとジェファーソンがアーシェンバード王に似てる感じがするわ。」
キャサリンの一言でもう原因はそれにしか思えなくなってきた。
会長が持っていたペンをクルクルさせながらコンプレックスかあ。と考え出した。
ペン回しは考え事中の会長の癖だなあ。
「世界に一つだけの花。だな。」
会長がそう言うとキャサリンがめっちゃピッタリ!!と拍手する。
「歌で王子達の仲も解決しようかね。」
会長は名曲だよー!と歌詞を書いて見せてくれた。
「うわー。これは誰が聞いても癒されるな。」
「元気や希望を持てる曲だなあ。」
ルイスと私は頷く。会長が曲自体も難しくないからと主旋律をサラサラと書き込んでいく。
「男性だけでこの曲は歌うかな。」
「おはよー!」
「おはよう。皆、早いねー。」
カインとジョージが仲良く入って来た。会長、また新作?!と楽譜を書いている会長の元へ集まる。
「歌詞が良いねー。We are the worldと続けて歌ったら観客がめっちゃ泣きそう!」
会長はそうだろ?とジョージに言われて上機嫌。
「おはよう!もう作業中?」
「おはようございます。昨日はすみませんでした。」
「おはようございまーす!」
クライス、王子、エミリアとレッスンルームに入って来る。
「さてと、全員揃った所で新曲っと。」
会長が《世界に一つだけの花》をまだ主旋律だけねと言いながら見せた。
王子もクライスも軽く口ずさみながら
「歌いやすくて歌詞が優しいですねー。」
「何か心が温まる。」
と微笑みながら感想を述べた。
本当に良い曲だがこう言う曲が流行っていた平成は少々生きにくい時代だったのかもなあとも思える。
「曲は出揃ったので順番を決めよう。僕はお客さんが泣く可能性を考えて《We are the world》と《世界に一つだけの花》はラストに続けて持っていこうと思っている。」
会長の発言に皆も納得している。
うちの国民、感受性豊かだからなあ。
「Jupiterが最初でしょ?次はどうします?」
皇太子の掴みはこれで良しとして。
「アンコールはmy heart will go onと?何か?」
あーでもない。こーでもない。こうしようか?と話し合いに熱が入る。
①Jupiter(キャサリン、ルナリー、エミリア)
②万里の河(カイン、ルイス)
③ネバーエンディングストーリー(会長、エミリア、ルナリー)
④ヴァージニティー(キャサリン)
⑤大都会(会長、クライス)
⑥千本桜 (キャサリン)
⑦Missing (ジェファーソン)
⑧仮面舞踏会(クライス、ジョージ、カイン)
⑨ラブストーリーは突然に(クライス)
⑩愛は勝つ(男性メインのほぼ全員)
⑪世界に一つだけの花(男性全員)
⑫We are the world(全員)
アンコール
①島唄(カイン、会長)
②my heart will go on(ルナリー、クライス、カイン、会長、キャサリン)
()はメインの歌い手。
「うん!OK!!」
会長が決まったー!と嬉しそう。
ジョージ、ルイス、エミリアの歌メインは少ないが彼らは楽器での参加がやはり多い。特に今回はギターも登場するしね。
「皇太子との対決なのに王子が少ないよなあ?」
そう思ったんだが王子はあまり歌い過ぎると煽る事になりそうだから僕は個人曲だけで充分です!と言った。
後は練習あるのみだ。
歌も楽器もダンスもね。
会長は練習しながらも次回の個人曲はどうしようかなー等と言っている。本当に働き者だ。
上手く行きますように。そして。チケット完売しますように。
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