第218話ぱんだふるー♪
冬休みが終わる前日。
ついにこの日がやって来たー!!!
ジャイアントパンダ来たる!
実は数日前にはボードウェン国に来ていたらしいが着いた当日は慣れないしパンダも可哀想だからね。
当初、餌はどうするのかと思っていたがこの国にも竹林があった。やっぱりゲーム作ったのが日本人だからかな。そこの所の詳細は解らないが王都から飛行船で1時間30分くらいの市にあるそうだ。
という事はタケノコも食べれるよな?煮物が食べたい。。
と考え事をしていたら飛行船が間もなく動物園があるチエッタへ到着すると言う。
「ちょっと!姐さんボーッとしないでー!くるくる来る!たーすーけーてー!」
カインの事忘れていた。
乗った時に既にアレクサンダー王子とヴァイオレット様には醜態がバレてしまっている。気の毒だ。
「ルイス。頑張ろか。」
ルイスが笑いを堪えていて全然睨めていない。
パンダの為だ頑張ろう。
「こら!黙れ!カイン!!」
見下すようにひと睨み。
「ダサいぞ生徒会長!」
ルイスもガン飛ばしてくれている。
無事着陸。
「久々ー。もう姐さんもルイスも何時もこのくらい気合い入れてよ!」
カイン、着いて落ち着いた途端煩い。
気を取り直して動物園へレッツゴー!
本日のメンバーはノネット・クライム全員、アレクサンダー王子、ヴァイオレット様、グレンさん、ローズさんで向っている。
大司教さんが来れないのが気の毒だ。忙しいらしい。
「俺に感謝しろよ?」
グレンさんがニヤっと笑ってアレクサンダー王子を見る。
「本当にありがとうございます。もう、嬉しくて仕方ないです!」
確かに咄嗟の交渉はグレンさんの機転だ。
動物園は開園しているがパンダ舎はまだ未公開。
私達だけ先取りで見学が出来ると言う何てテンションが上がる特権。
デルソリア国との話し合いでパンダ舎の形態は自然に近い感じで作られていた。ガラス張りでパンダへ触れる事は出来ない作り。
パンダが遊ぶタイヤ等の遊具もある。
飼育員さんが早速連れてきた。
「可愛い!!!!」
皆の声が揃う。
年齢は1才。まだまだ子供のパンダが2頭。
「めちゃくちゃ可愛い!!」
アレクサンダー王子の目がキラキラしている。本当に動物好きなんだな。ヴァイオレット様も同じくキラキラ。似た者なんだな。
「ちょっと、ルナリー!!可愛すぎるわよ!」
キャサリンが横でパシパシと肩を叩く。興奮し過ぎだって。
ガラスに指紋がベタベタ付くくらい皆、パンダを見つめてベッタリだ。
勿論、私も。
笹を食べる。転がる。2頭でじゃれ合う。また転がる。
ヤバい、何時までも見ていられる!!
「可愛いねー。」
「もふもふ。」
皆も一緒。思いも同じだ。
「皆様、交代でパンダ舎へどうぞ。」
そんな時に背後から飼育員さんの声がした。
「本当ですか!!!?」
アレクサンダー王子が飼育員さんに食い入るように詰め寄っている。
「どうぞ。10分交代でお願いしますね。」
勿論、真っ先に入ったのはアレクサンダー王子、ヴァイオレット様。キャサリンと王子で入っていった。
「本当に楽しそうだなあ。」
触れ合って幸せそうな4人を見るのも何か微笑ましい。
「よーしよしよし!可愛いですねー。」
アレクサンダー王子がパンダを優しく撫でている。
これは!ムツゴロウさん?!
アレクサンダー王子の私の中でのあだ名は確定だ。
うん。やっぱりムツゴロウさんだ。この人、ライオンに噛まれてもライオン好きそうだし。
10分間とは短いもので直ぐに交代。
クライス、カイン、会長、ジョージ、エミリアが交代で入っていった。
「めちゃくちゃ可愛い!!」
「パンダちゃん!何て可愛いんでしょう!」
ジョージとエミリアがパンダと戯れる。可愛さが倍増。
戻って来た王子達は夢の中に居るように微笑んでいる。
「ルナリー!最高よ!」
キャサリンが幸せそうな微笑みを見せる。
「良かったなあ。」
そして私達もパンダ舎へ。
「おー!初!生パンダ!」
グレンさんが嬉しそうにパンダに向かう。
コロリん。意味もなく転がるパンダにローズさんの微笑みも止まらない。
「ヤバい。可愛い。」
パンダ舎に座り込む。
膝に乗ってきたぞーー!!
ちょっと痛いけど。やはり熊なんだな。
「可愛い。」
「触れる日が来るとは思わなかったなあ。」
ルイスとしみじみとパンダを愛でる。
「結構、重いな。」
膝に乗った体感で20~30キロはありそうだ。
そしてあっという間に10分経過。
名残惜しいーー!
パンダ舎を出てから飼育員さんにしっかり御礼を言った。
その後、動物園の園長さんと王子2人が挨拶と話をして本日のパンダ鑑賞会は終了した。
他の動物も見て回ったがアレクサンダー王子はやはりムツゴロウさんの様だった。
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