第214話デートは高級レストランの個室で・・

高級レストランの個室に案内される。




警護人から距離を取りたい時のジェファーソンの考え。




良かった。何かこの前ルナリーとそう言う話したからジェファーソンの部屋に招待されたら凄く意識してしまう所だった。




「最近、警護が厳しくなっちゃったからこう言うの落ち着くよ。」


ジェファーソンがニッコリと御機嫌。


「勘違いだったけど誘拐未遂事件でしたもんね。」


あの日から本当に警護人が1人増えた。




子供の頃から警護人って空気みたいな感じで育って来たけど2人っきりになれないって言うのはこう言う時は辛い。




「個室って良いですよね。」


「そーだよねー。キャサリンとゆっくり話せるし。」


ノンアルコールシャンパンで乾杯。




「ミサコンサートの曲って良い曲だよね。ごめんね。ジャイアントパンダの話とか進めるので忙しくて、全然曲作りに参加する暇なかったよ。」


「ジャイアントパンダ凄く楽しみなので大丈夫ですよ!」


そう言うとジェファーソンは僕も楽しみ!と本当に子供の様に無邪気に笑った。




「年明けたらパンダ来るから!皆で見に行こうね!」


「やったあ!」


某有名動物園でもなかなかゆっくり見れなかったパンダちゃん。めちゃくちゃ楽しみ!!


私が喜ぶとジェファーソンも嬉しそう。




「1番テンション上がってるのは兄かもしれないけどね。」


ジェファーソンは思い出した様に笑う。


「アレクサンダー様は動物好きですもんねー。」


「兄の部屋は動物図鑑だらけだよ。光国殿達が帰った翌日からデルソリアに早く連絡しろって煩くてねー。」


とちょっとした暴露。


「そうだったのね。何か想像ついちゃう。」


「結構、向こうの王族の人も優しかったよ。治安が良ければ国交しても良いんだけれど。」


前世で言う外国の国のイメージのまんまの国っぽいデルソリア。治安が悪い国はやっぱりちょっと怖い。




メインディッシュも食べ終わりデザートとコーヒー。


そろそろ渡そうかしら。




「あのね。ジェファーソン、クリスマスプレゼントがあるの。」


手荷物多かったから多分バレてると思うけれどね。




「僕もプレゼントがありますよ!」


ジェファーソンもその話になるのを待っていたかの様に満面の笑み。




「プレゼントって悩むよね。本当にこれで喜んでくれるか自信が無いし。でも、キャサリンを思って考えるのが不思議とワクワクした。」


ジェファーソンが照れた様に渡してきた。




「あの、私も。凄く悩んで。上手く出来てないんだけど!はい!!ダメだったら捨てて良いから!」


何か前世の気分で手編みって良いかと思って編んだけど。一国の王子様なのよね。。




「開けるね!」


ジェファーソンがラッピングを解く。


私も箱のリボンを解いて箱を開ける。




何だろう。ドキドキ。


えー!!


「ティアラ。。」


めちゃくちゃ宝石付いてるし。高い!どうしよう!!


私の編んだベストは毛糸代だけだよー!!




「気に入らなかった?」


ジェファーソンがラッピングのリボンを解いている手を止めて不安そうに聞いてきた。


「嬉しい。でも、こんな高価な物を。あの。私。」


恥ずかしくなってきた。私、財閥令嬢なのよ。何しているんだろう。


「キャサリン?どうしようごめん。嫌なら何か違う物を!!」


狼狽える私にジェファーソンが勘違いして立ち上がる。




「違う!あの。そのプレゼント取り敢えず開けて下さい。」


ジェファーソンは不安そうにプレゼントを開けた。




ベストは無難な紺色にした。難しい模様何て編めなかった。シンプルなVネックのベストだ。


ベストを見たジェファーソンが固まっている。


目をパチパチさせて手に取った。




「もしかして!もしかして!!」


タグが無いのを確認している。


「手編み!?」


ジェファーソンが私に詰め寄る。


「はっはい。あのだから、ちょっとプレゼントが釣り合わなくて御免なさい。」




そう言った瞬間に抱き締められた。




「キャサリン!キャサリン!キャサリン!」


「はっはい!」




苦しいくらいにギュっと抱き締められる。


「ジェファーソン?」




涙目のジェファーソンと目が合う。


「ごめん。感動してしまって。」


慌てた様にジェファーソンは目を擦る。




「着て良い?良いよね?」


返事をする間もなく制服の上着をサッと脱いでベストを着る。




「めちゃくちゃ嬉しい。。」


感動した様に目を閉じて天井を見上げるジェファーソン。




良かった。喜んでくれてる。


「頑張って良かった。」


「ティアラ嬉しいの!でもね!値段が違い過ぎて狼狽えてしまったの。」


正直に思ってる事を告げるとまたギュっと抱き締められる。




「僕の方が恥ずかしいよ。こんなキャサリンが頑張って作ってくれた物に対して宝石何て在り来りだよね。」




「ううん。嬉しい。だってお妃様になるみたいな感じするし。」




ティアラってそう言う物だし。婚約指輪と言いティアラと言い結婚しましょうと言われているとしか思えない品物だ。




そっと抱き締めていた手を離してジェファーソンが私の手を取る。




「卒業したら結婚して下さい。」




ゴクリと唾を飲み込んだ。




「はい。」




改めてきちんと言われた。今度は私の目に涙が溢れる。




「キャサリン!大好きだよ!」


抱き締められて涙が伝う頬にチュッとキスをされる。


自然と笑顔が溢れてしまう。




「ジェファーソン、大好き!」




レストランの個室だけど


熱いキスをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る