第212話クリスマスイブはデートです♪

クリスマスイブ。


本日は午前中だけ練習をして午後はデート!!



「僕らは帰宅しますか?何処か行きますか?」


会長がクライス達に呼びかける。


「昼ご飯行きましょう!」


カインが独り者達で行きますよ!と言うと4人はレッツゴーと昼ご飯へ行く事にした様だ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




今日はちょっとお洒落なレストランで昼ご飯にした。




「メリークリスマスイブー!」


クライスがノンアルコールシャンパンで乾杯の音頭をとる。




「何だよ。メリークリスマスイブって。」


思わずツッコミを入れた。



「楽しいければ良いよねー。」


ジョージが炭酸美味しいと飲み干す。


僕はアルコールでも良いんだけど。酔うと困るから止めとこう。



「会長達が考えたクリスマスミサコンサートの曲良いですよねー。」


カインがしみじみと言う。


「明日が楽しみですね。」


うんうん。何とか決まって本当に良かった。



「まあ、失恋した事ないんだけどね。」


クライスがパスタを食べながらそう言うと皆、確かにと笑う。


「恋愛もね。。会長以外。」


視線が刺さる。



「会長はふったの?ふられたの?」


おぉう。聞かれたくなかったな。


3人が興味津々で見つめてくる。



「色々あって。お別れさせて貰いました。。」


記憶が戻ってしまったせいだとは言えない。女性も好きだけど取り敢えずそのまま付き合って行く自信が無くなった。一旦リセットしたかったのが本音。



「ふったんだ?!会長が。」


「何で?知りたいなー!」


ジョージもクライスも意地悪だー!


何と誤魔化すか。


「性格が合わなかったんだよね。」


妥当な所かな。



「そっかー。やはり性格が合うって大事ですよね。」


カインがうんうんと頷く。



「長く付き合うには中身が大事だよ。見た目が綺麗にこしたことないけどね。」


僕がそう言うと皆も頷く。


「しかし、みんな彼女欲しく無いって言ってたけど?欲しくなったの?」


気になる。。特にクライス。




「欲しくなーい!会長の過去話が聞きたいだけー!」


「僕もでーす!」


「同じく!」


全く困った子達だ。



「教えなーい!」


意地悪そうに言うとぷっくり膨れる頬っぺが可愛い。


ダメだな。彼等より可愛い女の子が今後現れるんだろうか。


僕の先行きが不安だよ。。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「お待たせしました!」


校門前にアレックスが車で迎えに来てくれていた。




「大丈夫だよ。」


アレックスが優しく微笑んでくれる。




クリスマスイブにデート出来るなんて幸せ。




「ご飯食べに行こうか?」


「はい。練習したらお腹空きました!」


僕も練習でお腹ペコペコと笑いながら車を走らせる。




街のちょっと高いレストラン!


緊張するなあ。




そう思って店に入ると。。


げっ!!いや、良いのよ。恥ずかしいだけ!




「あれ?ノネットの皆だね?」


アレックスも被っちゃたなーと言う顔をした。




しかも見つかると言う。




「エミリア?」


ジョージが手を振る。まーいいか!


「皆もここにしたのね!」




「ああ。クリスマスイブだしちょっとリッチに。」


「ごめんね。デートの邪魔はしないから!」


クライスと会長が笑顔で言う。




「気にしないで邪魔しても良いですよー。」


アレックスがクスクスと笑う。


私もつられて笑いが出る。ちょっと彼等だけの時の会話も聞きたくなってしまった。




隣の席が空いてたのでそこに座らせて貰った。




「明日のミサコンサート楽しみにしてるね!」


今回もスミスさん達と来てくれるらしい。




「頑張ります!」


「僕らも頑張ります!今回は男性ユニットでも歌いますからねー。」


カインがニヤっと笑う。




「ダメよ。本番のお楽しみなんだから!」


あー。しまったと言う顔をするカイン。




さて、さっきの続きをやっぱり聞かせてもらいますよーとクライスが会長に詰め寄っていた。


どうやら会長の過去の付き合った話みたいだ。




横で聞いてて面白い。会長が詰め寄られる何て珍しい。




「仲良しだねー。」


アレックスが微笑む。


「楽団メンバーも仲良しですもんね。」




「うん。何か音楽で芽生える友情って深いよね。」


「そうなんですよね。」


楽団メンバーは親友であり良きライバルだとアレックスは何時も言う。


フルートは2名~4名体制でやる事が多い。だから選ばれない楽曲の時もある。


「スミスさん厳しいからねー。選ばれると本当に嬉しい。」


「アレックスは殆ど出てると思う。凄い!」


努力してるから!と笑う。本当に努力家でかっこいい。




「じゃ、僕らは帰りまーす!」


先に来ていた彼等は帰ると言ってまた明日と手を振った。




「やっぱり4人ともカッコいいよね。」


アレックスがボソッと呟いた。


「御令嬢にモテモテですよ。」


だろうねぇ。と言いながら


「エミリアが取られなくて良かった!」


とまた呟いた。


「アレックス。。」


照れる。。


「私も楽団員のお姉さん方に取られなくて良かったです。」


本当にそう思う。皆、綺麗な方々だし。




「エミリア。はい!」


アレックスがクリスマスプレゼントと小さな箱をくれた。




私もクリスマスプレゼントは用意してた。


「はい!アレックス!」




中身は可愛いペンダント。高そう!!


凄く嬉しい!!




「ありがとう。凄く嬉しい!」




「わー!!これ!!」


アレックスが目を丸くした後に満面の笑み。


この前、光国殿から買ったんだ。


「神楽笛にしました!」




「凄く欲しかった!!嬉しい!!」


アレックスは今すぐ吹きたいのを我慢している様に見えた。




帰りの車の中でアレックスの神楽笛を聞く。


あぁ凄い。初めて吹くのにやっぱり上手い。心に染みるプラゲ国の笛の音だ。




ありがとう!そう言って人生2度目のキスをした。


最高のイブだった。

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