第202話もふもふで幸せ!と思いきや事件です

まさかあるとは思わなかった。


列車のVIP車両に乗り行き先は動物園!!


この時代にあったのか。それともうちの国だけなのか。


ボードウェン国も広いからな。




飛行船で行くと直ぐに着くらしいが。


「絶対に嫌だー!!!!」


とカインが大反対。そうなるよな。




「おめでとうカイン生徒会長!」


「飛行船に乗る所を他の生徒に見られる可能性が無くなったよね。」


皆、本当に良かったと言いながらカインを生暖かく見守っていた。




「そうか。恐怖症であったなあ。」


「この前頑張って睨んで見ましたが無理でしたね。」


光国さんも夏目さんも列車の旅も良いぞとのほほんとしている。




「皆、酷い!本当に怖いんだから!」


カイン1人ブーたれている。


2時間ほどで目的地のチエッタと言う市に着いた。






平日なので来場者はちらほら。土日は凄く混んでいるそうだ。




「動物好きだっけ?」


「うん。ルイスは?」


俺も好きだなあ。と話ながら入場。




ゲートを潜ると綺麗な羽のオウム?ヨウム?が木に止まっていた。


「美しい鳥じゃな!嘴が大きいのう!」


「これ、飛んで行かないんですか?」


羽を切って遠くに飛ばない様にしてあるようで放し飼いにしてある。しかも、喋る!!


王子以外は動物園が初だった様で図鑑でしか見た事が無い動物達に興味津々だ。




「これ!図鑑で見ましたよ!テナガザル!」


「本当に手が長い。」


檻に釘付け。




園内は砂利道で順路の立て看板があり中が結構広いんだろうなあと想像が付く。


順路に沿って見ていくと奥に進むに連れてレアな豪華な動物になっていく。




「チーター!!」


「綺麗だなあ。」


ネコ科の動物好きだなあ。虎とかライオンは居ないのかなあ。


夏目さんも光国さんも勿論皆揃って子供の様にはしゃいでいる。




小動物は何と触れるスペースが用意されているではないか!!




「ちょっと行きましょう!」


キャサリンが私の手を掴んで連れていく。


「キャサリン、動物好きなんだな。」


大きく頷く。そういや、皆、ペット買ってないよなあ。


お金持ちだから飼えるだろうに。




「もふもふー♪」


ハムスターやウサギと戯れるスペース。可愛いなあ。




「キャサリン。中にまだ居ますよ。」


王子がウサギをもふもふするキャサリンに呼び掛ける。




小屋の中にはショーケースに触れない系の爬虫類が居た。


「おぉ蛇じゃ!」


「大きなトカゲですねぇ。イグアナ?ほぉー。」




普通に眺めているが良くこんなに動物集めたなと思う。


機械技術は発達してないのになあ。




小動物小屋を管理している園の方がどうぞ猫がお好きでしたら奥へどうぞと呼び掛けてくれた。




猫部屋!?そこはパラダイスの如く様々なブランドのお猫様がいた。


すげぇー!!


゛ニャー”


スリスリと足に寄ってくる。堪らん。


全員、好きらしく部屋に入り座り込んだ。


「僕、1日此処に居れそう。」


ジョージが猫の喉を撫でながら微笑んでいる。


「僕も住めるかもー。」


カインの膝には長毛種の猫が座ろうかどうしようかとカインをフミフミしていた。




「癒しだわ。」


キャサリンが猫を抱き抱える。


ちなみに私の肩には短毛種の猫が乗っていて動きづらい。可愛いがちょっと重いぞ。




「凄い慣れておるなあ。」


「しかも猫ってこんなに種類が居るんですね!」




猫って人見知りだからめちゃくちゃ人慣れさせて来たんだと思う。


「会長?」


何故か動物園に来てから会長が静かな気がして声をかけた。




「ルナリー。此処に来たことは無い。が、多分アプリで知ってる。。」


会長はボソッと呟いた。


猫の頭を撫でながら会長は思い出すように考え込んで居た。


「何かイベント?事件?」


また聞こえるか聞こえないかの声で呟く。


うーん。楽しい観光がイベントなのかなあ。何かのラブ系イベントなら何も起こらず終わるんだろうけどね。




「ちょっとトイレ行ってきます。」


クライスが立ち上がった。


「あっ。私も行くー!」


「あっ。私も。」


確か外に公衆トイレありましたよ。とクライスが言うのでキャサリンともに連れション。




「すっかり皆、虜ですね!来て良かったー!」


「ボードウェンにこんな所があったとは知らなかったよ。キャサリン猫好きなんだなあ!」


「可愛いわよねー!」


王子も連れて来て良かったと凄く嬉しそうだったし。


しかも、平日で混んでないから猫は触り放題!最高だ。




トイレを済ませるとクライスは警護人と待っていてくれた。


「すまん。待たせた!」


「いえいえ。また猫触りましょう!」




そう言って小動物小屋へ向かう時だった。


四方から明らかに外国人が数名駆け寄る。


前世で言うならアジア系外国人だ。




警護人が咄嗟に前に出た。


「何者だ!」


警護人が不審な外国人に声をかける。




「ボードウェン国王子だね。」


「間違いない金髪碧眼だ。隣は婚約者だ。」




警護人はそれに対して返事はせず警戒して構えている。




「キャサリン、何を勘違いしてるか知らんが。このままシラを切ろう。いざとなったら警護人とルイスと光国さんを呼びに走れ。」




「クライスは王子のフリをしとけよ。」


キャサリンとクライスにボソリと呟いた。




ポケットには何時もの特殊警棒。




警護人は1人。それに私。


相手は5人。




「ボードウェン国王子、ちょっとお付き合い下さいよ。」


「悪い様にはしませんから着いて来てくれるだけで良いね。」


相手の外国人は特殊警棒を出してきた。




それを見て警護人も構える。


私はクライスとキャサリンの前に立ち特殊警棒を出す。


要件は勘違いされているクライス。


こりゃ護る必要あり!


隙を作ってキャサリンを逃がさなきゃ。


「王子、手伝わなくて良いから黙って隠れてろ。」


「わっ。解った。」


クライスは話を合わせて頷く。




こんな時に限って園の飼育員も客も来ない。


「大人しく王子を渡しな!!」


外国人が警護人に襲いかかる。




「今だ!」


私は援護しながらキャサリンを走らせる。




「追わせねーよ!!」


外国人が追いかけようとした所を後ろから飛び蹴り。


倒れたが直ぐに起き上がり私へ向かって来た!




しかし、やべーな。コイツら強いぞ。

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