第192話みんな文化祭デート

文化祭だー!


ノネット・クライムのコンサートは2日目。




本日はメンバー全員、生徒会腕章を付けてウロウロ。


「特に問題無いでしょうから分かれてデートしましょうか?!」


王子がお願い!とカインに訴えている。




「まあ、良いと思いますけれどね。会長、クライス、ジョージ、何処か行きましょうかー。」


カインの誘いに3人は笑顔でOKと言っていた。


エミリアはブルーさんと回れたら良いなあと行っていたので良かった。




でも、皆、行く所は露店って言うオチだ。




「スイーツ!スイーツ!」


「今年も美味そうなの出てるなあ。」


去年のデートが懐かしい。


「まだ持ってる?」


「ん?犬指輪?あるぞ。」


思わずニヤけてしまう自分がいる。捨ててないんだ。




「あんな大事なもん捨てる訳ないだろ。」


ルイスが頭をポンと叩いて笑いながらジェラート屋さんに引っ張って行かれる。




「チョコ!!」「ピスタチオ!!」


おー。それも食べたかった。


「美味いぞピスタチオ。食うか?」


「もちろーん!」




スプーンで差し出されたジェラートを食べる。うーん冷たくて美味しい。そして、こんな事を自然と出来る感じが幸せだ。


チョコもはいアーン!と口に入れる。


「こう言うデートも良いよなあ。」


ルイスがしみじみと言う。




「イチャイチャしてますねー。」


背後から会長が笑いながらやって来た。


勿論です!




「僕らも食べましょうよ。」


「賛成ー!」


カイン、クライス、ジョージ、会長もジェラート屋さんに並んだ。




会長、ハーレムっすね。楽しそうだ。


「僕、ストロベリーにします。」


「ブルーベリーで。」「アーモンド。」「チョコ。」


皆、悩みながら注文していた。悩むよねえ。




「僕らもちょっとずつ交換しましょうよ。」


クライスがそう言うか言わないかのうちにカインのブルーベリーをスプーンで勝手に掬って食べていた。




「あー。もー。クライス!じゃ僕もいただきマース!」


チョコゲットとジョージから奪っていた。


会長もじゃストロベリーゲットとクライスのを取り。ジョージは会長から1口ゲット!と奪っていた。


見ていて微笑ましい。






「ルナリー。楽しそうだから他行くぞー。」


ルイスが4人にしてやろうと言い他へ連れて行かれてしまった。


残念。もう少し見たかった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「キャサリン、クレープ食べましょう!」


「はい!クレープ美味しいですよね。」




キャサリンはお揃いのブレスレットに婚約指輪に去年、文化祭で買ったネックレスも身に付けてくれてる!


可愛いぃ。もう、めちゃくちゃ可愛い!!




「どうしたの?」


まじまじとキャサリンを見すぎていたので質問されてしまった。


「いや、ネックレス付けてくれてるから懐かしいなって。」


そう言うとキャサリンは凄く嬉しそうに大事な宝物ですよ!と言った。




「可愛い。」


思わず心の声が漏れてしまった。キャサリンはもう!と言いながら顔を赤らめて照れている。


益々、可愛い。


キスしたくなる!そう言う衝動を抑えてクレープ屋さんに並ぶ。




「ストロベリーが定番かなあ。」


「シュゼットとかで食べるのも美味しいですけど食べ歩きっていうのが良いですよね!」


うん。僕もこのカジュアル感が露店の醍醐味だと思う。




「生クリームとストロベリージャムで!」


「じゃ、私は生クリームとチョコソースでお願いします。」


お互い注文してニッコリと見詰めあう。




しまった。クレープって交換出来ないじゃないか!後でジェラート屋へ誘おう。




でも、美味しいし楽しいなあ。警護人も私設兵も居ないってのが良い!


そう思っていた時だった。




「キャーーー!!!」


女性の悲鳴だ!




「行こう!キャサリン!」


デートに浮かれていたら事件?!生徒会の仕事しないと!


声のする方に走る!






「こら!うちの生徒に何、手出してんだ!」


女生徒を強引にナンパして連れて行こうとした街の悪そうな奴らをルナリーとルイスが締め上げていた。




「全く、アホだな。」


手をひねり上げられジタバタしている。痛そう。。




警護人が駆け付けルナリーとルイスは引き渡して居た。


仕事が早い。人目がなかったらもっとやっていたんだろうなあ。




会長やエミリア達も駆け付けて一部始終を眺めていた。




「あっ!みんなー!」


「遅いぞー。もう片付けた!」


ルイスとルナリーは笑顔で無傷。




ぷッ思わず笑えてくる。


「あはは!流石ですよね。見回りは2人が適任。」


皆もそうだよね。と笑っている。




「イマイチやりたいなかったな。」


「うん。人目があるもんな。」


2人は物足りなさそうにしていた。




「姐さんとルイスって警護人とか私設兵になれそうだよねー。」


カインが笑いながら言ってるけど僕もそう思う。




「それも楽しそうだよなあ?」


「お前はダメー!」


ルナリーが反対されてブーブー言っている。




「じゃ、またさっきの様な事が無い様に見回りとデート続けましょー!」


はーい!!手を上げて解散!




1日楽しくデートが出来た。良いよなあ。文化祭!!

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