第191話文化祭コンサート何歌う?


「文化祭コンサートの曲を決めましょう!」


さっき生徒会室でカインと仕事していて考えていないのを思い出した。


曲のストックはあるし問題は何を歌うかかな。




「既存曲にします?新曲も入れます?」


ユニット試したいなあとクライスが言った。




「そうですねえ。」


王子が腕組みしながら首を捻る。うちの学校の生徒ってファンですよね?


「選挙の時はファン達だと思ったけど?誰かコンサート行きましたとか声掛けられた?」


カインが聞くと意外にも皆、首を横に振る。




「そうなんですよね。マナーが良いから声をかけないのか。本当に誰も来ていないのか。」


来ているのと来ていないのではちょっとコンサートの曲が変わってくる。




「教会には来てた人は居る。」


「あー。居たね。」




「どっちのタイプなんだろう。うちの生徒。無難な曲?斬新な曲?」


王子がまた首を捻る。




「そうですね。僕は斬新な曲タイプだと思います。若いから。」


会長がふふっと笑いながら言った。




「確かに同級生達ですものね。感覚は同じでしょうね。」


キャサリンが会長の意見に頷きながらユニット試しましょうか?と言った。




「Jupiterと島唄は確定で良いですよね?」


賛成ー!とそこは確定。




「ユニットなんだけど万人ウケ、男性ウケ、女性ウケの良い3組を考えているんだけど。ちなみにどれに入りたい?」


会長が男性陣に聞く。




「俺は万人ウケだな。」


ルイスはそう言うと思ったよ。


王子も万人ウケを選んだが後の4人は女性ウケユニットを選んだ。




「どうしようか?もう4人でやっちゃう?」


クライスが3人で分かれるかと考えていた様だけど今回は良いかと妥協案を提案。




婚約者無し組で良いんじゃないかと私は思うけどねえ。


それが1番女性にウケるだろう。




「じゃ何か曲考えてみようかな。」


会長はやりたい曲があったようでノートを広げて考えだした。


「会長はやっぱり仕事が早い。」


カインがボソッと呟いていた。




「今回は楽器の持ち込みが大変だから出来ればプラゲ楽器では無い方が有難いんですけど。」


王子が会長にお願いすると会長は楽器は使わなくて良いやつにすると言った。




「え?!《ひとり》みたいな曲ですか!!僕も歌いたい!」


王子が懇願するので5人組男子に決まりそうだ。




「女性ユニットも試したいなあ?」


エミリアが笑顔でキャサリンに訴えている。


「あぁ。良いわよ。曲出来てるし。ルイスが余るから入りましょうか?」




「はぁー?何で?俺?」


うん。余っているんだけど。ルイスが1番女性ユニットに似合わない。


簡単に決まるかと思っていたけど結構揉めるなあ。


何だかんだで新曲試したいんだよね。




「ルイス、僕と交代しようか?」


ジョージが笑顔でユニット交代を提案。まじか?良いのか?女性ユニットだぞ?!と討論していたがジョージは僕の方が違和感無いでしょ!と言い切っていた。




女性ユニットはこの前、教会で言っていたSPEED?かな。


キャサリン、エミリア、私にジョージ。




「後、1曲と念の為にアンコール1曲決めましょうか。」


会長が曲を書いている間に話し合い。




「アンケート集計から《乾杯》かな?」


カインの意見に同意。




「浪漫飛行!」


この曲楽しいから好きとクライスが手を挙げた。




それで決めましょうかと話し合いは一旦終了。




「主旋律だけ完成!!後は夜にでも書くよ。」


会長、絶対何か考えていたんだろうなあと思うスピードで書き上げていた。




《I Want it that way》と言う曲らしい。はい、メインはクライスだよと楽譜を渡してクライスに歌わせていた。




「バックストリート・ボーイズって言うアメリカの歌手なんだよね。メインボーカルがクライスにぴったり。」


会長は横に来てボソッと説明してくれた。


「ジョージが女性ユニットか。可愛いよね。」


まあ、そうだね。と言っておいた。ジョージが良いならいいんだけどなあ。可愛いのは事実だな。




「良い曲ですねー!!メロディーが良いです。」


「会長、仕事早すぎー。」


王子とカインが褒めるので会長は脳内である程度作っていたんだよ!と苦笑いしていた。




新曲は練習するとして、文化祭は何とかなりそうだな。


文化祭まで2週間。

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