第181話やっと曲が決まったー!

ガラガラっとレッスンルームの扉を開ける。


皆、集合早い!




「宿題やった?」


第一声で聞かれたので取り敢えずと答えた。


「僕も書きましたよ!!」


クライスがニヤっと笑った。まじか!


何と作詞だけはカインもクライスもジョージもやっていた。


切羽詰まったら出来るもんだな。


「一応、作曲まで出来てる人の曲を今回は優先しようと思ってます。」


会長が凄く笑顔だ。皆の作品を私も見せて貰ったがなかなか良い詩だった。こりゃ笑顔になるなあ。




ガラッと扉が開いて


「作詞だけ!私、書けました!」


エミリア目の下にクマ出来てる。めちゃくちゃ苦労したようだ。




凄い!本当に皆、全力!




「書きました!!キャサリンは作曲もしてきましたよ!」


王子とキャサリンが入ってきた。


キャサリンはまあ、出来るんだろうけど。1人で楽譜起こししたんだな。凄く疲れて見える。




歌詞交換会を行う事にした。




「皆さん凄いですねー。」


そう言う王子の詩も良い出来だ。まさか全員書ける様になるとは。プラゲ国の経験のお陰だなあ。




「ルナリー、これは?」


会長がボソッと聞いてきたので、プラゲ楽器が思い付かなくてすまん!と謝っておいた。


「んーでもめちゃくちゃ良い曲だよね。僕も好き。」


会長も知っていたかー。有名な曲だもんねWe are the world。会長は思い付かなかったなあ。次回に回すかと小声でブツブツ言っていた。




ルイス!これはオフ〇ースの名曲だな。和楽器じゃなーい!御丁寧に主旋律は会長でと書いてあった。


会長はそれを見て、そーなるよねと呟いた。




キャサリンが三線で伴奏します。と記入していた《海の声》と言う曲が素晴らしい。これも有名な曲らしい。


会長がこれがあったか!!とまた呟いた。会長何でも知ってるよなあ。




会長は《さよならの向こう側》だ。山口〇恵の引退の時の曲だなあ。これはめちゃくちゃ名曲。会長は和楽器が全然思い付かなかったと不満気味だが。山口〇恵なら他にも私は沢山思い出せそう。




他の皆は歌詞だけだったが名曲が誕生しそうな予感がする。




「多数決取りましょうか?」


王子が全部に目を通した所で言った。


「一応、今回は急ぎなので作曲もしてあるルナリーとキャサリンとルイスと会長の曲から。」




勿論、キャサリン以外はキャサリンの思い出した海の声に挙手!三線って所が良いと言う意見が多数だった。




「でも、この姐さんとルイスと会長の曲も次回、絶対歌いたいです!」


「それは僕も同感。We are the worldって特に好き。」


クライスと王子の意見に思い出した甲斐があったなあと思う。




「じゃあ!曲は決定!!」


お疲れの皆で拍手!




後は練習だ。


何やら会長がキャサリンにこれって浦島太郎だよね?と聞いていてキャサリンが違うわよ!BE〇INが作った曲だから!と小声で言い合っていたが私には浦島太郎とBE〇INがどう繋がるのか解らない。。




後でこっそり聞いてみよう。






そして曲順決めに入る。




1曲目って大事だよね。




「凄く迷いますね。」


王子もノートを開いて腕組みをして悩み中。




「大人しくクラシックよりから始める?いきなり盛り上げる?」


そういう事だよね?会長がペンをクルクル回しながらノートを眺めている。




「客層って解るか?」


王子に聞くと見事にバラバラだった。市民ホールでの購入者は不明だが教会はそうだったらしい。10代~40代かな?と言っていた。


「教会のお客さんは絶対、どの曲でも好意的だろうな。」


私がそう言うと皆、頷いた。


「ルナリーの言うように市民ホールでの購入者が初見の方が多いかもね。3分の1が初見と思っておいて良いかも。」


キャサリンも真剣にノートと向き合っている。




「Jupiterかoh happy dayかhail holy queenが妥当?」


無難路線でクライスが意見。




「僕らの本当のデビュー曲だからJupiterにしませんか?」


王子が笑顔で言った。


「無難ですけど掴みが感動すると思います。」


エミリアが賛成と手を挙げた。


「異論なし!」


その後も考え続け漸く決まった。




曲順


①Jupiter


②your song


③Hail Holy Queen


④宇宙のファンタジー


⑤サマーバケーション


⑥oh happy day


⑦浪漫飛行


⑧ワダツミの木(浴衣着替えタイム)


⑨ひとり(浴衣着替えタイム)


⑩異国の友へ(プラゲ楽器披露)


⑪夢芝居


⑫海の声(三線披露)


⑬島唄




アンコール


⑭友情


⑮乾杯




「これで行きますかー!!」


ノートに全員しっかり記入。


「あー。またこんな時間!」


今日も放課後を費やしてしまった。




「帰りたい人?!」


私が言うと皆、首を振る。


「じゃあやろうよ。」


歌わないとストレスが溜まる!!




「僕らって本当に歌バカの集まりですよね。」


王子がクスクス笑いながらピアノへ向かった。




結局、小一時間練習。先生にそろそろ学校閉めますと声をかけられるまでやってしまった。


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