第177話閑話 パーティーの後で
無事に誕生日パーティーが終わった。
後片付けのお手伝い。
本当はしなくても良いのかもしれないけれど何だか最近こう言う事もしたくなる。
「フラーム様すみません!」
使用人達が気の毒がるけど気にしないでーと皿を纏めたり。
正直、ジェファーソンを待っている間が暇なのだ。
着替えも済ませたしドレスが邪魔ってことも無いし。
本当は翌日にデートしたかったのだが市民ホールコンサート準備が忙しい。これに関しては我儘なんて言っていられない。今後の人生がかかっている!曲決めないと。新曲も作らないと。舞台演出とかいるのかな?頭がごちゃごちゃだよ。
「ごめん!お待たせ!え?片付け手伝ってくれてたんだ。ありがとう!」
ジェファーソンが着替えてやって来た。
「気にしないで。何か暇だったから。」
ふふっと笑うとジェファーソンも笑顔になる。
「私の方こそ無理言ってごめんなさい。ゆっくりデート出来なくて。」
「僕の方こそ無理矢理コンサート決めてしまったから。」
お互いに何か謝りあっていてまだちょっと気を使い合ってるなあと思えてしまう。
「ジェファーソン、何処に行きたいですか?」
あんまり時間は無いけれど夜までまだ大丈夫。
「キャサリンの行きたい所で良いよ。」
そう言われると思って考えて来ましたよ。警護人が着いてくるデートだからジェファーソンは何時も気にする。
「私とお揃いの物を買いに行きましょう!」
ショッピングデートへお誘い。
「お揃い?!」
ジェファーソンはちょっと驚いた顔をしたけれど直ぐに良いよ!街に行こうかと言ってくれた。
ジェファーソンの車に乗り込んで出発!街ならばと警護人は1人だけ。
「お揃いって発想は無かったなあ。何買おう。」
嬉しそうに微笑むジェファーソンが可愛く見える。
「お財布?アクセサリー?」
考えると私も嬉しくなってきた。オソロって何だか嬉しい。
服とかオソロとかしたい所なんだけどこの時代、無いのよねお手軽な服。
ペアリングとかは一般的過ぎるし。
街に着いて男女両方のブランド品を展開しているお店に入る。
店員さんがジェファーソンと私に気づいてお辞儀をしてよってきた。
「いらっしゃいませ。ジェファーソン様にフラーム様。」
私達は笑顔でこんにちはと御挨拶した。
「何かお揃い出来る物が欲しいんです。」
店員さんにそう言うと考えて色々と探してくれた。
「どうします?誕生日プレゼントですよ?」
ここはジェファーソンに決めてもらいたい。
「悩むなあ。キャサリンとお揃いか。全部お揃いにしちゃいたいよね!」
そう言われるとキュンと来る。結構イチャイチャしながらお買い物。
「ちょっと男性っぽくても良い?」
ジェファーソンが選んだのはカッコいい感じのブレスレットだった。女性物は少し細めだけどコンセプトはカッコ良さ。
「はい!嬉しいです!」
お揃いで身に付けてみる。
「お似合いですよ。本当に仲睦まじいですね。」
店員さんが微笑まれる。
無事に誕生日プレゼントも購入し車に乗り込む。
「キャサリンありがとう!」
ジェファーソンがそっと手を取って車の中で手を繋ぐ。
「お揃い。嬉しいなあ。」
嬉しそうに呟くジェファーソン。
家まで送って貰い降りる時にもう1つ誕生日プレゼント。
「これ、私が作ったんです。」
「えっ?キャサリンが?」
ジェファーソンが驚くのも無理ない。財閥令嬢は殆ど料理しないからなあ。
「サーターアンダギーです!琉球で食べた物を再現してみました!」
元々作れたんだけど。懐かしくて作ってみた。
「わー!凄いよ!嬉しい!!」
食べてみて良い?ワクワクした顔のジェファーソンにどうぞと勧める。
1口食べて目を丸くした!
「あの時の味だ!美味しい!ありがとう!」
笑顔のジェファーソンからの不意打ちのキス。甘い。
警護人も運転手さんも見てるよ。
でも、止まらなかった。
「お誕生日おめでとう。」
「ありがとうキャサリン。」
見つめ合うと笑顔がこぼれる。
また明日ね!手を振って見送った。
幸せ!
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