第176話誕生日パーティー!今回も歌います!
王子とキャサリンはまた御挨拶回りに戻って行く。
その後、エミリアとブルーさんが私達を見付けてやってきた。
見ていて微笑ましいカップルだ。
「もうー!皆して面白すぎですよ!」
「皆さん仲良しですねぇ。」
周りの御令嬢達や御子息の黄色い声援が凄かったと言っていた。
「いやぁ。眼福でしたよ。」
会長がそっと私の横で囁いた。
「完全に私利私欲でしょ?」
正解です。と会長は嬉しそうに言った。
「アイドルグループみたいですよね。」
「ここまでとは予想外。それだけ新しい音楽に国民も飢えていた証拠かな?」
確かに日本の歌謡曲が受け入れられたって事になるもんなあ。
皆で会場の隅にいるのだが今日は視線が痛いんじゃなくて熱い。
それに不思議と皆で居ると寄って来ないもんだ。
「御令嬢達がダンスを求めて来ませんね?」
カインが嬉しそうにクライスと話している。
「ノネット万歳!あと会長のお陰だよね!」
でも、予想通りのリクエストは来た。
誕生日パーティーの終盤に御令嬢の集団から「せーの!!ノネット・クライムの歌声をお聞かせ下さーい!!」
と声援の様な大きな声が上がった。
そこから拍手やら声援やら。ノネットコールやら。
「あはは。やっぱり来たよ。」
クライスが笑いながら行こうか?と皆に呼びかける。
「行くしか無さそうですね。」
会長がすっと脱いでいた上着を羽織る。
ダンスの曲が終わったタイミングで会場の中央へ。
踊っていた方達だけで無く皆が会場の隅に寄り綺麗にスペースが出来た。
キャサリンが此方へ集合。
「ジェファーソン様お誕生日おめでとうございます!」
皆で王子に向かって一礼。王子は凄く笑顔だ。
「知っている方も沢山いらっしゃる様ですが現在私達はノネット・クライムと言うグループを結成して活動を行っております。先程リクエストも御座いましたので1曲ご披露致しますね。」
会長が挨拶すると拍手が起こった。
「your song聞いて下さい!」
ふう。クライスが深呼吸。
美しいクライスの声が会場に響き渡る。
ハモリとボイスパーカッションの様な感じで今回はアレンジしてみた。王子の顔が満面の笑みだなあ。
歌い終わって王子に向かって一礼!
「皆!ありがとー!!」
王子が挨拶をすると会場中からも拍手喝采が起こった。
王子が此方へ走って皆に抱き着く。
「もー!また僕に内緒にしてましたね!!」
狡いですよ!と言いながら笑顔。
「良い曲ですね!流石ですよ。作ったのは?」
「あー。私。」
王子はうんうんと頷きながらルナリーっぽいと言った。いや?好きな曲のジャンルが。。なんだけどね。
鳴り止まない拍手の中でアンコールが起こる。
「うわー。考えてなかったー!」
ここでもアンコールか。困りましたね。とブツブツ話し合う私達。
「あっ。宣伝しないと!」
王子が突然手をパンと叩いて思い出した様に言った。
「市民ホール翌日も予約しちゃいました!チケット購入したい方が多くて。」
えー!!!また勝手な事をー。ジェファーソンらしいけど唐突過ぎる。そう言いながらも仕方ないなあとなってしまう。
初回からコンサート2daysかよ。
私達のやり取り中もアンコールが止まない。そろそろ歌わないと。
王子が会場の皆の方に向かって一礼。
「アンコールありがとうございます!ノネット・クライムは9月末にコンサートを開きます。当初1日だけの予定でしたが翌日も公演する事になりましたので宜しければチケット購入よろしくお願いしますね!」
猛アピールだ。
王子の挨拶にチケットを買えなかった令嬢や子息達や初めて知った方達から歓声が起こっている。
で?何の曲にします?と王子が首を傾げている。
丸投げかよ。
「楽器が無いからアカペラで歌える曲に限られるからね。」
「では、アンコールは Oh happy dayにしまーす!」
会長が叫ぶと会場から拍手。
自らの意思で会長が決断してくれて良かった。
はぁ。仕方ないですよー。と聞こえないくらいの声でブツブツ言っているけれど。
会長絶好調のハイトーンボイス。
私達も合わせて歌う。歌に合わせて会場から手拍子が起こる。
お客さん解ってますねー?
もう、誕生日パーティーなのかノネット・クライムのパーティーなのか。良く解らない感じだけど誕生日の本人が楽しそうなのでこう言うのも有りかと思った。
「ありがとうございました!」
歌い終わってお辞儀。拍手喝采の中もうアンコールは勘弁して貰おうと会場の隅に退散した。
王子の誕生日パーティーと言うかミニコンサートと言うか。
無事に楽しく終了した。
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