第174話閑話 カイン生徒会長

新学期そして!生徒会長選挙が始まった。




掲示板の告知には


立候補は3名。財閥御曹司のジェンドリック。社長の息子のニールセン。そしてうちのカインだ。




「うーん。このジェンドリックが曲者ね。規模は小さいけど一応財閥だし。」


「ピアノ科だよな?もう1人は弦楽器?」


「だなあ。ニールセンはうちのクラス。上手くないよ。」


ルイスはある程度の才能で当選するんじゃないか?って言っている。


それを言うなら御曹司もそれ程上手くないらしい。


「才能で当選なら私が1番じゃねーの?」


と調子に乗ってみると庶民は無理とツラい意見が返ってきた。




「それにしても会長ってずっと会長だったよな?」


掲示板を見に来た会長に聞くと笑って1年生から僕が会長だよ?っと澄まして言った。


「演説力の差かな?1年生で当選したくらいだからねー。」


プチ自慢だ。しかし、凄いな。




アリア学院の生徒会長って生徒会室で遊んでるイメージ。


ちゃんと仕事してますよと突っ込みを入れられた。




「何を噂してるんですか?全く!」


カインが笑いながらやって来た。


まさか生徒会長に立候補させられるとはね。と言いながらもやる気はある様で演説も考えているそうだ。


「この御曹司や社長坊ちゃんには遠征に着いてきて欲しく無いよな。」


「うん。」


私達にとって切実な問題。


ちなみに生徒会長以外は選挙が無いのがこの学校ならでは。


生徒会役員は生徒会長が指名出来る。


会長は成績の良いクラスメイトを選んだと言っていた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




生徒会長選挙当日。




私達の心配が杞憂だったと直ぐに解った。




ステージに立った時からの声援が凄い。男女も問わずのレイノースコール。


コンサートかよと突っ込みを入れる程。。




カインは一般的な公約で苛めを無くす等の他にアリア学院を世界に広める為に活動をして行く事を宣言した。ノネット・クライムとしての活動なんだろけれど。




ファンがこの学院にも沢山居るんだな。




そして圧倒的大差でカイン会長が誕生した。






放課後のレッスンルームでカインは高笑い。


「いやー。当然でしょ?」


全く、飛行船が飛び立つ時のカインを生徒達に見せてやりたいもんだ。




「ここ迄、楽勝だとビックリですね。ノネット効果かな?」


会長もこの大差には驚いていた。


「でしょうね。カイン、全然大した話してないし。」


クライスが笑いながら言ったが確かにそう。




「考えていたんですけど。ステージに上がってからのレイノースコールを聞いたら何を言うか頭から飛びました。」


逆に緊張したと苦笑い。


本当は苛め問題以外にも考えていたんですよ。と必死で弁解している。




生徒会役員は私達全員で行う羽目になった。


面倒だが皆でやれば仕事も早く済むだろう。


卒業までは会長が殆ど仕事を手伝ってくれるそうだし。




カイン新生徒会長。でもケビンが会長のあだ名のまま。


そんな私達。

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