第171話マッケンジー家で宿題

宿題を終わらせるぞー!


皆には申し訳ないが1日休みを貰いました。






マッケンジー家のリビングにて宿題中。最強の見張りが2人も居ます。


「ルナリー!ボーッとするな!!」


「はい!すみません!」


グレンさんの睨みが最強に怖い。




「ルイスもさっさと終わらせちまえ!まだ終わってなかったのかよ!」


「うう。俺もかよ。」


ルイスは後は社会だけか。羨ましい。




「バカ娘!ペンが止まってるよ!」


数学難しいっす。えーと。えーと。




「解らないのか?」


「ええ。数学苦手。」


貸してみろとローズさんが問題を見てサラっとヒントを書いてくれた。


「すげー!」


何で解るんだ!




「私らはボードウェン国立学院卒なんだよ?アリア学院と違って勉強が出来る学校なんだよ。」


そうでしたか。流石、財閥御曹司と御令嬢っすね。




「くそー。絶対、前世はバカだった筈なのに。。」


ルイスがボソリと呟くとグレンさんが頭を鷲掴みしてグリグリしていた。


「いってー!親父止めてくれー!」


「クソガキが。」


笑いながらやられている。気の毒に。




お二人のお陰で宿題が進む進む。


ルイスは終わって横でバカにしている。くそー。


「音楽だけは学年1位なのにな。」


だけはね。


何で彼等は記憶が戻ってもこう言う所は真面目なんだろう。


私は爪の垢を煎じて飲ませてもらわねばならない状態だ。




お昼ご飯も食べずに何とか音楽以外が終了した。


「おっ。。終わった。奇跡だ。」


テーブルに突っ伏してもう脳が限界っす。




「お疲れ!飯食うだろ?」


「食べたいっす!」


何から何まで甘えてごめんなさい。グレンさんとローズさんのガン飛ばしのお陰です。




「ルナリーにしては早かった。」


ルイスが頭を撫でてくれる。癒されるー。


「後は楽しい音楽だけ。これは楽勝。」


去年もそうだったなあと言われながら今年の音楽の宿題何だっけ?とプリントを見る。それすら見てなくてすみません。そんな奴なんです。


今年は独唱1曲と編曲に主旋律だけの曲を3部合唱にするっと。




「ほれ。昼飯だよー。」


リビングには現在、使用人は出入り禁止にしているのでローズさんが厨房からパスタを持ってきてくれた。


「すみません!ありがとうございます!」


「良いってことよ。」


笑いながら食え食えと勧められる。




「美味しいー!」


流石、マッケンジー家の料理人!バジルのパスタ大好き!


「さっさと嫁に来れば毎日食えるぞ。」


ローズさんとグレンさんが笑顔でプレッシャーを与えてくる。




「金賞取らねば。。」


そうそう。まあ、大丈夫だろ?と言われるが。今度は早目にエントリーしよう。




「でも、同居ってお兄さんとそのお嫁さんも一緒にですよね?」


ローズさんがあー。と言う顔をして


「クソ真面目な長男とその真面目な嫁な。どうしよう。」


立派な長男らしいのだが息抜きが出来ないので同居を迷っているらしい。


「いや、俺達が育てたんだがな。」


グレンさんは笑っている。


「前世持ちの可能性は無いんですか?」


無さそうだなあと2人とも呟く。


ボードウェン国立学院卒業後に大学留学。現在2年生だそうだ。




お兄さんと義理のお姉さんはそのうち会えるとして、グレンさんとローズさんと同居は楽しそうだなあ。


「まあ、跡継ぎじゃ無いから稼げるようになったら別居でも良いぞ。」


「俺はどっちでも良いよ。」


「うん。私もどっちでも良い。」


ルイスも私もグレンさんとローズさんの元に居るのは居心地が良いので。何て贅沢なんだと思う。有難い。




「ところで、ルイスは話した?市民ホールの件。」


「あー。話して無い。」


9月に市民ホールで500人収容のコンサートをする話をする。


こら!大事な事だろ!っとグレンさんがルイスにデコピン。痛そうだ。




「で、何か歌のアイデア下さい。」


「だよなー。ロック以外で。」


私、長生きしてないのであまりネタが無いんですよ。


俺も。。


そう言うと確かになあと2人は悩み出した。




「私らも長生きでは無いんだけどね。」


「こいつは交通事故、俺はチンピラに刺された。」


グレンさんがサラッと暴露。




「今をきちんと生きてりゃ良いのさ。な?ルイスもルナリーもね。」


ローズさんが笑顔だ。


「死因ね。言ってなかったなあ。」


ルイスがポツリと呟いた。


「何だ、言ってなかったのか?」


グレンさんが苦笑していた。まあ、引かれるかもなーと言いながら。


「俺は!サキの後追い!だから。多分ストーカーよりしつこいぞ。」


ルイスは気まずそうにプイっと横を向いた。


「私も逆の立場なら同じ事しただろうな。だから引かない。」


そう言うとルイスは照れた様に此方を見る。




「良かったな上手く転生して。」


しみじみそう思う。




「まあ、それは置いといて。アイデア下さい。」


話を戻そう。


改めて考えると難しいなあと4人で悩む。




「長〇剛の乾杯。」


「米〇CL〇Bの浪漫飛行。」


と2人から好きな曲を教えて貰えた。




歌って貰うとそれはもう!最高に良い曲!


感動の名曲の乾杯。


何度も聴きたくなる名曲の浪漫飛行。




「曲のストックにしとこう。」


「うん。楽譜起こしておこうか。」


歌詞と主旋律と2人で制作。




「頭はアレだけど本当に音楽の才能だけは有るんだな。」


改めて感心された。


頭はアレだけど。まさにそう。




アイデアを有難く頂いたし宿題も終わったし。




「泊まらないのか?」


とグレンさんに言われたが私達は王子との約束を守る!と決めたので本日は大人しく帰宅しました。

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