第152話時間稼ぎ

さて、風呂でどの位の時間が稼げるか。


風呂まで連れて来た公家も気持ち悪かった。だいたいこの時代の日本人、いやプラゲ人ってどうせ小さい〝ピー〟(自主規制)しか付いてないくせに。逆に襲ってやろうか?いやいや、キモイ。


って下ネタになってしまった。


風呂は檜風呂か。造りは質素だけど。


何か公家の後だと思うと入りたくないな。




首都でも無いし時代的にまだサウナ的な風呂かと思ったけどちゃんと湯が張ってあるのは凄いな。




光国さんが間に合わなかったら初体験は公家か。黒歴史だよ。


でも、クライスとジョージを守れるなら良いとするか。


私の可愛い推し達。






かけ湯をしてと。ボディソープとかある訳ないか。


良し、湯に浸かろう。


「あー。」


こんな時でも湯船に入るとリラックスしてしまう。


ボードウェンに来た時は政治は将軍と総理と天皇で上手く言ってるって言ってたけど。武士と公家ってやっぱり仲悪いのかもなあ。


と言うか!!おい!プラネットゲーム社!


設定めちゃくちゃ過ぎるだろ!吉宗殿と光国殿に伊藤博文さんや夏目漱石さんやら同じ時代に生きてるだけでもおかしいのに。


前世に戻って会社に乗り込んで文句言ってやりたい。




「光国さんが権中納言になるのってもう少し晩年だったもんなあ。今、地位のある人って誰なんだろ。」


逃げたら僕等は助かる。


光国さんは死ぬかもしれない。


決意したのにまだ逃げたい気持ちがある。イケメンなら文句無いのにさあ。




風呂上がるか。


もう1回、客間に戻って水分補給させて貰おう。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




客間から急いで3分。ゆっくり歩いて4~5分ってとこですね。


しかし、御所広い。


グレンさんとそっと中納言の部屋を廊下の角から覗く。


確かに小姓しか居ない。


「戻りますか?何処か隠れて待ちますか?」


「俺が残ろうか。踏み込む事になるなら俺が強いだろ?」


確かにその通り。


「大司教様は光国さんが来たら急いで此処に連れて来る役目を頼むよ。」


何処に隠れて待ちます?と聞くと適当に大丈夫だろ?と言う。マッケンジー家って財閥で凄く格式あるイメージでしたけど。




「では、1度戻ります。」


「任せとけ。」


グレンさんに見張りを任せて客間に向かう。


公家に見つからない様に。




ケビン君はそろそろ風呂上がり頃だろうか。






途中、公家とすれ違う事はあったが捕まることも無く。トイレの帰りだと上手く誤魔化せた。まだ中年男性では無いつもりでしたが興味無い年齢なんでしょうね。興味持たれても困るけど。




客間に戻るとケビン君は無表情でお茶を飲んでいる所だった。




案内人の公家は早く飲めと急かしている様だった。




「場所解りました。見張りは子供ですから何か有れば直ぐに踏み込めます。」


ジェファーソン様に報告をする。


「大司教様ありがとうございます。最悪、踏み込みましょうか。」


「グレンさんが見張りをしていてくれてます。」


そう言うとルイスとルナリーとローズさんが凄く安心した顔をした。やはり相当、信頼されているんだな。




「後は場所は急いで3分ほど此処からかかります。ゆっくりで5分。私は光国さんを連れていく役割をしますので。」


「会長、ゆっくり歩けよ。」


ケビン君は黙って頷いた。




『さあ、早う。』


案内人の公家が急かした。


『はい。行きましょうか。』




ケビン君は立ち上がり皆に微笑んで客間を出て行った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




『お主がこういう事が嫌いなのは承知しておるのにすまん。』


間もなくで京都御所。間に合え!とバスのスピードを上げる様に急かす。




『嫌い。権中納言は大嫌い。でも、致し方ないし。光国殿がそこまで庇う異国の子達には興味ある。』


彼は涼し気な顔でそう言った。




『演技もして貰う事になるぞ。あの権中納言だからのぉ。本当にタチが悪い。』


着いた。


御所内に入り客間へ向かう。


頼むからまだ無事で居てくれ!




客間に入るとケビン殿の姿が無い。




『光国殿!!』


皆の歓喜と安堵の視線が集まった。




『間に合います!ちょっと走って下さいね!』


『わっ、解った!』




大司教殿を先頭に彼と皆と急いで権中納言の元へ向かった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る