第141話総長達に遊ばれる

夕食後はプラゲ語の勉強会。




「名詞、動詞、形容詞OKのプラゲ語しりとり!」


会長の提案で始まった。


転生者には楽勝に見えるかも知れないがまだ無い単語が存在するのでそれを考えながら発言するのが大変だ。




『おはよう』『美しい』『い?、、今』『ま、ま、祭り!』




結構盛り上がる。




『り?り?両替商!!』『伺う!』『う?う、歌!!』


飽きずにずっとやり続けたら眠くなって来た。


「寝ましょうか?皆、良く覚えてますよねー。」


王子も欠伸が出てる。


「そーしよかー。後ろで寝るー!」


「俺もー!」


私とルイスは後方スペースに移動しようかとなった。ゴロ寝が落ち着くし。




「ちょっと、大丈夫なの?両親いるのに!」


キャサリンが気を使ってこっそり問いかける。




「あー。大丈夫。大丈夫。だって家にお泊まりもしてるし。」


サラッとグレンさんが暴露してしまった。地獄耳だし、口軽いー!!




「えー?!お泊まり?!!」


「聞いてないですよ!ルイス!」


「ルナリー!ルイス。それは詳しく聞きたいですねぇ。」


皆に突っ込まれる。


「大人の階段?」


「登ったの?ちょっと!そこ寝たフリしない!」


グレンさんとローズさんは爆笑している。全くこんな時は親らしくない総長達。完全に遊ばれてる。




「いや。親父とお袋が泊まれって言うから。なあ?」


「泊まっただけー。じゃあおやすみなさーい!」


ひたすら寝たフリ。恥ずかしいって!


「ルイス!!寝るな!」


「ルイス!!!こら!」


暫く激しい突っ込みが入った後、ヒソヒソと遂に大人になったのか。去年は恥ずかしがってたのにねー。両親公認かあ。と止まらない。


やっと静かになったかなと言う頃には本当に眠りについていた。






朝、目が覚めると結局、ローズさんとグレンさんもゴロ寝しに来ていて4人で仲良く寝ていた。


「おはようございます。いつの間に?」


「やっぱ、横になりたくてさー。」


「げっ。親父と添い寝とか。」


「嬉しすぎるだろう?」


他から見たら変な親子関係だろうな。でも、自然とこうなって仕舞うんだよね。




「おはよう。ルイス君、此方で話を聞こうかー!」


カインがドSな微笑みを見せて起きたてのルイスを椅子の方に拉致していった。カインと王子と会長に囲まれて。。気の毒に。


「グレンさん、ローズさん私達で遊びすぎですよ。」


突っ込みを入れると2人はまた爆笑していた。


もー。困った両親だ。


「おーい。カイン君、ジェファーソン君、ケビン君、そろそろうちの愚息を解放してやってくれ!」


グレンさんがそう言うと漸く解放された。




朝食を食べ暫く談笑しているともう少しで到着時間ですと王子の私設兵が報告に来た。


「着替えなきゃね。」


私とエミリアとキャサリン、ローズさんは別室で着替え。私達はロングスカート制服、ローズさんはちょっと畏まったお洒落なワンピースに着替える。


ローズさんは私達のロングスカート制服を見て「スケ、、」と言いかけて黙った。この旅行で1番テンション上がっていてボロを出しそうなローズさんとグレンさん。もう、バレても知らないからなー。


着替えて外を見るともうプラゲ国のプラゲ海(日本海)の上空を飛んで居た。海の色とか波の感じとかボードウェン国とはやっぱり違う気がする。


「遂にプラゲ国だね。」


「来ましたねー!」


首都までもう少しだなあ。




「山が見えて来ましたね。何か街?村?うちの国と全然違うなあ。」


ジョージとクライスがワクワクした様にはしゃいでいる。


「カインも見ろよー!景色良いぞー!」


ルイスがさっきの仕返しと言わんばかりにカインに外を見せようとしていた。






「絶対!無理無理無理無理無理無理無理!!」




そして本格的に着陸体制に入りカインは更に叫ぶ。


睨んだり罵倒してあげながら何とか無事着陸した。




この空港は羽田空港辺りになるのかなあ。イマイチ場所が解らない。




「迎えに誰か来てるんでしょうか?」


「何か最初に降りるの怖いですね。」


テンションは上がっているのだが何せプラゲ国は同盟国では無い。


何処までボードウェン国から私達が来る事が浸透しているのだろう。




「我々が先に様子を伺いますので大丈夫ですよ。」


王子の私設兵2名が外に出た。


その後、どうぞ。と言う声が掛けられ私達は遂にプラゲ国上陸!!荷物は私設兵と王子の使用人が運んでくれる事になった。




そして懐かしい祖国の地に降り立った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る