第139話旅支度

夏休みが始まり5日後にはプラゲ国行き。


今日はこの前行った時に銀行強盗事件に巻き込まれたワップスと言う街にルイス一家で来ている。




そう!武器を買うため!




「特殊警棒欲しいわねー♪」


「何かあったら皆の命護らねーとなあ。」


ローズさんとグレンさんも買う気満々だ。




「親父は拳で充分じゃねーの?」


「1番強いし。」


この2人に武器は必要なのだろうか?


刀も現地で買うけどあった方が良いじゃないか!と2人は主張する。




警護人御用達の武器屋はひっそりと路地にあった。


看板も無くパッと見解らない。聞かなきゃ知らない訳だ。




店のドアを開けると暗めの照明。


それっぽい雰囲気!




ガラスのショーケースに様々な特殊警棒が並べてある。


「おお!凄い!」


私達のテンションがめちゃくちゃ上がる。




「ルイス!メリケンだ!」


「うおー!これは買いっすね!」




「ボーガンまであるぞ!チェーンもあるし!」


「総長、昔使ってましたねー。」


うっかり総長と言ってしまうくらいテンション上がりすぎだ。気をつけなければ。




店の店主は素人か?何者だ?と言う顔でチラリと此方を見た。


「煩くてすみません。」


グレンさんがペコっと頭を下げて、お前ら落ち着けと言った。いや、グレンさんも相当ですよ。




「護身用に銃いるかな?」


「刃物もね。武士の国だもんね。」


そこは何とも言えない。治安は悪そうな悪くなさそうな。




「銃刀法違反が無いから買っとくか。」


「私らの喧嘩道には反するけど仕方ないか。」


夜叉は刃物は禁止としてた。




グレンさんがリボルバー式銃一丁とメリケンサックことナックルカイザー1つ。


ローズさんは折りたたみ式ナイフと特殊警棒。ルイスはナックルカイザー1つ。私も新しい特殊警棒を買って貰った。強度が上がった新作だ。




「旅支度完了だな。」


うんうんと私達は頷く。王子の私設兵と合わせると私達を含めて護衛の方が多くなった。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




その夜キャサリンから電話がかかってきた。


「どうしたの?珍しい。」


「あっ!ルナリー!大変なのよ!!」




電話口で慌てた様子のキャサリン。何かあったんだろうか。


「私達、何着たら良いのかしら?!」


「はー?制服にだろ?ドレスでも着るのか?」


私がそう聞くと違うのよ!と言った。


王子の所に夏目さんから手紙が届いたらしい。


「言い忘れてました。申し訳ございません。女性は我が国では足を見せる服はまだ浸透しておりません。着物の前をはだけさせてわざと見せる女性もおりますが。」


あー。そうなんだよなあ。着物か。


「着物若しくは着物に袴が普通。外国のお客様とのパーティーではドレスを着る風習も浸透して来ました。だって!!」




制服のスカート膝丈だもんな。


この国でもそれより短いスカートはまだ流行ってない。


お金持ちの私服はロングスカート、ロングワンピースが主流かな。働き易いからパンツスタイルは庶民には多い。


「もう私服にしとくか?」


「荷物が増えるわね。」


だーねー。その話だとパーティーがある可能性もあるのか?


そうかも。と言った具合に10日間の服だけでトランクが1つじゃ済まなくなって来た。


「あのさあ。。今からじゃ制服をロングスカートにするのも間に合わないわよね?」


それはスケバンスタイルで良いって事ですか?!


やりましょう。


「任せとけー!3人ぶんくらい楽勝!」


「ちょっと恥ずかしいけど男子が制服なのに私が私服ってのがね。」


もー。遠回しに頼まなくても作るのにー!とテンション高く制服のスカートをロングスカートに変更依頼を受けた。




うちの制服は可愛い。冬服だったらロングスカートは合わなかっただろうな。


夏服で良かった。


その夜は型紙だけ作って翌日布地を買いに行って出発前にしっかり完成させた。


少し生地は違うけれど色がだいたいOK。


既存の制服と同じチェック柄と無地の2着。


我ながら上手いじゃねーかー!


そしてついでにコンサート用のセーラー服用のロングスカートも作ってしまった。




キャサリンとエミリアに渡すと凄いと感謝され更にテンションが上がった。


「ルナリーは本当に器用ですよねえ。」


「本当に凄いわ。仕立て屋に慣れるわよ!」


「だろー?」


3人で合わせて見ると外国人のスケバンが完成していた。


何か顔が合わないんだな。まあ、仕方ないか。。




何だかんだと旅支度が完了した。いよいよ出発!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る