第135話漢字って難しい

お昼ご飯はパスタだった。晩御飯は何が良いのだろう。


会長が皆にプラゲ国では麺類は啜るものだと前もって説明したので特に問題は起こらなかった。




「会長!相談です!」


王子がボードウェン語で真剣な顔で言ってきた。


「ジェファーソンどうしたんですか?」


プラゲ国には男性が好きな男性が多い様なんです!小柄な人は狙われやすいと言ってました!


「あぁ。確かにそう言うのもあるかもですね。」


会長は女人禁制と言う文化の説明をしていた。流石、勉強していますねと王子は感心しながら、だから男性を好きな人が居るのかと納得していた。


「狙われるならジョージか。女性ならエミリアだな。」


会長は腕組みしながら考えている様だった。




南ピアーナではナンパだったけど。時代劇のイメージからすると日本の悪代官とか出て来たらヤバそう。


私とキャサリンは160センチはあるので大丈夫そうだな。






午後も徳川さんとは殆ど雑談。


『衆道ってあるんですか?』


会長が直球で徳川さんに質問する。衆道はBLの事らしい。BLの意味も解らなかったのでキャサリンに聞いた。




『有る。儂も経験あるぞ。』


普通に言われてしまったので皆、平然となるほどと頷いた。


多分、私とルイスだけは知識がなかったので衝撃的。。




『フォワードは?したいのか?』


と予想外の質問をされ会長は焦りながら違いますと答えた後に


「まあ、されても良いけどね。前世は女だし。」


とボードウェン語で呟いていたが。。




『晩御飯どうしますか?』


ルイスが話題を変えようと話を振った。


徳川さんは扇子を片手にポンと叩きながら悩まれて


『癖の強い物で無ければこの国の料理で良いぞ。』


と仰られた。また難しい事を言われたなあ。


取り敢えず料理長には伝えておいた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




少しはプラゲ国の事が解った気がするが言葉はまだスラスラと出てこない。


あっ!これは聞くのを忘れたら大変だ。


『夏目様!お金!プラゲ国のお金は?えーと。』


「すみません。貨幣はどうしますか?両替の単語が解りませんでした。」


と英語も使って質問した。パルドデアに聞いておくべきだった。




『両替。と言います。パルドデアのお金は両替商で行えます。』


聞いといて良かった。


「レートを教えますね。これは私もウッカリしてましたよ。」


夏目様は紙に書き込まれる。


『昔は金の小判や一分銀等にしていたんですが材料費が嵩むので制度を海外に合わせたんですよ。』


金と銀は材料費が?かかるから海外と同じにした?で合ってるのかな。うん。何か言葉が理解出来てきた。




1円、5円、10円、50円、100円、五百円札、千円札、1万円札


と紙には書かれていた。


100円が1パルドデアドル。




解りやすい。


『ちなみに100円までは硬貨です。500円からは紙のお札です。 』


そう言って財布を取り出して見せてくれた。


『ありがとうございます。これは本当に助かりました。両替商は何処にありますか?』


と言うと紙に漢字で両替商と書かれた。


この漢字を覚えて下さい。案内人が出迎えに来るとは思いますが。個人で観光する時は町で探す事になると思います。




漢字。プラゲ語って難し過ぎる!!


平仮名でも難航したのに!何だこのごちゃごちゃした字。


『両替商、両替商と。』


僕がブツブツ言いながら一生懸命メモをしていると難しいですよねと夏目様は申し訳なさそうな顔をされた。




『漢字は沢山あるんですか?』


ジョージも必死で両替商とメモした後に質問した。


夏目様は識字率の話を英語で簡単にされた。


武士以外はそれほど高く無いらしい。


『大事な物だけ覚えましょう!』


夏目様は考え考え紙に書いていかれた。




飯屋、男、女、厠、禁止、禁制、賭博、博打、番屋、代官所。


「これはレストラン、男、女、トイレ、この2つは禁止と言う意味です。賭博や博打は賭け事をする場所です。入ったら危険。この2つは警察署です。」




必死で漢字をメモする。難しい!


でも、これは重要だよね。


「結構ね男は入れても女は入れない場所あります。」


それでこの漢字を教えられたのか。


夏目様はまた何か思い付いたら教えますねと仰られた。


午後は漢字の勉強で終わってしまったがとても勉強になった。








「晩御飯何だろな?」


「難しいよなあ。この国で和食って。調味料がねーよな。」


ルイスも何かアイデアはないか考えてくれているが和食って醤油、味噌、出汁も欲しい。


「あれ?小麦粉で天ぷらって作れたよなあ?作った事ないけど。」


「あー。親が小麦粉に水?入れてたな。会長に聞いてみるか!」


そうそう。天ぷらは日本食だよね。


前世、料理して来なかったのがこんな時キツイ。


会長とキャサリンも料理下手だった様だ。


「小麦粉と卵と水。割合が不明。」


「私も作った事無い!でも出来そうよね!」


今日は料理人に任せて明日は滞在最後だし作って見ようかと言う事になった。




晩御飯は魚介類と野菜を中心にコンソメやトマト系で料理長が美味く作ってくれた。


流石、ボードウェン城の料理長だ。


徳川さんと夏目さんは笑顔で召し上がってくれた。


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