第134話ジェファーソン達も頑張って学びます

僕とした事が見事に自己紹介失敗してしまった。


自分の自己紹介は沢山練習したのに。


「こちらに集まって下さいね。」


夏目様が手招きしている。このグループ分けは自己紹介失敗組に違いない。


キャサリンは徳川殿の所か。悔しいなあ。




「今からはプラゲ語だけで話をしましょう!」


夏目様に言われて皆、黙ってしまった。


冊子を捲り何を話そうと話題を探してしまう。




『勉強用の本があるんですね。見せて下さい。』


夏目様がクライスから冊子を受け取った。パルドデアが作ったのか。へー。逆に解りにくくしている所もあるなあ。




ブツブツ言いながら冊子を読んでいるが何と言っているか半分くらいしか解らない。。


『武士言葉は使うのは止めましょう。』


確かに難しいとは思っていたけど


『何故ですか?』


聞いてみた。


『武士は階級で一人称や二人称を変えて来ます。ボードウェン様は良いですが他の皆様は使えない言葉がありますからね。』


全部、プラゲ語だ。


えーと。脳内で一生懸命訳する。




『すみません。もう1回言って貰えますか?』


ジョージが夏目様に頭を下げた。


夏目様は微笑まれて良いですよ。慣れましょうともう一度ゆっくり話してくれた。




脳内で訳して理解している内はダメだなあ。




プラゲ国での礼儀と言うか使った方が良い言葉を教えますね。と夏目様が仰られた。


『申し訳ございません。すみません。ごめんなさい。』


です。相手の身分に合わせてですが兎に角、何かあれば謝る!自分が悪く無くても取り敢えず先に謝ってから言い訳をして下さい。


なるほど。メモしておかねば。




『プラゲ国民は直ぐ謝ります。そう言う文化なのです。そこで強気に出られると不快な思いをします。気を付けて下さい。』


まあ、ボードウェンの方はプラゲ国に近い気がするんですけどね。貿易をしている他国、特にパルドデアに比べたら印象が良いです。


ちょっと意味が解らない部分があったけど褒められている様だな。




一人称は私。二人称は貴方。語尾はです。ます。ございます。で、OKと。


冊子よりも完結だなあ。




あー。キャサリン達が気になるなあ。凄く進んでる気がする。




握手はあまりしない。ハグは絶対しないと。


なるほど。




『次は過去形ね。語尾はでした。ございました。かな?』


夏目様の割と一方的な話で進んでいく。と言うより話が出ない!




『どんどん質問して良いんですよ?』


優しく微笑まれるけど悩んでしまう。




『自己紹介の事ですが、私はボードウェンの将軍の世継ぎであっていますか?他の人は何と言いますか?』


あー。そうですね。将軍か総理大臣の世継ぎだと思います。


他の方ですか。


「ちなみに?バートリーさんは財閥、レイノースさんは弁護士、アンダーソンさんとブラウンさんは?」


ここは解り易く英語で聞かれた。


「僕の家は医者です。」


「私は普通の庶民なんです。。」


エミリアがちょっと躊躇して答えた。


「庶民を恥じる必要は無いです。プラゲ国も結構実力社会なので大丈夫です。」




『プラゲ国ではバートリーさんは藩主の世継ぎですね。』


『レイノースさんは弁護士の子息、アンダーソンさんは医者の子息ですね。息子と使っても良いです。ブラウンさんは自己紹介では聞かれなければ答えない方が良いです。』


各自メモを取る。


「すみません。私の所の説明が解りませんでした!」


エミリアがオタオタしている。僕も良く解らなかった。




「ここは英語で説明します。身分を敢えて言わない。何故なら美しい身分の低い女性は狙われやすいからです。」


うわっ。何か南ピアーナの事を思い出してしまった。


外国ではそう言うのあるんだな。


エミリアもあー。と言う諦めた様な何とも言えない顔をしている。


『でも、彼女はボードウェン国の権力者と恋人です。』


あってるかな?僕がそう言うと夏目様は頷きながら


『では、藩主の許婚と言って誤魔化しましょう。』


と笑顔で言われた。


エミリアは藩主の許婚っとメモを取っている。




気を付けておかなければ。キャサリン、ルナリー、エミリアは美人だからな。またあの日の再来となったら大変だ。




『気を付けておくのは女性だけでは無いんですけどねー。うちの国は衆道がありますから。特に皆さん美青年ですし。』


夏目様がボソッと呟かれた。全員気を付けておく?って事かな。意味がイマイチ解らない。




『意味が解りませんでした! 』


クライスが手を挙げる。


何と言えば簡単かなあ。と悩まれながら、


『男性が好きな男性がいます。気を付けて下さい。』


夏目様の簡潔な説明に僕を含めて男性全員の顔が引き攣っていた。


それは本当に気を付けなければ!!!ボードウェンにも居るけれど。ここ迄ハッキリと言われるという事は沢山居るのかも知れない。


『大丈夫ですよ。貴方方は身長も高いですし。狙われやすいのはやはり小柄な方ですし。』


夏目様が必死にフォローを入れられたがジョージだけは青ざめていた。


ジョージ、少し身長伸びたけどまだ160センチ無いですし。


そうか、小柄だと危ないのか。ジョージとエミリアを守らないといけないな。


勉強になるな。改めて来て貰って良かったと思った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る